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オフショア開発の5つのメリットとデメリット・失敗しないコツを解説

オフショア開発の5つのメリットとデメリット・失敗しないコツを解説

更新日 : 2023.12月.04

「オフショア開発には、どのようなメリットがあるの?」
「オフショア開発を導入するメリットは?」

IT業務を海外の企業や子会社に委託するオフショア開発には、どのようなメリットがあるのか気になりますよね。

結論から言うと、オフショア開発には下記の5つのメリットがあります。

オフショア開発はコストダウンやIT人材不足など、国内のIT企業が抱えている問題解決ができるところが大きなメリットです。

しかし、これらのメリットを最大限に活かすには、オフショア開発のデメリットやオフショア開発に向いている案件を把握して自社に合っているのか検討する必要があります。

そこでこの記事では、オフショア開発のメリットやデメリット、向いている案件などをまとめて解説していきます。

この記事を読むと分かること
◎オフショア開発をする5つのメリット
◎オフショア開発をする4つのデメリット
◎オフショア開発が向いている案件
◎オフショア開発が向いていない案件
◎オフショア開発で失敗しないための4つのコツ

この記事を最後まで読めばオフショア開発のメリットやデメリットが把握でき、オフショア開発を導入すべきか判断できるようになるはずです。

オフショア開発は自社の課題や問題解決につながる可能性はあるので、ぜひチェックしてみてください。

1.オフショア開発をする5つのメリット

冒頭でも述べたように、オフショア開発には5つのメリットがあります。

オフショア開発の5つのメリット
・コスト削減ができる
・IT人材不足を解消できる
・海外に自社専属の開発チームを作れる
・業務の幅が広がる
・納期の短縮につながる

それぞれどのような部分がメリットとなるのか、詳しく解説していきます。

 

1-1.コスト削減ができる

オフショア開発の1つ目のメリットは、コスト削減ができるところです。

経済産業省の「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」に記載されている各国のIT人材の平均年収を見てみると、タイやベトナムは日本の二分の一以下の年収となっています。

参考:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」

日本でIT人材を一人雇うと平均で年収598万円かかるのに対して、タイでIT人材を一人雇うと平均年収は195万円で済みます。

人件費のみを考えれば、年間300万円以上のコスト削減が期待できることが分かるでしょう。

実際に株式会社RESORZが公表している「オフショア開発白書2021」では、オフショア開発で平均30.7%のコスト削減が実現していることが分かっています。

例えば、国内のIT人材を使い開発をすると100万円を要するところが、オフショア開発を活用すると約70万円で開発ができることになります。

先行きが不透明な経済状況において、コスト削減を課題としているIT企業は多いかと思います。

オフショア開発を導入することで大幅な人件費削減ができるところは大きな魅力だと言えるでしょう。

 

1-2.IT人材不足を解消できる

2つ目のメリットは、IT人材不足を解消できるところです。経済産業省が実施した「IT人材需給に関する調査(2019年)」によると、2030年までにIT人材は45万人不足すると推測されています。

IT人材の需要と供給のギャップ
2018年 2020年 2025年 2030年
不足数22万人 不足数30万人 不足数36万人 不足数45万人

参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査

その背景にはIT技術の急速な発展や少子高齢化社会など、さまざまな要因があると考えられています。

実際に国内のIT人材不足は深刻化しており、独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センターが実施した「IT人材白書2020」ではIT人材の質に対する不足感を抱いている企業が年々増加傾向にあることが分かっています。

 

1-3.海外に自社専属の開発チームを作れる

3つ目のメリットは、海外に自社専属の開発チームが作れるところです。オフショア開発には、主に請負契約とラボ契約の2種類があります。

  ラボ契約 請負契約
概要 あらかじめ期間を設けて必要な人員を用意し専属のチームを作る方法 成果物ごとに契約をする方法
メリット ・開発とフィードバックを重ねて品質や技術向上が見込める
・仕様変更など柔軟に対応できる
・優秀な人材を確保できる
・仕事を受ける側が成果物に対しての責任を負うため、責任の所在が明確
・単発案件や必要な技術に応じて活用できる
デメリット ・責任の所在が不明確なので、ともに進めていく必要がある場合によっては技術やコミュニケーションの育成が必要 ・明確な指示が必要となる
・長期的な開発に向いていない
・仕事を受ける側の責任が大きいため、コストが高くなる傾向がある

