オフショア開発(オフショアリング開発)とは、簡単にいうとIT業務を海外の企業や子会社に委託することです。
webサービスやスマートフォンサービスの開発、保守点検や管理業務などを賃金水準が低い国に委託して、スムーズにシステム開発を進める手法を指します。
オフショア開発を活用することで深刻なIT人材不足やコスト高騰が解決でき、企業拡大や収益アップにつなげられるところがメリットです。
一方で、言葉や習慣の違いや時差など距離的な問題もあるので、オフショア開発について詳しく把握したうえで検討する必要があります。
そこでこの記事ではオフショア開発の概要や導入方法、メリットやデメリットなどオフショア開発に関する知識をまとめて解説していきます。
この記事を読むと分かること |
◎オフショア開発とは ◎日本でのオフショア開発の現状 ◎オフショア開発が注目される3つの理由 ◎オフショア開発2つの契約方法 ◎オフショア開発の5つのメリット ◎オフショア開発の4つのデメリット ◎オフショア開発を検討するときの3つのポイント |
この記事を最後まで読めばオフショア開発とはどのようなものか把握でき、検討できるようになるはずです。
今、注目を集めているオフショア開発について、理解を深めてみましょう。
1.オフショア開発とは
冒頭でも述べましたがオフショア開発(オフショアリング開発)とは、簡単にいうとIT業務を海外の企業や子会社に委託することです。
もう少し詳しく解説すると、webサービスやスマートフォンサービスの開発、保守点検や管理業務を賃金水準が低い国に委託して、スムーズにシステム開発を進める手法を指します。
国内のリソースだけに頼らず海外に目を向けることで優秀な人材の確保や海外拠点の設置、コスト削減が見込めます。
続いて、オフショア開発の概要を把握するときに気になるオフショア開発の目的や進め方を解説していきます。
1-1.オフショア開発の2つの目的
オフショア開発の目的は、人材の確保とコストダウンの2つです。情報化社会の発展に伴いwebサービスやアプリのシステム開発や運用、保守などの業務が急速に増えています。
しかし、日本は深刻なIT人材不足に陥っており、国内で優秀なエンジニアやプログラマーを一定数確保することが難しい状態です。(詳しくは「国内のIT人材不足が深刻化している」で解説しています)
今からの採用活動や福利厚生などの待遇を考えると、国内で新たな人材を発掘し一定数の人員を抱えるだけでも膨大なコストと時間がかかります。
そこで、オフショア開発では人件費が安いインドやベトナム、ミャンマーやタイなどに着目し、現地の優秀なIT人材に業務を委託します。
すでに高い技術を持つエンジニアやプログラマーなどに仕事を依頼できるため、人材育成や人材の発掘に時間がかかりません。
また、日本に比べて賃金水準が低いため、1案件にかかるコストを削減することも可能です。このように、IT業界全体が抱えている
- 専門的な知識のある優秀な人材の確保
- 人件費や案件ごとのコスト削減
を実現することがオフショア開発の目的です。
1-2.オフショア開発の主な進め方
オフショア開発は、オフショア開発専門会社を利用して進めるのが一般的です。具体的には、オフショア開発専門の会社に案件内容やコスト等を相談して委託をします。
オフショア開発専門の会社はブリッジエンジニア(ブリッジSE)を設けて、委託元と委託先の橋渡しをします。
つまり、下記の図のように委託元と委託先、オフショア開発専門会社の3者でスケジュールを調整しながら開発を進めることになります。
ブリッジエンジニアは委託先と委託元との交渉や調整、進捗状況の伝達を担うところがポイントです。委託元に言語力や海外のIT開発市場の知識がなくても、スムーズな進行が叶うように努めます。
もちろん、委託元となる会社が海外のプログラマーやエンジニアを探して直接委託することも可能です。
しかし、優秀な人材かどうかを見極める、トラブルを避けてオフショア開発を進めるという点では実績がある国内の専門会社を利用したほうが無難でしょう。
1-3.アウトソーシングとの違い
アウトソーシングとは、国内外問わず業務の一部または全部を委託することです。オフショア開発は賃金水準が低い外国に委託をするので、委託先に大きな違いがあります。
