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オフショア開発の費用とは?国別の人件費、コスト削減方法などを解説

オフショア開発の費用とは?国別の人件費、コスト削減方法などを解説

更新日 : 2023.12月.04

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「オフショア開発を委託したいが、費用はどの程度かかるのか?」
「国によってエンジニアの単価はどの程度異なるのか?」

海外でのソフトウエア開発を検討中の企業で、そのような疑問を持っている担当者の方は多いでしょう。

オフショア開発の費用は、ほとんどがエンジニアとプロジェクトマネージャー(PM)の人件費です。

また、契約の形態によっては、設計費用や通信費用が発生することもあれば、現地にオフィスを借りる場合はその賃貸料なども必要になります。

エンジニア単価は国によって相場が以下のように異なり、インドや中国が高く、フィリピンやインドネシアが低い傾向があります。

人月単価の相場
インド30万~60万円
ベトナム25万~40万円
中国35万~55万円
タイ27万~37万円
インドネシア24万~32万円
フィリピン21万~30万円

さらに、以下のような方法をとれば、さらに費用を抑えることも可能です。

・工数を減らす
・開発期間を短くする
・日系のオフショア企業を選ぶ

そこでこの記事では、オフショア開発の費用について、さまざまな視点から考えていきます。

まず最初に、オフショア開発の費用について、基礎知識を学びましょう。

◎オフショア開発費用の現状
◎オフショア開発費用の内訳

その上で、実際の費用相場を比較します。

◎オフショア開発の地域別費用相場と特長
◎オフショア開発でブリッジSE・PMをつけた場合の費用相場
◎エンジニア単価以外にかかる費用
◎オフショア開発の費用をさらに抑えるポイント

最後まで読めば、オフショア開発の費用感が国別につかめるようになるでしょう。

この記事で、あなたの会社が予算内でオフショア開発を委託できるよう願っています。

1.オフショア開発費用の基礎知識

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オフショア開発といえば、国内でのオンショア開発に比較して費用が抑えられるというイメージがあります。

実際にその通りでしょうか?

まずはオフショアの開発費用について、知っておきたい基礎知識を身につけましょう。

1-1.オフショア開発費用の内訳

前述したように、オフショア開発費用のほとんどは「人件費」です。

ソフトウエア開発の人件費は、「エンジニアの人月単価✕開発工数」で計算されるのが一般的です。

・人月:エンジニア1人が1か月にこなすことができる作業量
  「1日8時間✕20日間」で計算する会社や、それ以上、またはそれ以下で計算する会社などさまざま

・開発工数:作業を完了させるまでの作業量
   「作業時間✕作業人数」で計算

また、多くの場合は日本と現地とのパイプ役として、「ブリッジSE」や「プロジェクトマネージャー(PM)」を立てるため、その人件費も発生します。

さらに、契約の形態によっては、以下のような費用が発生することもあります。

・設計費用:ブリッジSEやPMが設計書を作成したり、それを翻訳したりする費用
・通信費用:日本と現地との連絡にかかる費用
・オフィスの賃貸料など:現地にプロジェクト専用のオフィスを用意する場合の、賃貸料や光熱費
・日本からのスタッフの渡航費用、滞在費用:日本からスタッフが何度か現地に赴いたり、滞在する際の費用

1-2.オフショア開発費用の現状

オフショア開発の大きなメリットのひとつは、開発コストの多くを占める「人件費」を日本よりも低く抑えられるという点にあります。

特に、かつては中国が日本企業の主な発注先でした。

が、中国経済が発展するにつれ、当初の旨みであった「人件費」が徐々に上昇してきています。

かわって日本企業のオフショア開発の受け皿となったのが、まだエンジニアの給与水準が日本よりも低い東南アジア諸国です。

人月単価の相場を比較すると、中国が35万円~なのに対して、東南アジアは20万円台~となっています。

国別の相場は2.オフショア開発の地域別費用相場と特長で説明しますので、そちらを参照してください。

1-3.近年人気の委託先はベトナム

特に近年、日本のオフショア開発案件が集中しているのはベトナムです。

日本最大級のオフショア開発の選定先支援サイト「オフショア開発.com」が発表した「オフショア開発白書 2021年版」によると、同サイトを利用した企業のうち実に半数以上の52%がベトナムを委託先に選んでいます。