ラボ契約を選択すると、設定した期間内は必要な外国人エンジニアを確保でき専属のチームが作れます。

例えば、2年間5人の委託先国のエンジニアとラボ契約をすれば、2年間は自社の開発やプロジェクトに携わってくれることになります。

ラボ契約でのエンジニアは契約上他の社員ではありますが自社スタッフと同様の指示やルール共有ができるため、技術や関係性が蓄積されていきます。

海外に開発拠点を持つ足掛かりにもなり、双方の同意さえあれば優秀なエンジニアを自社の現地スタッフとして移籍させることも可能です。

このように、オフショア開発を活用すれば、海外に拠点や人脈がなくても自社専属のチームを用意し開発が進められるようになります。

 

1-4.業務の幅が広がる

4つ目のメリットは、多彩な案件に対応でき業務の幅が広がるところです。

株式会社RESORZが調査した「オフショア開発白書2021」では、オフショア開発を委託する案件として下記のサービスが挙がっています。

※株式会社RESORZに寄せられる相談や海外現地のオフショア開発企業へのアンケートなどをもとに集計

基本的なwebシステムやサービス開発、スマートフォンアプリ開発だけでなく、基盤系システムの開発やwebシステム業務などさまざまな案件を委託しています。

自社にはwebシステムやサービス開発ができるエンジニアしかいなくても、オフショア開発で保守管理業務を委託すれば効率よく業務が進むでしょう。

また、オフショア開発を活用しAIやブロックチェーンなど最新技術の開発に取り組んでいる事例もあります。最新技術を活用した新規事業の立ち上げに、オフショア開発を使うことも可能です。

オフショア開発を上手に取り入れることで、自社内では対応しきれなかった業務にも挑戦できるようになるのです。

 

1-5.納期の短縮につながる

オフショア開発の5つ目のメリットは、納期の短縮につながることです。その理由は、2つあります。

1つ目は単純に、1つの案件に携わるエンジニアを増やせることです。IT分野における工数は一般的に「ITエンジニアの人数×作業時間」で算出されます。

50時間かかる業務がある場合、エンジニアが一人しかいないと一人で50時間分の仕事をしなければなりません。オフショア開発を活用し3人のエンジニアに委託をすれば、3分の一の時間で業務が完了します。

エンジニアを増やすことで1つ1つの案件にかかる短縮ができ、効率よく案件を回せるようになります。

2つ目は、優秀なIT人材に任せられることです。オフショア開発の主要な委託先国であるベトナムやインドは、IT教育に力を注いでいる国です。優秀なIT人材が育ってきており、知識と経験豊富なエンジニアに出会える可能性があります。

一人一人のエンジニアの技術が高ければ生産性が向上し、1つの案件や作業にかかる時間を短縮できます。その結果、納期の短縮へとつながるのです。

一定以上の納期がかかると生産性が低下し、企業の収益が下がってしまいます。優秀なIT人材の確保とIT人材の補填で効率よく業務が進められるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

 

2.オフショア開発をする4つのデメリット

オフショア開発のメリットが把握できたところで、気になるのはデメリットです。オフショア開発のデメリットとしては、下記の4つがあります。

オフショア開発の4つのデメリット
・言葉や習慣の壁がある
・品質管理が難しい
・海外拠点となるのですぐに現地に行けない
・時差があるので迅速な対応が難しい

メリットとデメリットの両方を把握するとオフショア開発を検討するときに役立つので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

2-1.言葉や習慣の壁がある

 