アウトソーシングはコスト削減や人材の確保以外にも、組織内で行う業務の取捨選択や専門知識の導入目的で活用されています。
アウトソーシングの一例としては
- 組織が大きくなった場合に一部の業務を外部委託して社員の負担を減らす
- 専門性の高い分野を外部委託しクオリティを向上させる
- 簡単な保守点検業務を外部委託し主要業務に集中できる環境を作る
などが挙げられます。このように、オフショア開発のように委託先を限定せず、多彩な目的で活用されているのがアウトソーシングだと言えるでしょう。
アウトソーシング | オフショア開発 | |
---|---|---|
概要 | 国内外問わず業務の一部または全部を委託すること | IT業務を賃金水準の低い海外の企業や子会社に委託すること |
主な目的 | ・人材の確保 ・コスト削減 ・組織内で行う業務の取捨選択 ・専門知識の導入など | ・人材の確保 ・コスト削減 |
1-4.ニアショア開発との違い
オフショア開発と似た言葉に、ニアショア開発があります。ニアショア開発とは、比較的近距離にある企業にIT業務を委託することです。
ニアショア開発はあくまでも近距離にある企業を対象としているので、オフショア開発のように海外への委託は対象となりません。
例えば、都心に会社を構える企業がシステム開発を地方都市の企業に委託することがニアショア開発に当てはまります。
ニアショア開発の目的は、オフショア開発と同様に人材の確保とコスト削減です。
首都圏よりも人件費が安い地方の力を借りることで、コストを抑えながら優秀な人材を活用できます。ニアショア開発はオフショア開発のような文化、言葉の壁がないところが大きな魅力です。
国内で優秀な人材さえ確保できれば、オフショア開発よりも負担を減らしたスムーズな委託が期待できます。
ニアショア開発 | オフショア開発 | |
---|---|---|
概要 | 比較的近距離にある企業に業務を委託すること | IT業務を賃金水準の低い海外の企業や子会社に委託すること |
主な目的 | ・人材の確保 ・コスト削減 | ・人材の確保 ・コスト削減 |
2.日本でのオフショア開発の現状
オフショア開発の概要が把握できたところで、日本ではオフショア開発がどのように活用されているのか気になりますよね。
ここでは、株式会社RESORZが公表している「オフショア開発白書2021」を基に、オフショア開発の現状をご紹介します。
※オフショア開発市場全体を推計するデータではありますが、全てをカバーするデータではない点にご留意ください
2-1.オフショア開発はwebサービス・スマホアプリ開発で利用することが多い
オフショア開発を依頼する案件は、webシステム、webサービスの開発とスマートフォンアプリ開発が多いです。一般的なwebシステムやサービスであれば国ごとでの認識の差が少なく、委託しやすいことが要因でしょう。
じわじわと増えているのは、カスタマイズやマイグレーションを担う基盤系のシステム開発です。
国内での人材不足や人件費高騰が後押しをして、オフショア開発が担う案件の範囲が広がりを見せています。
2-2.オフショア開発を検討した目的はコスト削減が1位
株式会社RESORZがオフショア開発を検討、発注した企業132社を対象に実施したアンケートでは、オフショア開発を検討した目的としてコスト削減が1位となりました。
オフショア開発を検討した目的 | 1位 | コスト削減 | 2位 | 国内のリソース不足 | 3位 | 海外に拠点があるため | 4位 | グローバル戦略の一環 |
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先行きが不透明な経済状況の中で、コスト削減を重要視している企業が増加していると考えられます。
コスト削減の一環として、グローバル戦略の見直しを検討している企業も出てきています。
また、国内のリソース不足や人件費高騰を受け、優秀な人件を低コストで活用したいという思いも汲み取れる結果だと言えるでしょう。
2-3.オフショア開発の委託先国はベトナムが過半数を占める
オフショア開発の委託先国の指定は、ベトナムが52%と過半数を占めています。(指定なしと回答した場合を除く)背景としては親日であることや国としてIT人材の育成に力を入れていることが挙げられます。
