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オフショア開発のリスクとは?5つのリスクとそれぞれの解決法を解説

オフショア開発のリスクとは?5つのリスクとそれぞれの解決法を解説

更新日 : 2023.12月.04

「オフショア開発を委託したいけれど、海外ならではのどんなリスクを想定すればいい?」
「オフショア開発のさまざまなリスクを事前に回避する方法は?」

海外でのソフトウエア開発を検討している企業には、そのような疑問や不安を持っているところも多いでしょう。

たしかにオフショア開発には、海外ならではの開発リスクがいくつかあります。

想定されるのは、主に以下の5点です。

・政情や外交関係の影響を受ける
・コミュニケーションに齟齬が生じる
・クオリティにばらつきがある
・コストや納期がオーバーする場合がある
・情報漏洩の恐れがある

ただ、それに対しては以下のような方法で回避、解決が可能です。

・日本との外交関係や内政状況を考慮して依頼先の国を選ぶ
・日本人をブリッジSEにする
・仕様書に作業内容を具体的に記載する
・コストと納期にバッファをもたせる
・進捗をこまめに確認、テストする
・セキュリティに関する教育と管理を徹底する

あらかじめリスクに備えておけば、オフショア開発は大きな成果をあげることができる開発方法なのです。

そこでこの記事では、オフショア開発でのリスク回避について知っておくべきことを解説します。

まず最初に、どのようなリスクがあるかを知っておきましょう。

◎オフショア開発のリスク5つ

その上で、対処法を考えていきます。

◎オフショア開発のリスクを回避・解決する方法
◎オフショア開発のリスクを最小限にするポイント

最後まで読めば、オフショア開発に対する不安が払しょくされるはずです。

この記事で、あなたの会社が安全に海外でのソフトウエア開発を行えるよう願っています。

1.オフショア開発のリスク

オフショア開発は、エンジニアの人材不足の解消や、開発コストの削減を可能にする有効な手段です。

が、物理的・心理的に距離がある海外の国に開発を委託することで、懸念されるリスクもあります。

そこでまず、どんなリスクが想定されるか知っておきましょう。

主に考えられることを、委託先の選定から実際の開発までの段階に沿って挙げると、以下の5点です。

・政情や外交関係の影響を受ける
・コミュニケーションに齟齬が生じる
・クオリティにばらつきがある
・コストや納期がオーバーする場合がある
・情報漏洩の恐れがある

1-1.政情や外交関係の影響を受ける

オフショア開発を考える際は、まずどの国に依頼するかを検討しますが、国によっては政情が不安定だったり、外交上の問題を抱えているケースがあるため注意が必要です。

たとえば、ミャンマーはオフショア開発の委託先として、特に人件費の安さなどが魅力の国ですが、2021年に国軍がクーデターを起こしてから内政が不安定な状態が続いています。

そのような国では、有事の際には通信インフラが途絶したり、内戦状態で経済活動がストップする恐れもあるでしょう。

また、中国や韓国も日本からのオフショア開発受け入れの経験が豊富ですが、一方では過去に反日デモが起こったことがあります。特に2012年の中国でのデモは、日系企業が襲撃されるなど過激なものでした。

そうなると、日本企業に協力している現地企業も影響を受けて、仕事が進められなくなるかもしれません。

このように、政情や日本との友好関係などに問題がある国に対しては、ビジネス上でもその影響を受けるリスクを覚悟しておく必要があります。

1-2.コミュニケーションに齟齬が生じる

次に、実際に開発を依頼した際に最初にぶつかるのが、コミュニケーションの問題です。

オフショア開発は、海外にいる外国人エンジニアと仕事をすることなので、そこには「言語の壁」「カルチャーギャップ」が立ちはだかります。

言葉に関しては、お互いに英語でコミュニケーションをとるケースが多いですが、日本語がわかるエンジニアもいます。

ただ、いずれにしろ片方、または双方が外国語を使ってやりとりすることになるわけです。

となると、こちらの指示がうまく伝わらなかったり、誤解が生じたりして、「希望とは異なる仕様になってしまった」といった失敗につながる恐れが出てきます。

また、日本では作業の進捗状況を逐一報告する「報・連・相」の習慣がありますが、国によっては細かい報告はせず、自分の責任で仕事を進めるのを良しとする文化も見られます。

そのため、こちらが気づいたときには、間違った仕様やイメージと異なるデザインで作業が進んでしまっている、というケースもままあり注意が必要です。

1-3.クオリティにばらつきがある

また、成果物のクオリティが期待値に満たなかった、というケースもよく発生します。

近年は、中国やインド、ベトナムなどの技術力が高まり、高度でクオリティの高い開発が期待できる一方、国によってはまだ優秀なエンジニアが多くは育っていないところもあります。

