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【プロが教える】マレーシアのオフショア開発って結局どうなの?

【プロが教える】マレーシアのオフショア開発って結局どうなの?

更新日 : 2023.12月.04

「オフショア開発先として、マレーシアってどうなんだろう?」
「マレーシアでオフショア開発するメリット・デメリットを知りたい」

このようにお考えではないでしょうか?

マレーシアのオフショア開発の特徴はこのようなものがあります。

マレーシアは、多言語開発ができたり、国を挙げてIT技術の向上に努めており、オフショア開発をすると免税が受けられる地域があったりと、オフショア開発による優遇を受けることができます。

しかし、人件費がそこまで安くない辞めやすいなどといったデメリットもあるため、オフショア開発をする際は、総合的に見て判断する必要があります。

この記事では、

◉マレーシアでのオフショア開発の基礎知識
◉マレーシアでのオフショア開発の費用相場
◉マレーシアでのオフショア開発の現状
◉マレーシアでのオフショア開発のメリット
◉マレーシアでのオフショア開発のデメリット
◉他国と比べたマレーシアの良いところ
◉マレーシアにオフショア開発を委託する手順
◉マレーシアにオフショア開発する注意点

について解説します。

この記事を読むと、マレーシアでオフショア開発をするかどうか判断することができます。

オフショア開発に興味がある方は最後までお読みになってくださいね。

1.マレーシアのオフショア開発の基礎知識

まずはマレーシアのオフショア開発の基礎知識について以下の2つについて解説していきます。

・マレーシアの基本情報
・マレーシアでのオフショア開発の特徴

1-1.マレーシアの基本情報

まずはマレーシアの基本情報です。

言語:マレー語
国民性:人懐こくマイペース、楽観主義。
時差:1時間 (東京が1時間早い)
人口:3318万人(2022年時点)

▼マレーシアの特徴
・経済が著しく成長している
・人口が増加を続けており、平均年齢も非常に若い
・多民族国家

マレーシアの特徴として、「経済が成長している」「人口が増加しており、平均年齢も非常に若い」ということが挙げられます。

マレーシアの経済は、この30年間で急成長しています。

「ASEANの優等生」とも呼ばれ、ASEAN5(マレーシア・インドネシア・ベトナム・フィリピン・タイ)の中でも、最も経済成長した国とされています。

実際に1人当たりのGDPは、2020年時点で10.402ドルとASEANの中でシンガポール、ブルネイに続くGDPを誇っており、経済が安定して成長していることが分かります。

引用:アジア大洋州局地域政策参事官室「目で見るASEAN」より

また、近年人口が増加しており、平均年齢も28.5歳と非常に若いという特徴もあります。

2022年時点で3318万人の人口が、2030年には3,726万人、2050年には4,346万人になると予想されており、人口の増加と成長率からも、今後ますます経済が成長していくと見られています。

【マレーシアの国民性から見た長所・短所】
マレーシアの国民性から見た長所と短所はこちらです。

■長所
・時間をかけてでも自分の仕事は最後までこなす
・チームの作業より個人の開発に能力を発揮する

■短所
・段取りを組んでの作業は苦手
・言いたいことがあっても主張しない
・マイペースで納期は守れないこともある

マレーシアの人は、マイペースですが、時間をかけてでも自分の仕事は最後までこなすという長所があります。また、チームのプロジェクトは好まず、個人の開発に能力を発揮します。

「段取りを組んでの作業は苦手」・「納期は守れないこともある」ので、オフショア開発の際にはしっかりと段取りを組んで、スケジュールの管理をすることで納期遅延を防ぐことができます。

また、何か言いたいことがあっても「自分の主張をしない」という特徴があるため、こちらが変化に気づき声をかけをする必要があります。

1-2.マレーシアでのオフショア開発の特徴

次に、マレーシアでのオフショア開発の特徴について解説していきます。

冒頭で少し触れましたが、マレーシアのオフショア開発の特徴として、以下のことが挙げられます。

それぞれ解説していきますね。

1-2-1.ITスキルが年々向上・日本より上

まず、気になるマレーシアのITスキルについてですが、ITスキルが年々向上しており、日本より上のレベルに到達しています。

マレーシアは、1996年から、国家プロジェクトとして本格的にIT人材の育成に取り組み始めました。MDEC(デジタルエコノミー公社)を創立し、大学や研究機関・民間企業・行政の三者が連携する産学官連携により、IT産業を発展させてきました。

その結果、主要64カ国・地域のデジタル経済とデジタル技術の能力を評価する世界デジタル競争ランキング(2021年)では、マレーシアは27位となり、日本の28位を上回る結果となっています。