ポストベトナムとしてはフィリピンやインド、バングラデシュなどが名を連ねていますが、言語や単価での課題が残っています。
とくに、英語でのコミュニケーションが求められる場合は、委託元もある程度の英語力を持っている必要があります。
また、少し前までは委託先国に中国を選ぶ企業が多かったのですが、単価の高騰や環境の変化により他の国へのシフトが開始していることが一目瞭然です。
昨今の経済発展により中国はオフショア開発国というよりも、グローバルな経済活動の拠点として捉えられています。
3.オフショア開発が注目される3つの理由
今なぜオフショア開発が注目されているのか、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
それには、IT市場の課題を解決する3つの理由があるからです。
オフショア開発が注目される3つの理由 |
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①国内のIT人材不足が深刻化している ②オフショア委託国の技術が向上している ③オフショア開発サービス市場が拡大し続けている |
それぞれどのような部分が注目されているのか、詳しく解説していきます。
3-1.国内のIT人材不足が深刻化している
現在、国内のIT人材不足が大きな問題となっております。経済産業省が発表している「IT人材需給に関する調査(2019年)」によると、2030年までに45万人のIT人材が不足すると推測されています。
IT人材の需要と供給のギャップ | 2018年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 不足数22万人 | 不足数30万人 | 不足数36万人 | 不足数45万人 |
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深刻な人材不足を招く背景としてはIT技術が進歩するスピードの早さや少子高齢化社会、そして急速な情報化社会へのシフトなどが挙げられます。とくに、IT技術は急速に発展しているため、最新の技術に適応できる技術者の育成が間に合っていないのが現状です。
だからといって企業が一から育成しスキルを高めようとすると、膨大な時間とコストがかかります。そこで、国内でIT人材を賄おうとはせず、海外の優秀なIT人材を活用し開発を進めれば人材不足は解消します。
IT人材が足りないと、企業の規模拡大や受注増加が見込めません。企業として発展していくためにも、オフショア開発の導入に注目が集まっています。
3-2.オフショア委託国の技術が向上している
オフショア委託国の技術が向上していることも、オフショア開発が注目される理由の一つです。
いくら安いコストでエンジニアやプログラマーに委託ができても、成果物のレベルが低いと意味がありません。
先ほども触れたオフショア開発委託国として名を連ねるベトナムやインドは、国としてIT教育に力を入れています。
とくにインドは公用語が英語であることからアメリカやヨーロッパのオフショア開発にも積極的に携わり、最先端の技術を学んでいます。
また、2016年に経済産業省が発表した「IT人材に関する各国比較調査結果報告書」を見てみると、業務以外で語学学習や自主学習に取り組んでいる割合は、インドネシアやタイ、ベトナムで多いことが分かりました。
前向きに技術向上に取り組んでいる姿勢が技術やコミュニケーション力の向上につながり、オフショア開発の発展を後押ししています。
3-3.オフショア開発サービス市場が拡大し続けている
「オフショア開発の主な進め方」でも解説したように、オフショア開発ではオフショア開発専門の会社を利用して委託先国のエンジニアやプログラマーと開発を進めます。
2016年に矢野経済研究所が発表した「グローバルアウトソーシング市場に関する調査結果」によると、国内向けのオフショア開発サービス市場規模は拡大をしていく予測が立てられていました。
オフショア開発専門のサービスが増えるということは、それだけオフショア開発を実施している企業が増えているということです。
オフショア開発への授業がなければ、委託元と委託先をつなぐオフショア開発専門の会社は規模が縮小するはずです。
