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ミャンマーでのオフショア開発のメリット・デメリット、費用目安は?

ミャンマーでのオフショア開発のメリット・デメリット、費用目安は?

更新日 : 2023.12月.04

「オフショア開発先として、ミャンマーはどんな特徴がある?」
「ミャンマーでのオフショア開発は費用が安いと聞くけれど、平均いくらぐらい?」

オフショア開発を考えている企業で、そのような疑問を持っている方もいるでしょう。

ミャンマーでのオフショア開発は、たしかに費用がアジア最低水準の安さです。

人月単価は20万~25万円程度、ときには近隣諸国より10万円もコストを抑えられる可能性もあるため、開発の委託先として注目されています。

そのメリットは、費用の安さ以外にも「国民性が日本と近いこと」「日本語学習への意欲が高いこと」で、日本企業としては一緒に仕事をしやすい国だと言えるでしょう。

ただ、ミャンマーがオフショア開発を始めてから年数が浅く、IT教育の環境も未熟なため、「技術力が比較的高くない」「オフショア開発の事例がまだ多くない」というデメリットもあります。

ミャンマーでオフショア開発をする際には、安さだけを考えず慎重に検討する必要があるでしょう。

そこでこの記事では、ミャンマーでのオフショア開発を検討する場合に知っておくべきことをお知らせします。

まずは基本情報から説明しましょう。

◎ミャンマーでのオフショア開発の現状
◎ミャンマーでのオフショア開発の特徴
◎ミャンマーでのオフショア開発のメリット
◎ミャンマーでのオフショア開発のデメリット

これらを踏まえて、実際にオフショア開発を委託するための実践的な情報を解説します。

◎ミャンマーでのオフショア開発の費用目安
◎ミャンマーにオフショア開発を委託する手順

最後まで読めば、知りたいことがわかるはずです。

この記事で、あなたの会社がオフショア開発を成功させられるよう願っています。

1.ミャンマーでのオフショア開発の現状

ミャンマーは、オフショア開発においてはまだ新興国です。

そのため、「アジア最後のフロンティア」「ポスト・ベトナム」とも呼ばれ、技術力も市場規模も成長が期待されています。

ただ、日本最大級のオフショア開発の選定先支援サイトオフショア開発.comが発表したオフショア開発白書 2021年版によると、同サイトを利用した企業のうち、ミャンマーを委託先に選んだのは9%に留まっています。

出典:株式会社Resorz「オフショア開発白書 2021年版

また、現在はまだIT人材を育成する教育環境が十分ではありません

IT系大学は27校、卒業生は毎年6,000人程度(2021年3月現在)に留まっていて、同じアジア国家のベトナムが153のIT系教育機関から毎年5万人を輩出しているのと比べると、非常に小規模だといえるでしょう。

電力供給が不安定であったり、インターネット環境が未整備でパソコン普及率が低いなど、ITインフラが未成熟だという課題もあります。

が、ミャンマー政府は国としてIT産業に注力していますので、今後は教育環境もインフラも整備されていくはずです。

実際に、現地では高度IT人材の育成が進んでいて、その一方でエンジニアの人月単価はアジアでも最安値レベルであるため、オフショア開発案件が増加中です。

2.ミャンマーでのオフショア開発の特徴

では、そんなミャンマーでのオフショア開発には、どのような特徴があるのでしょうか?

他国と比較してみていきましょう。

2-1.特徴

ミャンマーでは、ネットワークエンジニアやシステムエンジニア、プログラマーを目指す学生が多いのが特徴です。

が、最近はPMなどを務められる高度人材も増えてきました

また、英語を幼少期から学ぶため、大卒エンジニアの多くは英語でのコミュニケーションが可能です。

一方、日本語がわかる人はまだ少ないため、ミャンマーにオフショア開発を委託する際には、日本側で英語がわかるブリッジエンジニアを用意する必要があるかもしれません。

ただ、日本語への学習意欲は高く、学んでいる人も増えているため、日本語対応が可能なオフショア会社も出てきています。

開発分野では、WEBサイトの構築やアプリ開発といった分野を得意としています。

2-2.他国との比較

ミャンマーのオフショア開発で最大の特徴は、他国と比べてコストメリットが高いことです。

そこで、人月単価や特徴を国別にまとめましたので、以下の表を見てください。

ITスキルのレベルに関しては、残念ながらミャンマーのデータがありませんが、それ以外の項目を比較すれば「ミャンマーに委託するか、他の国にするか」と迷ったときの参考にできるでしょう。

