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インドがIT大国になった6つの理由!インド人材はアリかナシか

インドがIT大国になった6つの理由!インド人材はアリかナシか

更新日 : 2023.12月.04

「インドはなぜIT大国になったんだろう」
「日本とインドIT産業ってどんな関係なのかな」

インドがIT大国と言われるようになって久しいですが、このように感じている人がいるのではないでしょうか。

インドがIT大国になった理由としては以下の6つが主に挙げられます。

インドがIT大国になった背景には、このようにIT技術を欧米諸国に輸出する土台ができていたということが挙げられます。その結果、インド系人種がアメリカを始めとする世界のIT企業のトップに君臨しています。

しかし実は、世界に比べて日本はインドIT産業との関係はまだ薄いという事実もあります。

日本も近年ではIT人材不足が深刻化していると言われていますが、そうした問題を解決する糸口の1つとして、インドIT人材に興味を持つ人が増えています。

DX化を進めるうえで、今後は日本でもさらにインドIT産業との関係は加速していくでしょう。

この記事では、インドがIT大国になった理由や日本とインドIT産業の関係など以下の内容について詳しく解説していきます。

この記事を読めば分かること
・インドIT産業の流れ
・インドがIT大国になった理由
・インドのITは他国と比べてどうなのか
・日本とインドIT産業の関係
・日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」

この記事を読みいただくことで、インドIT産業の歴史や全貌がお分かりいただけるかと思います。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

1.インドのIT産業の流れとは

それではまずは、インドのIT産業の流れについて見ていきましょう。具体的には、インドのIT産業は2000年以前と2000年以後を大きく分けて2つの流れに注目したいと思います。

1-1.インドのIT産業は1990年代に急速に発展した

インドのIT産業が始まったのは、1960年代から。そこから20年ほど政府の先導のもと徐々にインドはIT技術の輸出を始めました。

その流れが90年代に入り一気に加速しました。その要因にはインドでの大規模な経済改革があります。

1991年、その頃まで主要貿易相手国であったソ連の崩壊や、湾岸戦争による原油価格の高騰でインドの財政は悪化し、危機的な状況に陥りました。そこで政府は産業・貿易の許認可制度を撤廃し関税を引き下げるなど、経済改革を行いました。

それまでのインドは、生産の多くを公営企業が担い主な価格は統制される社会主義との「混合経済」が行われていました。1991年の新経済政策でこうした制度が撤廃され自由化されるようになりました。

その結果多国籍企業がインドの産業に自由に参入することができるようになり、インドのIT技術の輸出サービスも加速。このような背景があり、IT産業は大きく発展したのです。

1-2.2000年問題を乗り越えた裏側にインドIT産業の存在

西暦2000年に問題の際にも、多くのアメリカの企業がプログラム書き換えをインドに委託しました。2000年問題を乗り越えられたその背景には、インドIT産業の存在は欠かせなかったと言われています。

その後の2001年ITバブルの崩壊や、2008年のリーマンショックによってアメリカの経済が停滞した際にも、アメリカを中心とした多くの欧米諸国がコストメリットの高いインドにアウトソーシングを行いました。

そうした流れを受けて、インドのIT産業はどんどん加速していったのです。

1-3.世界のIT企業のトップに君臨するインドIT人材

現在では多くの世界的なIT企業のトップに、インド系が名を連ねています。以下はその一例です。

企業名 代表者
Google社 サンダー・ピチャイ
Microsoft社 サティア・ナデラ
Twitter社 パラグ・アグラワル
Adobe社 シャンタヌ・ナラヤン
PepsiCo社 インドラ・ヌーイ