市場急速の拡大からも、オフショア開発への注目度が高くなっていることが分かります。
4.オフショア開発2つの契約方法
実際にオフショア開発に取り組むときには、請負契約とラボ契約のどちらかと選択するのが主流です。(すでに海外拠点を持っている場合は、自社の海外拠点に外国人エンジニアを駐在させる方法も検討できます)
請負契約 | ラボ契約 | |
---|---|---|
概要 | 仕事を受ける人は仕事の完成を約束し、発注者は成果物に応じて報酬を支払う方法 | あらかじめ期間を設けて必要な人員を用意し専属のチームを作る方法 |
メリット | ・仕事を受ける側が成果物に対しての責任を負うので責任の所在が明確 ・単発の案件や必要な技術に応じて活用できる |
・開発とフィードバックを重ねて品質や技術向上が見込める ・長期的な開発になるため、仕様変更など柔軟に対応できる ・優秀な人材を確保できる |
デメリット | ・仕事を受ける側のリスクが高い分、コストが高くなる傾向がある ・柔軟な対応が難しい |
・責任の所在の明確化が難しくともにプロジェクトを進めていくことになる ・場合によっては技術やコミュニケーション方法の育成が必要 |
向いているケース | ・試しにオフショア開発を利用してみたい場合 ・明確な指示を出せる案件がある場合 ・継続して依頼をする必要がない場合 |
・長期的プロジェクトや開発を行う場合 ・自社の専属チームが欲しい場合 ・将来的に海外拠点を作りたい場合 |
どちらの方法でオフショア開発を始めるのか決める必要があるので、それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
4-1.請負契約
請負契約とは、簡単に言うと成果物ごとに契約をする方法です。仕事を受ける人は仕事の完成を約束し、発注者は成果物に応じて報酬を支払います。
請負契約の特徴は、仕事を受ける人が成果物に対しての責任を負うところです。オフショア開発の場合は、国内のオフショア開発専門会社が成果物の完成に対して責任を持ちます。
責任の所在が明確なので、品質が悪い場合や納期までに仕上がってこない場合に修正や納品などの催促がしやすいです。
一方で、請負契約は一つの成果物ごとに契約することになるので、複数の案件を同時進行する場合や複数人エンジニアが携わる場合には契約が複雑化し管理が難しくなるため向いていません。
明確な指示ができる単発の案件があるときや試しにオフショア開発を利用してみたいときにおすすめです。
請負契約 | |
---|---|
概要 | 委託先が仕事の完成を約束し、委託元は成果物に応じた報酬を支払う方法 |
メリット | ・仕事を受ける側が成果物に対しての責任を負うので責任の所在が明確 ・単発の案件や必要な技術に応じて活用できる |
デメリット | ・仕事を受ける側のリスクが高い分、コストが高くなる傾向がある ・柔軟な対応が難しい |
向いているケース | ・試しにオフショア開発を利用してみたい場合 ・明確な指示を出せる案件がある場合 ・継続して依頼をする必要がない場合 |
4-2.ラボ契約
ラボ契約とは、あらかじめ期間を設けて必要な人員を用意し専属のチームを作る方法です。
例えば、1年間という期間を決めて3人の外国人エンジニアと契約をして開発を進める方法がラボ契約となります。人員数(1か月の費用)と期間によって必要なコストや労力が大きく変動します。
ラボ契約は長期間にわたり開発をしていくため、コスト内であれば仕様変更や機能変更などに対応できるところが特徴です。
開発とフィードバックを重ねて、品質や技術向上を目指すことも可能です。将来的に海外拠点を置きたい場合には、双方の同意があればラボ契約でつながった優秀な人材をそのまま移籍させることもできます。
一方で、長期的に関わっていくからこそコミュニケーションや技術の育成が必要となる場合があります。
また、請負契約とは異なり責任の所在が明確化されていないので、ともに開発やプロジェクトを進めていく姿勢が必要です。
ラボ契約 | |
---|---|
概要 | あらかじめ期間を設けて必要な人員を用意し専属のチームを作る方法 |
メリット | ・開発とフィードバックを重ねて品質や技術向上が見込める ・長期的な開発になるため、仕様変更など柔軟に対応できる ・優秀な人材を確保できる |