出典:株式会社Resorz「オフショア開発白書 2021年版

オフショア開発全般を見ると、8割がベトナムに委託しているという話もあります。

他にもフィリピン、タイ、インドネシアなど東南アジア諸国の多くがオフショア開発の請負先になっているのが現状です。

2.オフショア開発の地域別費用相場と特長

さて、オフショア開発の費用についての基本がわかったところで、実際の費用相場を見ていきましょう。

前述の「オフショア開発白書 2021年版」(オフショア開発.com)によると、同サイトを利用した企業が各国に委託した際の人月単価は以下のようになっています。

※ 括弧内の数値は昨対比

出典:株式会社Resorz「オフショア開発白書 2021年版

その他、各種資料を総合してまとめた主な国別の人月単価の相場が以下です。

人月単価の相場
インド30万~60万円
ベトナム25万~40万円
中国35万~55万円
タイ27万~37万円
インドネシア24万~32万円
フィリピン21万~30万円

ただし、実際の人件費はエンジニアのスキルや作業内容などによっても左右されますので、上記の金額はあくまで参考として考えてください。

では、ここからは各国の人月単価と、他国と比較した特徴についてくわしく説明していきましょう。

2-1.インド:人月単価30万~60万円

現在、世界のIT業界をけん引する国として注目されているのがインドです。

優秀なエンジニアが多く、高度な開発案件にも対応できるため、欧米からもオフショア開発の委託が集まっています。

ただ、技術力が高い分、人件費も安くはありません。

人月単価は30万~60万円程度と、日本国内よりも高い場合もあるほどです。

特にインド工科大学出身のエンジニアは、Googleなどの大企業からの引き合いも強く、中には年俸3,000万円、4,000万円というオファーで話題になったケースもあります。

そのため、オフショア開発の委託先としては、費用面ではメリットは正直あまりありません。

それよりも、「費用はかさんでも、スキルの高いエンジニアを集めたい」「下請けではなく、共同開発できる人材を求めている」といった場合の選択肢として検討するといいでしょう。

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2-2.ベトナム:人月単価25万~40万円

前述したように、現在日本からのオフショア開発委託先として最大シェアを占めるのはベトナムです。

ただ、人月単価は25万~40万円程度と、東南アジア諸国の中では決して安くはありません。

それがなぜ、これほど人気を集めているのでしょうか?

その理由としては、以下が考えられます。

・国を挙げてIT人材の育成に注力している
・中国やインドよりは人件費が低い
・東南アジア諸国ではオフショア開発の歴史が長く、インフラも整っている
・勤勉な国民性
・親日国で、日本語教育もさかん   など

ただし、このようにオフショア開発の委託先としての利点が大きいため、人月単価が徐々に高騰しつつあるのが現状です。

今後もしインドや中国レベルに近づけば、費用面での旨みは少なくなるかもしれません。

2-3.中国::人月単価35万~55万円

かつては、オフショア開発といえば中国が主流で、人件費が安いのが魅力でした。

が、経済の成長と技術力の向上に伴い人件費も上がり、現在では人月単価は35万~55万円程度と、アジアの中では高額になっています。

そのためオフショア開発全体に占める中国の割合は減少傾向です。

ただ、他のアジア諸国に先駆けて、国策としてITインフラの整備を進めてきたことや、ネットショッピングやスマホアプリなどの分野で躍進著しいこと、14億人という世界一の人口を背景に、IT人材も潤沢であること、日本語を理解する人材も多いことなどを踏まえると、IT業界での存在感は非常に大きいと言えます。

そこで、従来のように人件費節約のためのオフショア拠点という位置づけではなく、費用は他国より高くても、高度な開発を任せたり、共同で開発に携わったりすることができる地域という認識を持っておくといいでしょう。