近年では、AI・lot・ARやVR・ブロックチェーンなどといった最先端の技術を活用した事例も増えており、IT技術の急成長が感じられます。

このようにマレーシアは国を挙げてIT産業に力を入れているため、マレーシアのITスキルは急成長し、日本を上回り最先端技術を活用するというほど、申し分のない技術力を誇っています。

1-2-2.多言語開発が可能

マレーシアは、主にマレー系・中国系・インド系の人種が暮らす多民族国家です。

そのため、マレーシア人のほとんどはマレー語と英語を話すことができ、中国語もよく使われています。

多民族国家であるがゆえに、さまざまな言語を話せる人がいて、オフショア開発においても多言語開発ができるという強みがあります。

多言語開発については、3章のマレーシアでオフショア開発するメリットで詳しく解説するのでそちらもご覧くださいね。

1-2-3.企業参入には免税などの優遇措置あり

マレーシアはIT産業の発展のために、海外企業の誘致も積極的に行っています。

具体的には、IT企業を優遇するタックスヘイブンという免税が受けられる地域があったり、MSCステータスという免税優遇制度があったりと、国を挙げて企業誘致に力を入れています。

そのため、現地で法人を作ってオフショア開発をする人にとっては、メリットの大きい国と言えます。

タックスヘイブンやMSCステータスについては、3章のマレーシアでオフショア開発するメリットで詳しく解説するのでそちらもご覧くださいね。

1-2-4.人件費はそこまで安くない

マレーシアのオフショア開発の人件費については、次章で詳しくお話ししますが、マレーシアのエンジニアの人件費は、他のアジア諸国に比べてそこまで安くありません。

したがって、単純にコスト面だけ見るとマレーシアに委託するのはメリットを感じないでしょう。しかし、多言語開発ができたり、企業参入の優遇措置が受けられたりなど、他の部分と総合的に見て判断するようにしましょう。

2.マレーシアでのオフショア開発の費用相場

先ほど、「マレーシアでのオフショア開発の人件費はそこまで安くない」というお話しを少ししました。

ここではマレーシアでオフショア開発する際の費用についてより詳しく解説していきますね。こちらがマレーシアのエンジニアの人件費の相場です。

日本よりかなり安いという訳ではなく、東南アジアにおいても割高な費用となっています。

マレーシアは経済成長率が高く日本と比べ人件費や物価の伸びが著しいので、今後も人件費が上がることを想定しておきましょう。

マレーシアにオフショア開発を依頼する際は、費用だけを見るとメリットはあまり感じられませんが、

・多言語開発が可能
・今後もITスキルが向上すること
・経済成長率が著しいこと
・平均年齢が高く、人口も増加しているので人手の確保がしやすい

といった部分でのメリットなども見て総合的に判断するようにしましょう。

また、現地で法人を作ってオフショア開発をする場合は、税制優遇などのメリットと、今後の人件費上昇の可能性も含めて、総合的に判断するようにしましょう。

3.マレーシアでのオフショア開発のメリット

ここでは、マレーシアでオフショア開発をする場合のメリットをお話ししていきます。

マレーシアでオフショア開発をする場合のメリットは3つあります。

それぞれ解説していきますね。

3-1.多言語開発が可能

まずは多言語開発が可能というメリットがあります。

マレーシアの公用語はマレー語ですが、同時に英語もたくさんの人が話すことができます。また、マレーシアは海外からの移住者も多いため、英語だけでなく、フランス語や中国語、ヒンドゥー語など、いろいろな言葉が使用されます。

そのため、英語圏や中国の会社と取引をする企業や、今後海外への進出を考えている場合は、多言語開発ができるマレーシアは大きなメリットと言えます。

3-2.税制優遇が受けられるタックスヘイブン

次にタックスヘイブンの地域があり税制の優遇が受けられるというメリットがあります。こちらは、マレーシアに拠点をおいた場合のメリットとなります。

この土地は「ラブアン」という名称で、マレーシア連邦の直轄領の1つで南シナ海に浮かぶ島です。

【タックスヘイブンとは】
タックスヘイブンとは、課税が全額免除されたり、軽減される国や地域のことです。資源や産業に恵まれない発展途上国などが、実質的な拠点は他国にある企業の流通や資産を税制上優遇することで、自国に呼び込むのが目的です。

マレーシアのラブアンに拠点をおくことで、税制の優遇が受けられるという大きなメリットがあります。

3-3.MSCステータス

次に「MSCステータス」という資格がもらえるということです。これは、最大10年間の免税優遇措置が受けられたり、外国人向けビザの無制限発給を受けるといったことが可能になります。