スキルの高くないエンジニアに当たってしまうと、期待外れの結果に終わってしまうでしょう。

さらに、「仕様書にある作業、指示された作業だけをする」というカルチャーの国では、指示がなければテストやチェックはしてくれず、バグや不具合のあるまま納品された、という例もあるようです。

日本では、開発中や納品前にテストするのが当然と考えるかもしれませんが、国が変わるとその常識は通用しない、というのも注意点のひとつといえます。

1-4.コストや納期がオーバーする場合がある

日本企業が海外の企業と仕事をする際に、しばしばストレスになるのが「数字に対する意識の違い」です。

日本人にとって、納期や予算は「守らなければいけないもの」ですが、オフショア開発を受け入れる国の中には、時間感覚やコスト意識が緩いところも多いからです。

納期はあくまで目安ととらえて、作業が終わらなければこちらに相談なく納品を遅らせる、間に合わなくても残業はしない、といった対応で、トラブルになるケースもあります。

これについては、国民性や長く続いた習慣に根差すものなので、日本的な意識を無理に押し付けてもさらに溝が深まるだけです。

相手の文化を理解してフォローする心構えが求められるでしょう。

1-5.情報漏洩の恐れがある

最後のリスクは「情報漏洩」です。

オフショア開発の受け入れ先には途上国や新興国が多く、コンプライアンスに対する意識や教育がまだ徹底されていない恐れがあります。

そのため、セキュリティが甘く情報が流出したり、案件に携わったメンバー自身が情報を漏らしたりする事例も発生しています。

そして、これを防ぐのは非常に難しいといえるでしょう。

というのも、システム開発の成果物は、形のない「ソースコード」ですから、関係者がその気になれば簡単に持ち出せてしまいます。

かといって、万全なセキュリティ対策を講じるにはコストがかかります。

オフショア開発のメリットは「人件費を抑えること」であるのに、そのためにセキュリティコストが発生してしまっては意味がありません。

オフショア開発における情報セキュリティは、大きな課題と言えます。

2.オフショア開発のリスクを回避・解決する方法

このように、オフショア開発にはさまざまなリスクがあることがわかりました。

とはいえ、エンジニアの人材不足解消やコスト削減を実現するには、オフショア開発が有効な方法であることは事実です。

そこで、これらのリスクを未然に回避する、あるいは解決する方法を挙げておきましょう。

2-1.日本との外交関係や内政状況を考慮して依頼先の国を選ぶ

まず、第一のリスク1-1.政情や外交関係の影響を受けるを回避するためには、委託先の国選びが重要です。

・日本との外交関係が良好である国
・内政が安定している国

を選択しましょう。

もしどうしてもこれらの条件から外れる国に委託したい場合は、現地情報を収集する担当者をおき、つねに連絡がとれる体制を整えておく必要があるでしょう。

2-2.日本人をブリッジSEにする

第2のリスク1-2.コミュニケーションに齟齬が生じるへの対策としては、ブリッジSEを現地スタッフではなく日本人にすることが有効です。

現地の人材の中からブリッジSEを選ぶ方が人件費を抑えることはできますが、その場合は日本語力が高い人が望ましいでしょう。

日本側と現地スタッフとのパイプ役として、指示を伝えたり、進捗管理、スタッフ管理、品質チェックなどを行うのがブリッジSEの役割なので、ここに言葉の壁があると進捗が滞ってしまうからです。

また、こちらからの指示もあいまいな表現は避け、翻訳しやすい明確な言葉選びを心がければ、コミュニケーションの齟齬も減らせるでしょう。

2-3.仕様書に作業内容を具体的に記載する

1-2.コミュニケーションに齟齬が生じる」「1-3.クオリティにばらつきがあるというふたつのリスクを回避する方法として、仕様書をくわしく具体的に書くことも求められます。

日本国内では、仕様書に細かく記載しなくても「こうするのが通例だろう」「指示がなくてもチェックしてくれるだろう」という共通認識で作業を進めることもできますが、オフショア開発の海外エンジニアには通用しません。