オフショア開発の委託先国は母国語が日本語ではないため、言葉の壁があります。

株式会社RESORZが調査した「オフショア開発白書2021」では実際にオフショア開発をしたときに感じた課題として、コミュニケーション力が1位となっています。

オフショア開発をしたときにオフショア開発企業に感じた課題  
1位 コミュニケーション力
2位 品質管理
3位 技術力

もちろん、日本語を学習している委託先国のエンジニアもいますが、専門用語や難しい会話になると意思疎通が図れないことが多々あります。

地域によっては英語でのコミュニケーションを求めてくる場合や英語すら通じないこともあり、どのようにコミュニケーションを取るのかが大きな問題となります。

場合によっては国内のオフショア開発専門会社が通訳してくれることや別途通訳を雇うことも可能ですが、コストがかさんでしまうでしょう。

仕事をするうえで、言語だけでなく文化の違いがあることもデメリットとなります。時間管理や勤務態度、考え方に差が出てくるので、互いが許容しながら進めないと大きな溝が生まれます。

例えば、日本人は「言わなくて通じる」と思い行動する部分がありますが、海外ではまずそれはありません。

言わなければ通じないですし、言わないほうが悪いことになります。このように、言語や文化の壁を認識し円滑に進められる方法を工夫する必要があります。

 

 

2-2.品質管理が難しい

 

オフショア開発は、品質管理が難しい側面があります。

その理由としては、下記の3つが挙げられます。

 

①国によって仕様や開発方法が違う

委託先国によって、仕様や受けてきた教育が異なる場合があります。エンジニアによっては、独自のソースコードを使用したり難解なソースコードを組み込んだりするケースもあるようです。

その結果、メンテナンスができない、バグが発生するなどの品質低下につながります。

独自の解釈で開発を進めないように明確な指示や細かな規定、ソースコードの指定などが必要でしょう。

 

②コンプライアンスの認識が異なる

コンプライアンスを守るとは、法令や規則、社会規範に従って業務を行うことです。日本では近年コンプライアンスの厳守が重要視されており、一人一人の意識が高まっています。

しかし、オフショア開発の委託先国が同じようにコンプライアンスを認識しているとは限りません。まだまだ浸透していないのが現状で、ルールや規則を念頭に置かずに開発を進めてしまうケースもあります。

その結果、要望とは異なる成果物が納品されることもゼロではありません。

 

③意思疎通が取りにくい

「言葉や習慣の壁がある」でも解説しましたが、言葉の壁により思ったように意図が伝わらないことがあります。

例えば、Aと指示を出したつもりでも解釈が異なりBの方法で開発を進めてしまい、理想とは異なる成果物が完成する可能性があります。

言葉の壁があることを充分認識して、こまめにコミュニケーションを取る、進捗状況を把握することが欠かせません。

このように、優秀なIT人材であっても教育の基盤やコミュニケーション方法に違いがあるので、一定の品質を管理する難しさがあります。

 

2-3.海外拠点となるのですぐに現地に行けない

オフショア開発は海外が拠点となるので、問題が起きてもすぐに現地に行くことが難しいです。

成田空港からインドのデリーまでは片道9時間以上かかるため、すぐに行ける距離ではありません。

国内拠点のように現地で直接コミュニケーションを取る、現地で確認を取ることが難しいことはデメリットの一つです。

とくに、ラボ契約の場合は海外に拠点ができるため、トラブル時の対応はあらかじめ検討しておく必要があります。

 

 

2-4.時差があるので迅速な対応が難しい

 

オフショア開発では、時差がデメリットとなります。

例えば、急いで修正依頼をしたいのに、時差の影響ですぐに連絡が取れない場合があります。逆に委託先国から急ぎの連絡があっても、時差の影響で迅速な対応ができないことも考えられます。

主なオフショア開発委託先との時差は、下記のとおりです。

日本を基準としたときの主な作業オフショア開発委託国との時差
インド -3時間30分
ベトナム -2時間
タイ -2時間
インドネシア -2時間

アジア諸国は比較的時差が少ないですが、地域を変えると時差が大きくなりコミュニケーションが取りにくくなります。

あらかじめ時差を念頭に置いたスケジュール管理やコミュニケーション方法を用意することも欠かせないでしょう。

 

3.オフショア開発に向いている案件とは

オフショア開発のメリットとデメリットが把握できたところで、どのような案件がオフショア開発に向いているのか気になりますよね。

ここでは、オフショア開発に向いている案件をご紹介します。オフショア開発を検討する前に把握しておきましょう。

 