デメリット | ・責任の所在の明確化が難しくともにプロジェクトを進めていくことになる ・場合によっては技術やコミュニケーション方法の育成が必要 |
向いているケース | ・長期的プロジェクトや開発を行う場合 ・自社の専属チームが欲しい場合 ・将来的に海外拠点を作りたい場合 |
オフショア開発の注目度や種類が把握できたところで、メリットやデメリットを知り理解を深めていきましょう。
5.オフショア開発の5つのメリット
オフショア開発には、次の5つのメリットがあります。
①コスト削減ができる
オフショア開発の委託先国は、国内に比べて人件費が低いです。高い技術を持つIT人材を確保しても、コスト削減が見込めます。
②IT人材不足を解消できる
「国内のIT人材不足が深刻化している」で解説したとおり、国内ではIT人材不足が深刻化しています。
IT人材の採用活動が難航する、IT人材の人件費が高騰するということが起きており、国内で新たな人材を確保するのが難しい状態です。
オフショア開発を利用すれば委託先国の優秀な人材と一緒に開発ができ、IT人材不足を解消できます。
③海外に自社専属の開発チームを作れる
「オフショア開発2つの契約方法」で解説しましたが、ラボ契約では設定期間内は指定数のエンジニアを確保でき専属のチームが作れます。
海外に開発拠点を持つ足掛かりにでき、双方の同意さえあれば優秀な外国人エンジニアを自社の現地スタッフとして移籍させることも可能です。
④業務の幅が広がる
オフショア開発ではwebシステムやサービス開発、スマートフォンアプリ開発だけでなく、基盤系システムの開発やwebシステム業務などさまざまな案件の委託ができます。
自社のエンジニアでは対応できない領域でも、オフショア開発を活用すれば多彩な案件に対応でき業務の幅が広がります。
⑤納期の短縮につながる
オフショア開発を活用して優秀なIT人材を増やせば、一つの案件にかかる時間を短縮できます。その結果、受けられる案件の量が増やせて効率よく収益をあげられるようになります。
このようにオフショア開発を活用すると、IT業界が抱えている人材不足やコスト高騰が解消できます。
オフショア開発のメリットについてより詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
>>オフショア開発の5つのメリットとデメリット・失敗しないコツを解説
6.オフショア開発の4つのデメリット
オフショア開発のメリットが把握できたところで、気になるのがデメリットです。
オフショア開発のデメリットには、下記の4つがあります。
①言葉や習慣の壁がある
オフショア開発の委託先国は母国語が日本語ではないため、円滑なコミュニケーションが取りにくいデメリットがあります。
また、習慣や文化が異なるため、互いに許容しながら進める必要があります。
②品質管理が難しい
国によって仕様や受けてきた教育が異なるため、一定の品質を保つことが難しい側面があります。
コンプライアンスやセキュリティに対する考え方や知識も違うので、ルールや規則を念頭に置く大切さから指導しなければならない場合もあります。
③海外拠点となるのですぐに現地に行けない
国内の委託先とは異なり海外での開発となるため、トラブルが起きてもすぐに現場にいくことが難しいです。
④時差があるので迅速な対応が難しい
オフショア開発の委託先国と日本には、時差が生まれます。そのため、迅速な連絡やスケジュール調整が難しい場合があります。
異なる言語や文化、商習慣を持つエンジニアとともに開発を進めなければならないため、コミュニケーションや品質管理は大きな課題となるでしょう。
オフショア開発のデメリットについてより詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
>>オフショア開発の5つのメリットとデメリット・失敗しないコツを解説
7.オフショア開発を検討するときの3つのポイント
オフショア開発にはメリットとデメリットがありますが、検討する時点で3つのポイントを検討しておけば、問題の発生や失敗を回避できます。
オフショア開発を検討するときの3つのポイント |