こちらも、マレーシアに拠点をおいた場合のメリットとなります。

MSCステータスを取ることで以下のメリットがあります。

・最大10年間の法人税免除
・日本人を含め外国人の知的労働者に無制限で就労ビザを発行
・外資規制の撤廃
・マルチメディア関連機器の輸入税免除

通常マレーシアでは、外国人が就労ビザを取得するためには、法人の資本金として最低でも50万リンギット(約1400万円・業種により2800万円)が必要となりますし、取得できる人数にも制限がありますが、このMSCステータスという資格があることで、無制限に発行できるというメリットがあります。

4.マレーシアでのオフショア開発のデメリット

次にマレーシアでのオフショア開発のデメリットをお話ししていきます。

マレーシアでのオフショア開発のデメリットは以下の3つです。

それぞれ解説していきますね。

4-1.人件費がそこまで安くない

費用のところでもお話ししましたが、マレーシアの人件費は他の東南アジアの国と比べても費用が高いので、人件費だけ見るとコストがかかるというデメリットがあります。

したがって費用の面だけ見るとあまりメリットは無いように感じるかもしれませんが、多言語開発が可能なので海外進出を考えている企業や、IT企業への優遇制度があるので拠点を移したいという企業にとってはメリットがあるので、総合的に判断しましょう。

4-2.辞めやすい

次に辞めやすいというデメリットがあります。

マレーシアは離職率が高く、給料をあげるために転職するケースが多くみられます。条件の良い会社があればすぐに辞めて移ってしまうので、毎年賃金を上げたり、賃金制度や待遇を工夫するなどといった工夫が必要になります。

4-3.休日が多い・風邪も有給休暇

マレーシアは休日が多いというデメリットがあります。

休日が多い上に、マレー系・中国系・インド系それぞれのお正月や各州ごとの休日などがあり、病気の際に有給休暇と別の病気休暇というものもあります。

休みが多く納期に間に合わないという可能性もあるので、お休みが多いということを考慮して余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

5.他国と比べたマレーシアのオフショア開発の良いところ

ここでは、他国と比べたマレーシアのオフショア開発の良いところについてお話ししていきます。

他国と比べたマレーシアのオフショア開発の良いところは、以下の3つです。

まずは多言語開発が可能ということです。メリットのところでもお話ししましたが、マレーシアは多民族国家のため、マレー語だけでなく中国語や英語などが話せるエンジニアも多いです。

そのため、日本だけでなく英語圏や中国など海外進出したい、多言語開発がしたいという方にとってマレーシアはおすすめです。

また、オフショア開発を事業として行う企業にとってマレーシアはとてもメリットがあります。それが、メリットのところでもお話ししたように、免税が受けられる地域「ラブアン」があったり、「MSCステータスの資格がもらえる」ということです。

マレーシアでのオフショア開発は、特に現地に法人を作りオフショア開発をする企業にとってメリットが大きいと言えます。

6.マレーシアにオフショア開発を委託する場合の手順

「マレーシアにオフショア開発を委託したいんだけど、その場合はどうすれば?」

と考える方もいるのではないでしょうか?

ここでは、マレーシアにオフショア開発を委託する際の手順を解説していきます。

マレーシアでオフショア開発を委託する手順は次の5ステップです。

それぞれ解説していきますね。

6-1.オフショア会社を選ぶ

まずは、オフショア開発を請け負ってくれるマレーシアの会社を選びます。

会社を選ぶ際は、以下のようなポイントを意識すると良いでしょう。

会社を選ぶときは、最初から一社に絞り込まずに、候補を数社あげて検討しながら進めていくのがいいでしょう。

会社選びのポイントについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みになってくださいね。

6-2.希望要件の仕様を相談する

委託先の候補が上がったら、まずは候補となっているオフショア開発の会社に相談します。

企画・プロジェクトの詳細・希望する要件や仕様を担当者に伝えて、可能かどうか確認しましょう。

その際に、開発内容など絶対に外部に漏洩させたくないことを伝えなければならない場合は、この時点で「秘密保持契約書」を交わしておくのがおすすめです。

6-3.契約方式、開発方式を決める

こちらの希望通りの対応が可能だとなったら、次に契約方式と開発方式を決定します。以下のいずれか、案件に適したものを選びましょう。

【契約方式】

ラボ型契約専属のエンジニアチームを一定期間にわたって社外に確保し、開発を行う
請負契約案件1件に対して契約を結び、「決められた納期までに完成品を納品する」ことを約束する