3-1.定番のwebシステム・サービス案件

定番のwebシステム、サービス案件はオフショア開発に向いています。シンプルなソースコードを使用する場合やロジックが簡単な場合は、国による違いが生まれにくいです。

委託先国のエンジニアに指示をする場合も理解しやすく、食い違いを減らせます。

また、ワードプレスやフレームワークを使用して構築をする場合は、基盤ができているので品質の低下が起こりにくいです。国による認識の違いも少ないので安心して任せられるでしょう。

  • シンプルなコードの定番のwebシステム、サービス案件
  • ワードプレスやフレームワークを使用して構築をする案件

は、オフショア開発を活用し低コストで効率よく開発を進めやすいと考えられています。

 

 

3-2.納期に余裕がある案件

 

「時差があるので迅速な対応が難しい」でも解説したように、時間に追われる案件はオフショア開発では対応しにくいです。

逆に、納期に余裕がありゆとりを持って進められる案件はオフショア開発に向いています。

時差や万が一のトラブルを考慮してもある程度余裕が持てる場合は、オフショア開発を活用するチャンスです。オフショア開発なら国内のエンジニアに依頼するよりも人件費を抑えられるため、案件ごとのコストが削減できます。

「オフショア開発に興味はあったけれど、なかなか踏み出せなかった」という場合は、納期に余裕のある案件で請負契約を試してみるのがいいかもしれません。

 

3-3.英語ベースでやり取りができる案件

委託先国によっては日本語でのコミュニケーションに不慣れでも、英語でのコミュニケーションに慣れている場合があります。とくに委託先国として選ばれているイベトナムやタイでは日本語でのコミュニケーションはできなくても、英語でのコミュニケーションならできる優秀なIT人材が数多くいます。

つまり、コミュニケーション言語を英語にすることで

  • 優秀なIT人材が獲得しやすくなる
  • 意思疎通がしやすくなる
  • コスト削減につながる(日本語対応の場合は通訳等を雇うコストがかかる場合がある)

というメリットがあるのです。委託元企業や国内のオフショア開発専門会社が英語でコミュニケーションが取れる場合は、オフショア開発を活用しやすい基盤が整っています。

 

4.オフショア開発に向いていない案件

オフショア開発に不向きの案件は、下記のような案件です。

オフショア開発に不向きな案件
・デザイン案件
・特急対応が必要な案件
・日本特有の技術や考え方が必要な案件

どのような点がオフショア開発に向いていないのか解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

4-1.デザイン案件

オフショア開発に向いていないのは、デザイン案件です。民族や文化、風習により好むデザインが大きく変わるからです。

例えば、中国やベトナムでは原色を使った鮮やかなデザインが多いです。オフショア開発で仕上がるデザインも同様のテイストとなるでしょう。

敢えて機を狙っている場合は別として、日本人好みのデザインにはなかなか仕上がりにくいです。

日本で好まれるデザインにするにはよほど具体的な指示が必要となるため、時間や労力を割くことになります。

ホームページやスマートフォンアプリなどデザインが必要となる案件ではデザイン部分を国内で行い、開発をオフショア開発に任せる方法もあります。

 

4-2.特急対応が必要な案件

「納期に余裕がある案件」はオフショア開発に向いていますが、真逆とも言える特急対応が必要な案件はオフショア開発には不向きです。

先ほどから説明しているように、オフショア開発には時差や習慣の壁があります。委託元企業がどれだけ焦っても時差により連絡が取れなけば、案件は進められません。

また、習慣の違いにより

  • 勤務時間外労働はしない
  • 勤務時間外の対応はしない

連絡が来るまで案件に手をつけない

という場合があるため、急いで案件に取り組むこと自体に無理があります。

オフショア開発はスケジュール共有や事前の準備が成功を左右する側面があるため、特急対応が必要な案件は避けたほうがいいでしょう。

 