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コミュニケーションの取り方を決めておく 案件の仕様を明確にする 自社に合うオフショア開発専門会社を利用する |
どのようなポイントを把握しておくべきか、チェックしておきましょう。
7-1.コミュニケーションの取り方を決めておく
オフショア開発をするときには、言語や習慣の違いが壁となります。とは言え、検討段階からコミュニケーションの取り方を決めておけば、問題なく進めることができるでしょう。
オフショア開発の規模やコスト、契約方法によって解決策は異なりますが、下記のような方法を参考
にしてみてください。
①英語でコミュニケーションを取る
日本語を話せる委託先国のエンジニアは限定されますが、英語を共通言語にできれば円滑なコミュニケーションが図れる場合があります。
社内に英語スキルが高い人が在籍している場合やブリッジSEに英語でのコミュニケーションを委ねられる場合は検討してみてください。
②通訳を利用する
日本語や委託先国の言語でコミュニケーションを取ることが難しいときには、通訳者を入れるのも一つの方法です。
ただし、その分コストがかかるため、オフショア開発の規模や案件内容に合わせて検討する必要があるでしょう。
③現地に日本人マネージャーを在籍させる
ラボ契約の場合は、現地にコミュニケーションが取れる日本人マネージャーを在籍させる方法もあります。
時差を気にすることなくその場で会話ができるため、トラブルやミスが発生しても安心です。
この3つの方法とは別に、委託先国の文化や考え方を受け入れる姿勢も欠かせません。日本特有の商習慣を押し付けるのではなく、互いに歩み寄り進める姿勢が大切です。
7-2.案件の仕様を明確にする
オフショア開発を委託するときには仕様や内容をできる限り細かく指示することが大切です。
日本の文化には「言わなくても察する」というものがあります。例えば、上司が部下に一から十まで指示をしなくても、自分で考え行動する光景はよくあるものです。
オフショア開発では、言わなくても察するは通用しません。言われていないことができない、または独自の基準で判断するため品質の低下や納期遅延につながってしまうのです。
あらかじめ明確な指示をしておけば、想定外の成果物が完成することはまずないでしょう。
また、エンジニアによっては事前に細かく案件内容を伝えることで、自分の技量でできるかどうかの判断材料にもなります。
国内で仕事を依頼するときよりも丁寧で細かい仕様書や指示書の作成を心がけることで、オフショア開発を進めやすくなるはずです。
7-3.自社に合うオフショア開発専門会社を利用する
「オフショア開発の主な進め方」でも解説したように、オフショア開発は基本的にオフショア開発専門会社を利用して進めていきます。
つまり、どのようなオフショア開発専門会社によって進めやすさや継続のしやすさが変わってくるのです。
オフショア開発専門会社を選ぶときには、下記の項目をチェックしてみるといいでしょう。
オフショア開発専門会社を選ぶときのチェックポイント | |
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コスト | 国内のオフショア開発専門会社への支払いも含めて妥当な価格か |
委託先国 | どのような委託先国を用意しているか |
ブリッジSEの能力 | 多言語に対応しているか、どのような業務を担うのか |
実績 | 過去のオフショア開発の実績を確認する |
得意な領域 | どのような領域の案件を得意としているか |
とくに、委託元と委託先を結ぶブリッジSEはオフショア開発を進めるときの要となります。対応言語や仕事内容は、細かく確認し検討してみてください。
8.GALKラボはオフショア開発導入を支援します
GALKラボは、ハイレベルな技術を持つインド工科大学の学生とIT事業を展開する企業を結ぶサービスです。
GALKラボには次の5つの強みがあります。