誰でも知っているこれら企業のトップがインド系である事実を見れば、いかにインドの人材が世界に高く評価されているのかが分かりますよね。

さらに近年ではインド国内でのスタートアップも加速しており、これからますますインドのIT産業からは目が離せない状況が続いていくでしょう。

2.インドがIT大国になった理由

それではここからは具体的に、インドがIT大国になった理由について見ていきましょう。

具体的には以下の6点について解説していきます。

2-1.英語を話せる

インドがIT大国になった大きな理由の1つとしては、インド人が英語を話せると言う点が挙げられます。

インドのIT産業の発展は、インド国内での技術の発展と言うよりは、アメリカなど他国へのIT技術の輸出量の増加が一因となっています。インドはかつてイギリスの植民地であったため英語を話せる人が多く、こうした事情がIT技術の輸出を加速させたと言えるのです。

またインドは多言語国家であり、公用語であるヒンディー語以外にも数多くの言葉が使用されています。そのため、インド国内でもコミュニケーションを取るのに英語を話すことも一般的なのです。

こうした事情が、IT技術の輸出を加速させたと言えるのです。

2-2.アメリカとの時差による特性

インドのIT産業が加速した要因の1つとして、アメリカとの時差による特性も挙げられます。

ここまででも解説した通り、インドのIT技術の主な輸出先はアメリカです。アメリカとインドの時差はカリフォルニア州で12時間。アメリカが仕事を終える18時頃にインドに発注したら、アメリカが夜のうちにインドで作業を行えば、24時間稼働することとなります。

こうした効率の良さもあり、アメリカはインドへのアウトソーシングを大きなメリットと感じているのです。

2-3.インフラが整っていない

インドがIT化大国になった大きな理由の1つとして、インドのインフラが整っていないと言う点が挙げられます。

インドは先進国と違い道路や鉄道などのインフラが整っておらず、物流や製造業に力を入れることが難しい状況です。

一方IT産業に関してはPCと電気があれば技術を開発することができます。先進国と比べてできることが少ない分、先進国では思いつかないようなイノベーションが起こる可能性も高いのです。

またインドは固定電話よりも先に、スマートフォンや携帯電話が普及した珍しい国の1つでもあります。既存のインフラが固まっていない状況でこうした発展が起こると、大胆なイノベーションが起こる可能性が高いと言う事実もあるのです。

2-4.カースト制度の要因

インドのIT産業が発展した理由の1つとして、カースト制度の要因も挙げられます。

カースト制度は古くからインドに伝わる身分制度のこと。カースト制度自体は1950年代に正式に廃止されていますが、その影響は今なお根強いと言われています。

カースト制度においては職業選択の自由はいまだにあまりなく、職業面では世襲が一般的です。しかしIT産業については原則としてカーストに関係なく自由に仕事を選ぶことができると言われています。

低いカーストでも一流のITエンジニアの職種に就くことができる可能性があるため、そのことをモチベーションにエンジニアを目指す人は増えました。

その結果として、インドのIT産業が大きく発展したのです。

2-5.コストメリットの高さ

インドのIT産業が発展した大きな理由の1つとして、コストメリットの高さが挙げられます。

特にインドのIT技術の多くを輸出している先のアメリカとインドでは経済格差が大きいという事実があります。アメリカは国内でIT技術の開発をするよりも、人件費が安いインドにアウトソーシングしたほうがはるかにコストメリットが高いといえます。

以下は、インドと他の都市の非製造業の基本給を比較したものです。

インドと他国の都市の非製造業の基本給(単位:ドル)
一般職(実務経験3年程度)課長クラス(実務経験10年程度)賞与支給額
ニューデリー6681,742基本給の1.08カ月分
北京1,2522,649基本給の2.08カ月分
香港2,4294,268基本給の1.65カ月分
東京2,5954,960基本給の4.61カ月分

参考:インドの物価はどのくらい? 〜コスト面から見るインド・オフショア開発の魅力とは〜|Global Japan Network

これを見ると、アジアの主要都市の中でもインドは圧倒的に人件費が低いことが分かります。

欧米諸国は人件費が安いインドにアウトソーシングすることでコストメリットを得ていると言えます。その結果、インドのIT産業が加速したといえるでしょう。

ちなみに、インドのほかにもタイやベトナムなど物価が安くコストメリットを得やすい東南アジア諸国などがありますが、もともとインドが英語を話していたことや古くからIT産業に力を入れていたことで他国との差が生まれたと考えられます。