してほしい作業内容は、すべて具体的に仕様書に記載する必要があります。

さらに、誤解や誤読を避けるために、図や写真などのビジュアル要素を活用するとよいでしょう。

たとえばスマホアプリであれば、ユーザーの操作手順に沿って、イメージ写真や画面遷移図を盛り込みます。

テキストでの説明だけではわかりにくいことも、図を見ればひと目で理解できる工夫をしましょう。

2-4.コストと納期にバッファをもたせる

1-4.コストや納期がオーバーする場合があるの予防策は、最初からそれを想定してコストと納期にバッファを持たせるしかないでしょう。

特に納期に関しては、先方には少し前倒しした日付を伝えるのも有効です。

2-5.進捗をこまめに確認、テストする

また、1-3.クオリティにばらつきがある」「1-4.コストや納期がオーバーする場合があるに対しては、進捗状況をこまめに確認し、随時テストを行いましょう。

定期的にレポートを提出させたり、ソースコードレビューを行うことも必要です。

開発方法を、ウォーターフォール型ではなくアジャイル型で進めるのもいいでしょう。

「開発→リリース→テスト」を短期で繰り返すことで、バグや不具合が致命的になる前に早期に修正することが可能です。

2-6.セキュリティに関する教育と管理を徹底する

最後のリスク、1-5.情報漏洩の恐れがあるに関しては、前述したように万全のセキュリティ対策をとるのはコストがかかります。

そこで、現地のエンジニアに対してセキュリティ教育と管理を徹底するしかないでしょう。

日本人によるセキュリティ、コンプライアンスのレクチャーをする、定期的にセキュリティに関するチェックシートにチェック、サインさせる、オフィスへの入退室記録をとる、といった対策を実施してください。

3.オフショア開発のリスクを減らすその他のポイント

さて、前章の6つの解決法は、1.オフショア開発のリスク 5つに対するものです。

が、それ以外にも、オフショア開発のリスクを減らすために心がけておきたいポイントがあります。

それは、

・相手国の文化を理解する
・積極的にコミュニケーションをとる

ということです。

これができていれば、もし問題やトラブルが発生しても、被害を最小限に食い止めることができるかもしれません。

3-1.相手国の文化を理解する

オフショア開発に限らず海外とのビジネス全般に言えることですが、大前提として、相手国の文化、国民性をよく知り、理解することは必須です。

国が異なれば、言語はもちろん生活習慣、仕事に対する考え方や姿勢も異なります。

日本側から見れば、「時間にルーズ」「仕事に責任感がない」「指示を守らない」と思える行動も、先方からすれば「無理な要求をされる」「指示された以上の作業を求めてくる」「こちらのやり方を認めず、日本式を強要されてやりにくい」と感じているかもしれません。

文化が異なる以上、それは「どちらが正しい/間違っている」という問題ではありません。

日本側の価値観を押し付けるのではなく、まず相手の文化や考え方を理解し、受け入れることが重要です。

たとえば、「時間にとらわれない国民性なのだな」とわかれば、余裕を持ったスケジュールを組んだり、こまめに進捗チェックとサポートを行うといったフォローもできるでしょう。

3-2.積極的にコミュニケーションをとる

そして、最も大切なのは、こちらから積極的にコミュニケーションをとろうという心構えです。

言葉の壁やカルチャーギャップを乗り越える方法は、結局はコミュニケーションしかありません。

「英語が苦手だから、やりとりはブリッジSEに任せる」という逃げの姿勢では、相手との信頼関係は生まれないでしょう。

もちろん、重要な伝達事項や指示は、正確な言葉で伝えなければなりませんから、英語力に優れたメンバーが必要です。

が、先方にこまめに連絡を入れたり、リモートミーティングに参加したり、つたない英語力でもコミュニケーションの取り方はいろいろとあるはずです。

オフショア開発を受け入れる国々は、今後もIT分野で発展が期待されるところばかりです。

よきパートナーとなって長く協力してもらうためにも、こちらから前向きに意思疎通を図るよう努めましょう。

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オフショア開発では、日本企業側にも英語力・ITスキルに優れた外国人エンジニアがいれば、現地とのコミュニケーションがスムーズに運びます。

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まとめ

いかがでしたか?

オフショア開発のリスクに関して、知りたいことがわかったかと思います。

ではもう一度、記事の要点を振り返りましょう。

◎オフショア開発のリスクは主に5つ

・政情や外交関係の影響を受ける
・コミュニケーションに齟齬が生じる
・クオリティにばらつきがある
・コストや納期がオーバーする場合がある
・情報漏洩の恐れがある

◎オフショア開発のリスクを回避・解決する方法は以下の6つ

・日本との外交関係や内政状況を考慮して依頼先の国を選ぶ
・日本人をブリッジSEにする
・仕様書に作業内容を具体的に記載する
・コストと納期にバッファをもたせる
・進捗をこまめに確認、テストする
・セキュリティに関する教育と管理を徹底する

◎オフショア開発のリスクを最小限にするポイントは2つ

・相手国の文化を理解する
・積極的にコミュニケーションをとる

この記事で、あなたの会社がオフショア開発を成功させられるよう願っています。

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