【GALKラボの強み】 ①インド工科大学の学生と開発ができる インド工科大学は、倍率100倍以上の超難関校です。世界レベルの教育を受けている学生は社会人エンジニア3~5年目の同等のスキルを持っており、幅広い案件に対応できます。 ②学生だからコストを抑えられる 学生なので社会人エンジニアよりも低価格となっており、コストダウンにも貢献。ハイレベルな技術が低コストで利用できます。 ③ブリッジSEが仕様書作成や要件定義をサポート 導入プランを選択すると、ブリッジSEが案件内容をヒアリングし委託先と委託元の間に立って進行を行います。仕様書作成や要件定義もサポートするので、初めてオフショア開発を活用する場合でも安心です。 ④ブリッジSEが通訳をしてくれるので語学力やコミュニケーションの心配がない 導入プランを選択するとブリッジSEが通訳を行い、コミュニケーションをサポート。英語でのやり取り不安がある場合でも、円滑なコミュニケーションを実現します。 ⑤3ヶ月ごとにチーム構成会議を行い、メンバーの追加や入れ替えが柔軟にできる 3ヶ月に1度依頼元企業とGALKラボで、チーム構成会議を行います。要望に合わせて、メンバーの継続や追加、入れ替えができます。 |
実際にGALKラボを利用した企業さまからは、嬉しい声が届いています。
・3ヶ月見込みの案件が2週間で完成し驚いた。ぜひ継続開発をお願いしたい(ソフトウェア会社さま) ・学生のパフォーマンスの高さに満足。要件定義も簡易的なものでできたので助かった(アプリ開発会社さま) ・学生からの提案内容が素晴らしく当初の企画より大きく広がるサービスが完成した(AI制作会社さま) ・知らない業界のことなのに1週間後には必要知識を理解し対応してくれたので驚いた(教育関連企業さま) |
オフショア開発の導入や成功をサポートして参りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたか?オフショア開発について詳しく把握でき、導入すべきか検討できたかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめてみると
〇オフショア開発(オフショアリング開発)とはIT業務を海外の企業や子会社に委託すること
〇オフショア開発の主な目的は次の2つ
- 専門的な知識のある優秀な人材の確保
- 人件費や案件ごとのコスト削減
〇オフショア開発はオフショア開発専門会社を利用して進めるのが一般的
〇アウトソーシングとは、国内外問わず業務の一部または全部を委託すること。オフショア開発は賃金水準が低い外国に委託をするので、委託先に大きな違いがある
〇ニアショア開発とは、比較的近距離にある企業にIT業務を委託すること。国内の郊外地域を対象とすることが多く、オフショア開発のように海外に委託しない
〇オフショア開発の現状は下記のとおり
- 委託案件は、webシステム、webサービスの開発とスマートフォンアプリ開発が多い
- オフショア開発を検討した目的はコスト削減が1位となっている
- オフショア開発の委託先国はベトナムが多い
〇オフショア開発が注目される理由は次の3つ
- 国内のIT人材不足が深刻化しており、海外の優秀な人材を活用する動きがある
- オフショア委託国の技術が向上している
- オフショア開発サービス市場が拡大し続けており一定の重要がある
〇オフショア開発の主な導入方法は次の2つ
- 請負契約:成果物ごとに契約をする方法。単発案件や明確な指示が出せない案件に向いている
- ラボ契約:あらかじめ期間を設けて必要な人員を用意し専属のチームを作る方法。長期案件や柔軟な対応が必要な案件に向いている
〇オフショア開発のメリットは次の5つ
- オフショア開発の委託先国、国内に比べて人件費が低いためコスト削減ができる
- 国内のIT人材不足を解消できる
- ラボ契約をすると海外に自社専属の開発チームを作れる
- 自社のエンジニアでは対応できない領域に取り組めるようになり業務の幅が広がる
- 一つの案件にかかる時間を減らせるので納期の短縮につながる
〇オフショア開発のデメリットは次の4つ
- 言葉や習慣の壁がありコミュニケーションが取りにくい
- 品質管理が難しい
- 海外拠点となるのですぐに現地に行けない
- 時差があるので迅速な対応が難しい
〇オフショア開発を検討するときのポイントは次の3つ
- コミュニケーションの取り方を決めておく
- 案件の仕様を明確にする
- 自社に合うオフショア開発専門会社を利用する
この記事をもとにオフショア開発についての疑問や不安を解消でき、オフショア開発の活用が検討できるようになることを願っています。