4-3.日本特有の技術や考え方が必要な案件

日本特有の考え方や技術が必要となる案件は、オフショア開発には向きません。

「品質管理が難しい」でも解説しましたがルールやコンプライアンスを重視したい場合は、考え方や重要性から共有する必要があります。

これを請負契約で実施しようとすると、1つの案件が終わるまでに時間と労力がかかります。

また、明確なフローや仕様が用意できず今までの例に習い行うというのもなかなか難しいです。ものごとを察しながら進めていくのは、日本ならではの方法です。具体的な方法がないと品質低下や納期遅延を招く可能性があります。

  • 仕様書やフローの作成に時間がかかり費用対効果を得られない案件
  • 短期案件にもかかわらずルールやコンプライアンスの共有に時間がかかる案件

などは費用対効果が期待できないため、工夫や回避が必要でしょう。

 

5.オフショア開発で失敗しないための4つのコツ

最後に、オフショア開発のメリットを最大限に活用しオフショア開発を成功させるためのコツをまとめてご紹介します。

オフショア開発に失敗しないための4つのコツ
・委託先国の特徴を把握して選定をする
・品質が維持できる仕組みを作る
・文化や言葉の違いを受け入れコミュニケーションを活発化する
・知識と経験が豊富なオフショア開発専門会社を活用する

このコツを押さえればオフショア開発で失敗しにくくなるので、ぜひ参考にしてみましょう。

オフショア開発が失敗する理由についてより詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。

>>オフショア開発が失敗する7つの理由と成功するためのコツを解説

 

5-1.委託先国の特徴を把握して選定をする

オフショア開発に失敗しないためには、どの国のエンジニアと業務をするのかがとても重要です。

国によってコストや商習慣、強みが異なるからです。主な委託先国の違いをまとめると、下記のようになります。

  平均年収 メリット デメリット
インド 533万円 ・オフショア開発に携わっている歴史が長く経験豊富
・国としてITスキル向上に力を入れている
・優秀なエンジニアは人気があり確保しにくい
・コストが高くなっている傾向がある
ベトナム 85万円 ・国の対策としてオフショア開発に力を入れている
・小型案件から対応可能
・英語・日本語能力共に若干低い
・優秀なエンジニアは人気があり確保しにくい
タイ 195万円 ・比較的コストが低い ・他の地域より人材が少ない
・組み込み開発に弱い傾向がある
インドネシア 192万円 ・比較的コストが低い
・モバイル普及率が高くモバイル開発がさかん
・実績が少ない傾向がある
中国 354万円 ・沿岸部はインフラが整っている
・日本語能力が高い
・他の地域より近い
・コストが高騰している
※平均年収は経済産業省「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」を参照

インドはオフショア開発に携わっている歴史が長く、経験が豊富なところが特徴です。ベトナムは小型案件にも対応してくれる傾向があり、オフショア開発を検討しやすいです。

コストを抑えたいなら、タイやインドネシアでしょう。インドネシアはモバイル普及率が高いため、アプリ開発やモバイル開発の実績が多いです。

このように、国によって得意や分野や特徴が異なります。委託したい案件の内容やコストを比較しながら、どの委託先国を選ぶべきか検討してみてください。

 

5-2.品質が維持できる仕組みを作る

オフショア開発では委託先国のエンジニアに依存するのではなく、品質維持ができる仕組みを作ることが重要です。

品質維持の仕組みは開発内容により異なりますが、一例として下記のようなことが実践できます。

①細かな仕様、ルールを共有する

委託先国のエンジニアの独自判断で進めてしまうと、品質の低下を招きます。成果物の仕様や開発時のルールを細かく決めて、仕様に沿った成果物を開発できる仕組みを整えましょう。

②日本人のマネージャーを在籍させる

ラボ契約の場合は長期的に開発をしていくため、常に品質チェックができるよう現地に日本人のマネージャーを在籍させるのも一つの方法です。

③進捗状況をこまめにチェックする

案件の進捗状況を確認しないでスケジュール管理を任せきりにしてしまうと、開発がブラックボックス化します。成果物が完成したときには状況が掴めず、システム修正をしなければならない事態に発展します。

進捗状況や成果物の開発状況は逐一チェックして、不備はあるときは早期発見、改善ができるようにしましょう。

品質が低下すると、修正や改善に時間とコストを要します。高品質な開発ができるように、体制を整えることが大切です。

 