2-6.インドでIT系の大学が充実している

インドのIT産業が発展したもう一つの理由は、インドのIT系大学が充実していると言う点も挙げられます。インド国内のIT系大学は近年爆発的に伸びています。その背景には、世界でもトップの工科大学と言われているインド工科大学の存在があります。

インド工科大学はインド政府によって設立された全23校の国立大学の総称です。世界でもトップクラスの工科大学と言われており、Fotyune500(米トップ500社)の約3割の企業に同校出身のボードメンバーが在籍しています。教育水準が高く、研究機関としても国際的に認められている大学です。

インド工科大学の卒業生にはGoogleのCEOであるスンダー・ピチャイを始め多くの技術者が名を連ねています。

インド工科大学の主な卒業生
  • サンダー・ピチャイ(Google社 CEO)
  • サトヤ・ナデラ(マイクロソフト社 CEO)
  • シャンタヌ・ナラヤン(Adobe社 CEO)
  • アルビンド・クリシュナ(IBM社)

インド工科大学の卒業生は、欧米のIT企業が殺到するほど注目される存在。インド工科大学を卒業すれば、エンジニアとして仕事に困る事はありません。

しかし、世界から注目されるインド工科大学は世界で最も入学が難しい大学と言われており、入学できる学生は一握りです。インド工科大学に入学できなかった学生もITを学べるよう、インド国内IT系の工科大学の数が増加しつつあります。

そのような背景により、インドのIT人材が多く輩出されているともいえるでしょう。

3.日本とインドIT産業の関係

それではここからは、日本とインドインドIT産業の関係についても解説していきます。日本とインドのIT産業の関係では以下の3つが特徴として挙げられます。

それぞれについて詳しく解説を解説していきますね。

3-1.世界と比較すると日本はインドIT産業との関係がまだ薄い

世界の動きと同様に日本でもインド人材の採用などが近年増えては来ていますが、それでも世界の中ではインドIT産業との関係はまだ薄いといえます。

2019年の日本のIT産業における外国人雇用状況をまとめたものです。実はインド人材の採用は語彙の中にも入っていないことがわかります。

参考:IT人材白書2020

このデータから見ても、日本ではまだまだインド人材の採用が少ないと言うことが分かります。

3-2.2015年以降日本でのインド人材の採用実績は増えつつある

IT企業の外国人雇用の中でインド人人材が占める割合は少ないとは言え、その採用の絶対数は2015年から徐々に増えつつあるというデータもあります。

以下は、日本のインド在留高度人材数の推移です。

参考:在日インド高度人材に関する調査報告書|Jetro

このように2015年から見ていくと、インドの高度人材の採用数は大きく伸びていることがお分かりいただけます。

IT系の高度外国人人材を採用したいと考えている企業にとっては非常に狙い目です。

インドIT人材と日本企業の関係などについてより詳しい内容は、「インドIT人材ってどうなの?優秀な人材を採用する方法や注意点を解説」でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

4.日本企業のインドIT人材の活用は「あり」!