【開発方式】

ウォーター
フォール型
最初に要件定義や仕様を決め込んで開発を進め、すべて完成してからリリースする
アジャイル型要件や仕様はアバウトなままで開発をスタートし、短期間で
設計→リリース→テストを繰り返しながら、改修・改善を進める

6-4.見積り

ここまで決まったら、見積もりを出してもらいます。

出してもらった見積もりを確認して、合意できれば契約に進みますが、問題や疑問があれば担当者に伝えて調整しましょう。

見積もりは、できれば数社に相談し相見積もりを取って比較するようにしましょう。なぜなら、オフショア開発の会社によって費用はもちろん、得意とする分野や方針等も様々だからです。

金額に納得でき、自社にあった会社に依頼するためにも相見積もりを取りましょう。

6-5.契約・開発スタート

相見積もりに合意できれば、いよいよ契約です。契約書を作成・締結し、それを受けてベトナムでの開発がスタートします。

契約書を交わす際は、自社の発注内容と異なる部分がないか、契約書にしっかりと目を通しましょう。

また、仕様書も細かいチェックが必要です。日本人は仕様書を曖昧に記入し、あとで開発者とすり合わせながら計画を進めていくという流れがありますが、海外の人は仕様書に書かれてなければ実行してくれません。

そのため、仕様書は曖昧に作成せず、細かく記載する必要があります。

このように契約内容にしっかりと目を通し、相違がなければ契約書を交わし開発をスタートさせます。

7.マレーシアでオフショア開発する際の注意点

マレーシアでのオフショア開発で失敗しないために、ここではマレーシアオフショア開発の注意点を解説していきます。

マレーシアでオフショア開発をする際の注意点は、次の2つです。

それぞれ解説していきますね。

7-1.スケジュール管理をしっかりする

まずはスケジュール管理をしっかりするということです。

なぜならマレーシアの人はマイペースであり、なおかつ休日が多いということもあり、納期に間に合わない可能性があるからです。

しかし、まじめで自分の仕事は責任もって取り組むというメリットもあります。

ゆとりを持ったスケジュールにするとともに、進捗状況を細かく確認し、スケジュール管理をしっかりし、納期の遅延を防ぎましょう。

7-2.マレーシア人は転職が多いので注意

マレーシア人は転職が多いので注意が必要です。

なぜならマレーシアの人は、より良い企業が見つかると、すぐに働いている会社を辞めて転職する傾向があるからです。

辞めないようにこまめに気を配ったり、待遇や勤務体制の工夫をしていきましょう。

高い技術力と豊富な実績を求めるならオフショアの人気国「インド」も検討しよう!

「もっと技術力の高い国に依頼したい」
「ハイクオリティのものや高度な技術のいる案件を頼みたい」
「オフショア開発の実績が豊富で、スムーズに進めたい」

このようにお考えなら、オフショア開発の人気国「インド」も検討してみると良いでしょう。

マレーシアと比べたインドのオフショア開発の魅力は、以下の2つです。

・トップレベルのITスキル
・オフショア開発の実績の豊富さ

オフショア開発人気国の中でも圧倒的なITスキルの高さで、高度な案件にも対応できます。

また、オフショア開発の実績も多い国なので、安心して依頼できますし、オフショア開発の失敗でよくある国民性の違いからくるトラブルも起こりにくいです。

オフショア開発を依頼する国選びは重要ですので、一度インドも依頼国として検討してみてください。

インドのオフショア開発について、詳しく知りたい方はこちらの記事もお読みになってくださいね。

8.まとめ

いかがだったでしょうか?

マレーシアのオフショア開発について理解でき、オフショア開発の依頼先としてマレーシアに依頼するかどうか判断できるようになったでしょうか。

最後にこの記事をまとめますと、

◉マレーシアのオフショア開発のメリットは
・多言語開発が可能
・税制優遇が受けられるタックスヘイブンがある
・MSCステータスの資格が取れる

◉マレーシアのオフショア開発のデメリットは
・人件費がそこまで安くない
・辞めやすい
・休日が多い

◉他国と比べたマレーシアのオフショア開発の良いところは
・多言語開発が可能
・税制優遇制度がある

◉マレーシアにオフショア開発をする手順は
1.オフショア開発会社を選ぶ
2.希望要件の仕様を相談する
3.契約方式・開発方式
4.見積もり
5.契約・開発スタート

◉マレーシアでオフショア開発する際の注意点は
・スケジュール管理をしっかりする
・マレーシア人は転職が多いので注意する

この記事を元にあなたのオフショア開発が成功することを願っています。

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