5-3.文化や言葉の違いを受け入れコミュニケーションを活発化する

オフショア開発は、チーム一丸となり同じ方向を向いて開発を進めることが欠かせません。そこで、重要となるのがコミュニケーションです。

文化や商習慣の違いを受け入れ、お互いが理解し納得できるようコミュニケーションが取れることが大切です。

「こうでなければならない」「こうあるべき」という考え方ではなく、そういう考え方もあるよね」と受け入れる姿勢を忘れないようにしましょう。

委託先国によっては文化や風習を受け入れてもらえないことで、モチベーションの低下につながることもあります。

また、コミュニケーションが取れない状態だと意見を言ったり質問をしたりすることができず、品質の低下にもつながります。

  • 週に1度はテレビ会議をする
  • チャットやメールなどで気軽にコミュニケーションが取れるようにする
  • コミュニケーションを国内のオフショア開発専門会社任せにしない

といったポイントに気をつけながら、お互いが開発に打ち込める環境を作りましょう。

 

5-4.知識と経験が豊富なオフショア開発専門会社を活用する

オフショア開発は自社で独自に委託先のエンジニアを探すことができますが、知識や経験がないと優秀なIT人材を厳選することが難しいです。

国内でのやり取りではないので事務手続きやマネジメント、スケジュール管理なども意外と大変です。

そこで、オフショア開発をするときには基本的にオフショア開発専門会社を利用します。

オフショア開発専門会社を通じて委託先国を決定したりエンジニアの面接を実施したりできるので、条件に合う人材を見つけやすいところが特徴です。

オフショア開発の基本的な仕組みや流れを知りたい人は、下記の記事も参考にしてみてください。

>>オフショア開発とは?注目される3つの理由と具体的な進め方を解説

 

GALKラボは、ハイレベルな技術を持つインド工科大学の学生とIT事業を展開する企業を結ぶサービスです。

下記のような強みがあり、最小限にリスクを抑えながらIT人材不足やスキル不足をカバーできるところが特徴です。

①社会人エンジニア3~5年目の同等のスキルを持つインド工科大学の学生と開発ができる
②学生だからコストを抑えられる
③ブリッジSEが学生と企業の間に立ち進行をしてくれる
④ブリッジSEが通訳をしてくれるので語学力やコミュニケーションの心配がない
⑤3ヶ月ごとにチーム構成会議を行い、メンバーの追加や入れ替えが柔軟にできる

まとめ

いかがでしたか?オフショア開発のメリットやデメリット、向いている案件が把握でき、オフショア開発を活用すべきか判断できたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

〇オフショア開発のメリットは次の5つ

  1. オフショア開発委託先国の人件費は国内より安いのでコスト削減ができる
  2. 国内で深刻化しているIT人材不足を解消できる
  3. ラボ契約を選択すると海外に自社専属の開発チームを作れる
  4. 新規事業や新たな分野にチャレンジでき業務の幅が広がる
  5. 納期の短縮につながる

〇オフショア開発のデメリットは次の4つ

  1. 言葉や習慣の壁がありコミュニケーションが取りにくい
  2. 品質管理が難しい
  3. 海外拠点となるのですぐに現地に行けない
  4. 時差があるので迅速な対応が難しい

〇オフショア開発に向いている案件は次の3つ

  1. ミスが起こりにくい定番のwebシステム、サービス案件
  2. 納期にゆとりがある案件
  3. 英語ベースでやり取りができる案件

〇オフショア開発に不向きな案件は次の3つ

  1. 国による違いが出やすいデザイン案件
  2. 特急対応が必要な案件
  3. 日本特有の技術や考え方が必要な案件

〇オフショア開発で失敗しないためのコツは次の4つ

  1. 委託先国の特徴を把握して案件に合う委託先国を選定をする
  2. 品質が維持できる仕組みを作る
  3. 文化や言葉の違いを受け入れコミュニケーションを活発化する
  4. 知識と経験が豊富なオフショア開発専門会社を活用する

この記事をもとに、オフショア開発のメリットを活かした導入や検討ができるようになることを願っています。

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