言語人月単価の相場特徴ITスキルの
平均レベル
ミャンマーミャンマー語

※英語も比較的通じやすい

20万~25万円・ネットワークエンジニアやシステムエンジニア、プログラマーが多い
・WEBサイトの構築、アプリ開発が得意
──
インドヒンディー語など、英語30万~60万円・エンジニアのスキルが高い
・組み込み系の開発が得意
3.9
ベトナムベトナム語
※英語、日本語も通じる場合あり
25万~40万円・近年最もオフショア開発の人気が高い
・スマホアプリなど小中規模の開発が得意
3.31
中国中国語、英語
※日本語も比較的通じやすい
35万~55万円・日本とのオフショア開発の経験が豊富
・基幹系、情報系システムの開発が得意
3.58
インドネシアインドネシア語
※英語も比較的通じやすい
24万~32万円・スマホアプリの開発が得意
・広いジャンルの案件に対応できる
3.43
フィリピンフィリピン語、英語21万~30万円・デザイン力に優れる
・スマホアプリ、ソーシャルゲームなどの開発が得意
──

※ITスキルの平均レベルは、経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)より引用

 調査各国のアンケート回答者のITスキルを以下の7段階にレベル分けした平均値

 【レベル1】 最低限求められる基礎知識を有している人材
 【レベル2】 基本的知識・技能を有している人材
 【レベル3】 応用的知識・技能を有している人材
 【レベル4】 高度な知識・技能を有している人材
 【レベル5】 企業内のハイエンドプレーヤー
 【レベル6】 国内のハイエンドプレーヤー
 【レベル7】 国内のハイエンドプレーヤーかつ世界で通用するプレーヤー

3.ミャンマーでのオフショア開発のメリット

オフショア開発の分野では、まだまだ伸びしろのあるミャンマーですが、実際に委託する場合のメリットにはどんなものがあるでしょうか?

それは以下の3点です。

・エンジニアの人月単価が非常に安い
・国民性が日本と近い
・日本語学習への意欲が高い

それぞれ説明しましょう。

3-1.エンジニアの人月単価が非常に安い

前述したように、ミャンマーでのオフショア開発最大のメリットは、人件費の安さです。

エンジニアの人月単価は20万~25万円程度と、アジア圏でももっとも低い水準になっています。

中には10万円~という業者もあり、他国より10万円程度低く抑えられる可能性もあります。

人月単価が低いということは、開発が長期にわたる場合や大型案件で大きなコストメリットが得られるということです。

そのため、既存のアプリやサービスの運用保守、ラボ型開発などに向いていると言えるでしょう。

3-2.国民性が日本と近い

ミャンマー人は日本人と国民性が近いと言われます。

たとえば人柄が穏やかで控えめ、仕事に対しては勤勉で我慢強い傾向があり、日本人と一緒に働く際にはお互いにストレスを生じにくいでしょう。

これは、ミャンマーが敬虔な仏教国であることが影響しています。

「悪いことをすれば自分に返ってくる」という考えが根底にあるので、犯罪が少なく、人助けやボランティアには進んで臨むのです。

ちなみに親日的な国でもあり、日本製品、中でも日本車が大人気になっています。

日本企業に対しても、「規則は厳しいけれど、教育制度が充実していてていねいに指導してくれる」という好印象を持っている人が多いそうです。

3-3.日本語学習への意欲が高い

また、ミャンマーでは近年、日本語学習への熱が高まっています

2019年の日本語能力試験では、(2019年第2回・12月実施)ミャンマーからの応募者数は3万8,558人で、中国、ベトナム、韓国、台湾に次いで世界第5位でした。

ミャンマー語は日本語と語順が同じため、習得しやすいとも言われていて、今後は日本語がわかるエンジニアも増えることが期待されます。

4.ミャンマーでのオフショア開発のデメリット

ミャンマーでのオフショア開発は、日本企業にとってメリットが大きいことがわかりました。

が、その一方でデメリットももちろんあります。

・技術力は比較的高くない
・オフショア開発の事例はまだ多くない
・政情が不安定である

くわしく見ていきましょう。

4-1.技術力は比較的高くない

1.ミャンマーでのオフショア開発の現状で説明したように、ミャンマーのIT教育、IT人材育成はまだ充実しているとは言えません。

そのためアジア圏でも、いまやIT大国となった中国や、小学校からIT教育を実施して高度IT人材の育成に注力しているベトナムなどと比べると、残念ながら技術力の面で後れをとっています。

特に、ブリッジエンジニアやPMを任せられるような高度人材は、ここ数年で増え始めたばかりです。

優秀なエンジニアをアサインしようとすると、奪い合いになったり単価が上がったりする可能性があります。

また、人材は揃えることができても、上がってきた成果物を見て「思ったよりクオリティが低かった」というケースも発生しています。

そのため、大型案件よりも小規模開発で利用されることが多いようです。

4-2.オフショア開発の事例はまだ多くない

前項とも関連しますが、ミャンマーはまだオフショア開発の歴史が浅く、ノウハウや経験値の蓄積があまりありません

そのため、大型案件や高度開発を委託した場合、通常より時間や人的リソースがかかったり、修正が多発する恐れがあります。

場合によっては、ベトナムや中国に委託した方がトータルコストが抑えられた、というケースもあり得ますので、案件によって「ミャンマーに委託するか、別の国にするか」の判断が必要です。