日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」だといえます。

ここまで解説してきたように、インドには優秀なIT人材が豊富です。日本は近年IT人材不足が深刻化していますが、現代において日本でもインドの技術を迎え入れることにはメリットが大きいと言えます。

例えば日本企業がインドのIT技術を取り入れる方法としては以下の2種類が挙げられます。

  • インドIT人材を採用して迎え入れる
  • インドをオフショア開発先に選ぶ

この章では、日本企業がインドIT人材やオフショア開発を行うメリットについても解説していきましょう。

具体的には以下の3点が挙げられます。

4-1.最先端の技術を持っている人材を確保できる

なんといってもインドIT人材やオフショア開発をすることで、最先端の技術を持っている人材を確保できることが最大のメリットと言えるでしょう。

ここまででも解説してきた通り、インドには優秀なIT人材が豊富です。すでに欧米諸国ではIT技術をインドにアウトソーシングすることが一般的ですが、日本では語学力不足などが理由でリソースを使う企業があまり多くありません。

英語などのハードルを越えれば、インド工科大学卒業者など最先端の技術を持っているエンジニアを日本で採用する事は不可能ではありません。

これから会社で優秀なIT人材を獲得したいのであれば、インドIT人材を視野に入れる事は企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

4-2.インドIT市場は技術の輸出に慣れている

インドは長年高いIT実力を欧米諸国に輸出してきているため、技術の輸出には慣れているということがいえます。

そのためこれから日本国内でインドIT人材を採用したり、インドオフショア開発を行う上でのノウハウは既に持っていると言え、安心して採用または委託することが可能です。

近年では日本国内にもインド人エンジニアを採用したり、インドオフショアを始める企業も増えているため、情報を集めやすいと言うのも大きなメリットといえます。

ITサービス輸出国に慣れていない新興国に比べて信頼性が高いと言う点は、日本にとって大きなメリットとなるでしょう。

4-3.インド工科大学との繋がりを持ちやすい

近年では、インド工科大学とのつながりを持ちやすくなってきたと言う点も挙げられます。

実はもともと、インド工科大学から人材を採用するのは難易度が高いと言われています。その理由としては、インド工科大学の学生を採用する場合に大学側が行う「プレースメント」と言う採用イベントへの参加が必須なためです。

プレースメントは1年で2週間しか開催されず、この2週間の間に世界中の企業が学生を採用するためにインド工科大学に集結します。こうした特殊な採用システムがあるため、今まで参加したことのない企業がインド工科大学の人材を採用する事は難しいと言われてきました。

しかし近年では、日本と日本の企業とインド工科大学の橋渡しをする仲介企業なども現れており、プレースメントの前にインターンシップを行うことであらかじめ学生との信頼関係を構築することも可能となりました。

このようにインド工科大学とのつながりを持つことで、以前よりもインド工科大学からの人材採用のハードルが下がっていると言えるのです。

インド工科大学のプレースメントなど詳しい内容については「インド工科大学から優秀な人材を採用する方法!失敗しないための注意点も解説」でも解説していますので参考にしてみてください。

5.インドIT人材に興味のある方はGALKにご相談ください

インドIT人材に興味がある方はGALKにご相談ください。

インド工科大学に興味を示す日本企業の数は、年々増えてきています。その一方で、プレースメントと言う特殊な採用方式により、思うように採用活動が運ばないと言う悩みを持つ企業も増えてきているといえます。

GALKはインド工科大学と日本企業をつなぐサービスを行っておりますインド工科大学全23校と日本で唯一提携しており、2ヶ月のインターンシップを通じて未来の優秀なエンジニアとの橋渡しが可能です。


2カ月間のインターンシップを行うことで、プレースメントが行われる前に学生たちとの信頼関係を構築することができます。その結果、プレースメントを優位に運ぶことも可能となるのです。

インド最高峰のインド工科大学から人材を採用したいと考えたのなら、ぜひGALKにお問い合わせください。

GALKの公式サイトへ

まとめ

以上、この記事ではインドがIT大国になった理由や日本とインドのIT産業の関係など以下の内容について詳しく解説してきました。

この記事を読めば分かること
・インドIT産業の流れ
・インドがIT大国になった理由
・インドのITは他国と比べてどうなのか
・日本とインドIT産業の関係
・日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」

この記事を詳しく読んでいただくことで、インドIT産業の歴史やIT大国となった背景がご理解いただけたかと思います。この記事を疑問の解消に役立てていただければ幸いです。

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