2-4.タイ:人月単価27万~37万円

仏教国であるタイは、親日的で日本人が一緒に仕事をしやすい穏やかな民族性だと言われます。

人月単価の相場は27万~37万円程度と、東南アジアでは標準的な費用感ですが、コスト面でのメリットとしては「物価が安い」ことが挙げられます。

そのため、現地にオフィスを開く場合などは、維持費や設備費を低く抑えることができるでしょう。

ITインフラも安定していますが、ひとつ特徴的なのは、ソフトウエア開発よりもデザイン面に注力していることです。

そのため、高度なスキルを持ったエンジニアを求める場合にはあまり適しませんが、ホームページ制作やソーシャルゲーム開発におけるデザイン、イラストなどが得意な人材は豊富です。

2-5.インドネシア:人月単価24万~32万円

インドネシアは、今後の人口増加と経済成長が見込まれる国です。

が、ITに関しては、正直なところまだ今後の発展に期待されるというのが実情でしょう。

国がICT教育を強化し始めたのも2018年からとまだ日が浅く、オフショア開発の知見も多くはありません。

ただ、その分人件費は低く抑えられるのが魅力といえます。

人月単価の相場は24万~32万円と、ベトナムやタイよりも低水準です。

高度な開発、大型案件などを任せるのは難しいかもしれませんが、モバイルアプリやSNS系の開発に強い傾向がありますので、そのような案件の委託先として検討してみるといいでしょう。

2-6.フィリピン:人月単価21万~30万円

近年、オフショア開発の委託先として台頭してきているのがフィリピンです。

人月単価は21万~30万円が相場と、東南アジア諸国ではかなり低水準に抑えることができます。

問題になる点があるとすれば、まず第一に、コミュニケーションの基本は英語であり、日本語は通じにくいこと、第二に、日本からのオフショア開発受託歴はまだ浅いことでしょう。

そのため、英語で対応できる体制を整えた上で、まずは小規模な開発から委託してみるのがおすすめです。

2-7.国内ニアショア

ここまで、オフショア開発で人気の国、注目の国について説明してきました。

が、「コストを抑えて開発を外注したい」というのであれば、「国内ニアショア」という選択肢もありますので、それについても触れておきましょう。

2-7-1.国内ニアショアの費用相場

「ニアショア開発」とは、国内やごく近場の海外に開発を委託する方法です。

中でも国内ニアショアは、主に日本の地方都市の開発会社が委託先になります。

地方のメリットとして、人件費やオフィスの賃料などが都会よりも安く、コスト削減が見込めます。

ただ、コストの削減幅は大きくはありません。

一般社団法人 日本ニアショア開発推進機構の「都道府県別目安単価情報」によると、東京のエンジニア単価を「1」としたときの各都道府県の単価の割合は以下の通りです。

・東京都、神奈川県:1
・北海道:0.78
・沖縄県:0.71
・山形県、青森県:0.65   など

ちなみに、一般的な国内のエンジニア単価は以下の通りですので、参考にしてください。

ランク人月単価の相場
PG下請け40万~80万円
PG大手企業60万~100万円
SE初級80万~100万円
SE中級100万~120万円
SE上級120万~200万円

2-7-2.国内ニアショアには費用面以上のメリットがある

ただ、ニアショア開発のメリットは、コストだけではありません。

同じ日本国内での委託ですから、オフショアにつきものの言語の壁、時差の壁、文化の壁がないというのは大きな利点です。

そのため、意思の疎通がしやすく、ストレスレスでスムーズに開発を進められるはずです。

このように、開発を外注する場合のメリット・デメリットは、一概にコスト面だけで論じることはできません。

技術力、ITインフラ、コミュニケーションのとりやすさ、国民性、さらにはその国の政情など多角的に比較して検討するようにしてください。

3.オフショア開発でのブリッジSE・PMの費用相場

Project manager working with Gantt chart planning schedule, tracking milestones and deliverables and updating tasks progress, scheduling and management skills, program strategy