できれば最初は小規模案件で、経験と知見が豊富なブリッジエンジニアやPMをアサインし、進捗を随時確認しながら進めるとよいでしょう。

4-3.政情が不安定である

ここまでは、IT分野の未成熟によるデメリットを挙げてきました。

が、ミャンマー最大のリスクは政情不安です。

ミャンマーはもともと社会主義政策を推し進めていましたが、1988年に国軍がクーデターを起こし軍事政権が誕生しました。

が、国政は混乱し、2011年に新しい政権に移行すると同時に民主化が実現したという経緯があります。

ところが2021年2月、ミャンマー国軍はふたたびクーデターを起こし、全権掌握を宣言しました。

それに対して大規模な抗議デモが各地で発生し、国内の治安が悪化しているのが現状です。

そのため、有事の際には開発が中断したり、プロジェクトの続行が不可能になったりするリスクが避けられません。

また、通常は犯罪率の低い国ですが、このような状況で犯罪が増加しており、日本人も盗難や強盗などの被害にあっています。

外務省の「危険情報」でも、ほぼ全土が「危険レベル2:不要不急の渡航中止」に指定され、一部地域は「危険レベル3:渡航中止勧告」が出されています。(2022年3月現在)

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5.ミャンマーでのオフショア開発の費用目安

オフショア開発費用のほとんどは人件費で、「エンジニアの人月単価✕開発工数」で算出します。

ミャンマーでのオフショア開発の人月単価は、前述したように「20万~25万円」程度ですので、これに必要な開発工数を乗じれば費用目安がわかります。

ちなみに、他国の人月単価の相場を再掲しておきますので、検討する際の参考にしてください。

人月単価の相場
ミャンマー20万~25万円
インド30万~60万円
ベトナム25万~40万円
中国35万~55万円
タイ27万~37万円
インドネシア24万~32万円
フィリピン21万~30万円

6.ミャンマーにオフショア開発を委託する手順

ここまで読んで、やはりミャンマーにオフショア開発を委託したいと考えている方も多いでしょう。

では、実際に委託するにはどうすればいいのでしょうか?

その一般的な手順を説明しておきます。

6-1.オフショア会社を選ぶ

まず、オフショア開発を請け負ってくれるミャンマーの企業を選びます。

日本からの委託に特化して、日本語でやりとりできる業者もありますし、「〇〇分野の開発が得意」と謳っているところもあります。

実績や得意分野を確認して、自社の案件にマッチする企業を探しましょう。

できれば最初から1社に絞り込まず、候補を数社挙げて検討しながら進めていくのがいいでしょう。

6-2.希望要件・仕様を相談する

委託先の候補が上がったら、まずは相談をします。

企画、プロジェクトの詳細、希望する要件や仕様を担当者に伝えて、可能かどうか確認しましょう。

その際に、開発内容など絶対に外部に漏洩させたくないことを伝えなければならない場合は、この時点で「秘密保持契約書」を交わしておくのがおすすめです。

6-3.契約方式・開発方式を決める

こちらの希望通りの対応が可能だとなったら、次に契約方式と開発方式を決定します。

以下のいずれか、案件に適したものを選びましょう。

【契約方式】

ラボ型契約専属のエンジニアチームを一定期間にわたって社外に確保し、開発を行う
請負契約案件1件に対して契約を結び、「決められた納期までに完成品を納品する」ことを約束する

【開発方式】

ウォーターフォール型最初に要件定義や仕様を決め込んで開発を進め、すべて完成してからリリースする
アジャイル型要件や仕様はアバウトなままで開発をスタートし、短期間で設計→リリース→テストを繰り返しながら、改修、改善を進める

ウォーターフォール型開発

6-4.見積もり

ここまで決まったら、見積もりを出してもらいます。

それを確認して、合意できれば契約に進みますが、問題や疑問があれば担当者に伝えて調整しましょう。

数社に並行して相談している場合は、相見積もりをとって比較すると、より適切な判断ができるでしょう。

6-5.契約・開発スタート

見積もりに合意できれば、いよいよ契約です。

契約書を作成・締結し、それを受けてミャンマーでの開発がスタートします。

7.まとめ

いかがでしたか?

ミャンマーでのオフショア開発について知りたいことがわかったかと思います。

では、最後にもう一度ポイントをまとめてみましょう。

◎ミャンマーでのオフショア開発のメリットは、

・エンジニアの人月単価が非常に安い
・国民性が日本と近い
・日本語学習への意欲が高い

◎ミャンマーでのオフショア開発のデメリットは、

・技術力は比較的高くない
・オフショア開発の事例はまだ多くない
・政情が不安定である

◎ミャンマーでのオフショア単価の人月単価の目安は「20万~25万円」

以上を踏まえて、あなたの会社がミャンマーのオフショア開発を適切に利用できるよう願っています。

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