さて、ここまでは一般的なエンジニアの人件費についてみてきました。

が、オフショア開発をする場合、現地のエンジニアを管理、サポートし、日本側とのパイプ役を務めるために、「ブリッジSE」や「プロジェクトマネージャー(PM)」をつけるケースがほとんどです。

そこで、これらの費用についても考えておきましょう。

3-1.ブリッジSE:エンジニアの20~40%増し

まず、エンジニアの取りまとめ役として、進捗管理や日本との間での通訳・翻訳などを担うブリッジSEです。

これは、現地の人材から登用する場合が多いようですが、場合によっては日本人のブリッジSEを用意するケースもあります。

ブリッジSEの人月単価は、一般のエンジニアの単価に対して+20~40%程度が目安です。

前掲の「オフショア開発白書 2021年版」(オフショア開発.com)によると、同サイトを利用した企業が各国に委託した際のブリッジSEの人月単価は以下の通りだったそうですので、こちらも参考にしてください。

出典:株式会社Resorz「オフショア開発白書 2021年版」から編集

3-2.PM:エンジニアの50~70%増し

次にプロジェクトマネージャー(PM)です。

ブリッジSEが現地メンバーの取りまとめ役であるのに対して、PMはプロジェクト全体の責任者として、進捗管理、人材管理、品質管理など全般を担います。

そのため、経験豊富な上級エンジニアが務めることが多く、人件費も高額になります。

同じく「オフショア開発白書 2021年版」(オフショア開発.com)を参照すると、各国のPMの人月単価は以下のようになっています。

これを踏まえると、PMの人月単価は一般エンジニアの単価+50~70%程度と言えそうです。

出典:株式会社Resorz「オフショア開発白書 2021年版」から編集

ちなみに日本人PMを置く場合はさらに人件費が高く、案件によって60万~150万円ほどかかると思っておいてください。

4.オフショア開発の費用を抑えるポイント

ところでこの記事を読んでいる方の中には、「オフショア開発をしたいが、費用はなるべく抑えたい」という希望を持っている方も多いでしょう。

そこで最後に、人件費の削減以外にどうすればオフショア開発の費用を抑えることができるのか、いくつかのアイディアを紹介しておきます。

4-1.工数を減らす

もっとも単純なコスト削減法のひとつは、工数を減らすことです。

1-2.オフショア開発費用の内訳で説明したように、ソフトウエア開発の人件費は「エンジニアの人月単価✕開発工数」で計算するため、工数が減れば人件費も減らせます

そのためには、まず最初に要件や仕様を明確にしておく必要があります。

その上で、無駄を省いた必要最小限の工数見積もりを出しましょう。

4-2.開発期間を短くする

工数を減らすと同時に、開発期間を短くすれば、人件費もカットできます。

具体的には、優秀な人材を揃える、過去に同様の開発実績がある開発会社に委託する、コミュニケーションがスムーズにとれるような体制を整えるといった工夫が必要です。

4-3.日系のオフショア企業を選ぶ

コミュニケーションの面でいえば、日系のオフショア企業に委託するのも有効です。

オフショア開発のリスクのひとつに、コミュニケーションに齟齬が生じることが挙げられます。

こちらの意図がうまく伝わらず、間違った指示が伝わって調整に時間がかかったり、修正が必要になったりするケースもあります。

そうなると、余計な時間と工数がかかってしまうでしょう。

前述のように工数を減らし、開発期間を短縮するには、意思の疎通がとりやすい日系企業に依頼するというのもひとつの方法だといえます。

まとめ

いかがでしたか?

オフショア開発の費用について、知りたいことがわかったかと思います。

では最後にもう一度、記事の内容を振り返ってみましょう。

◎オフショア開発の地域別費用相場は以下の通り

人月単価の相場
インド30万~60万円
ベトナム25万~40万円
中国35万~55万円
タイ27万~37万円
インドネシア24万~32万円
フィリピン21万~30万円

◎オフショア開発の費用をさらに抑えるポイントは、

 ・工数を減らす
 ・開発期間を短くする
    ・日系のオフショア企業を選ぶ

これを踏まえて、あなたの会社が予算に合ったオフショア開発ができるよう願っています。

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