「オフショア開発先として、カンボジアってどうなんだろう?」
「カンボジアでオフショア開発をすると安いと聞くけど、どれくらいなんだろう?」
オフショア開発を考えている方は、そういった疑問を持っていませんか?
カンボジアでの オフショア開発の一番のメリットは人件費の安さ です。アジアの中でも一番安い水準となっています。
こちらはアジア諸国のオフショア開発の人月単価の相場です。
国
人月単価の相場
カンボジア
17~26万円
インド
30~60万円
ベトナム
25~40万円
中国
35~55万円
タイ
27~37万円
インドネシア
24~32万円
フィリピン
21~30万円
カンボジアのエンジニアの人月単価は 17万円~26万円 と安く、他の開発国と比べると10万円以上安くなっているのが分かります。
他にも、日本人と感覚が似ているため、 コミュニケーションの齟齬がおきにくい というメリットがある反面、 品質が日本のレベルに達していない ・ オフショア開発の歴史が浅い・インフラが整っていない といったデメリットもあります。
カンボジアでオフショア開発を行う際は、 ただ単に費用が安く済むからという理由だけでなく、メリット・デメリットなども加味して総合的に検討する必要 があります。
そこでこの記事では、
◉カンボジアでのオフショア開発の特徴
◉カンボジアでオフショア開発をするメリット
◉カンボジアでオフショア開発をするデメリット
◉カンボジアでオフショア開発をする費用
◉カンボジアでオフショア開発をする手順
◉カンボジアでオフショア開発をする際の注意点
について解説していきます。
この記事を最後まで読むと、 カンボジアのオフショア開発の現状を知ることができ、オフショア開発の依頼国としてカンボジアにするかどうか判断することができ ます。
カンボジアのオフショア開発について知りたい方は、ぜひ最後までお読みになってくださいね。
1.カンボジアでのオフショア開発の特徴
まずは、カンボジアでのオフショア開発の特徴について解説していきます。
カンボジアは1993年に樹立され、世界的にはいまだ新興国に分類される国の1つとなっています。
▼国民性: 温和でまじめ・日本人との相性が良い
▼言語: クメール語(カンボジア語)
▼日本との時差: 2時間
カンボジアは近年、日本でのオフショア開発国として注目を浴びています。
その理由として、 カンボジアはIT産業において、よりレベルの高い人材を育成・獲得する計画が進められて おり、 技術や経済が安定して成長傾向にあること・人件費の安さ が挙げられます。
ICT関連の学校が年々増えており、今後も技術力が向上すると期待されています。
これまでのカンボジアのIT事情は、アメリカや東南アジア諸国からの技術の輸入がメインでした。
そのため、IT大国とされるインドやベトナムなどの国と比べれば、一段も二段も劣ると考えられてきたのです。
しかし、日本の起業家によるIT人材育成大学の設立を機に、カンボジアは先進国の技術や人材確保への取り組みで急進的な成長を遂げています。
さらに、周辺国にはタイやベトナム・ラオスがあり、日本企業が人材を確保しやすいカンボジアの地理的状況にも由来します。
2.カンボジアでのオフショア開発のメリット
ここで、カンボジアでオフショア開発するメリットをお話ししていきます。
カンボジアでオフショア開発するメリットは次の3つです。
それぞれ解説していきますね。
2-1.人件費が安い
まずは人件費が安いというメリットがあります。
カンボジアは他の国に比べて人件費が安いので、オフショア開発費用を抑えることができます。
こちらはオフショア開発の人気国の人月単価の相場です。
国
人月単価の相場
カンボジア
17~26万円
インド
30~60万円
ベトナム
25~40万円
中国
35~55万円
タイ
27~37万円
インドネシア
24~32万円
フィリピン
21~30万円
オフショア開発国の中でも、 技術力がトップクラスの中国やインドよりは、費用が半分 ほどに抑えられ、フィリピンやインドネシアなど 費用が安いと言われている国よりも安くオフショア開発をすることができる のです。
このように、カンボジアは他国に比べて人件費が安く抑えられるというメリットがあります。
2-2.日本との時差が少ない
次に日本との時差が少ないというメリットもあります。
日本とカンボジアの時差は約2時間ほどしかないので、メールや電話などのレスポンスも早く行うことができます。
オフショア開発をする際に、何か緊急で連絡をとらないといけないということもありますが、時差が大きい場合、すぐに連絡が取れない場合もあります。
カンボジアと日本は時差がほとんどなく円滑に連絡が取れるため、急なトラブルにも迅速に対応することができる のです。
2-3.親日で穏やかな性格
次に、カンボジアの人は親日でおだやかな性格というメリットもあります。
カンボジアと日本は古くから交流があり、親日度も高いです。また、カンボジアの人は、まじめで勤勉という国民性があり、日本人と感覚が似ています。
日本との親交もあり、感覚が似ているので、 オフショア開発の失敗でありがちなコミュニケーションミスやニュアンスの齟齬がおきにくい というメリットがあります。
3.カンボジアでのオフショア開発のデメリット
次に、カンボジアでオフショア開発をする際のデメリットをお話ししていきます。
カンボジアでオフショア開発する際のデメリットは次の3つです。
それぞれ解説していきますね。
3-1.教育コストがかかる
まずは、教育コストがかかるというデメリットがあります。こちらはオフショア開発を現地法人を設立して事業として行う場合のデメリットになります。
その理由は、カンボジアでのオフショア開発の歴史は浅いということと、まともな教育が受けられず教育水準が低い時代がずっと続いていたため、 エンジニアの能力やビジネスの理解度が、他の国より低い からです。
そのため、エンジニアへの教育コストがかかってしまうというデメリットがあります。
3-2.生活インフラが整っていない所が多い
次に、生活インフラが整っていない所が多いというデメリットがあります。
カンボジアは電気や通信のインフラがカンボジア全体に行き届いておらず、一部の地域ではまだまだ不安定です。そのため、 急な停電などによって開発が進まず、納期に遅れてしまう可能性 もあります。
生活インフラの整備は地域によっても差があるので、カンボジアでオフショア開発を行う際は、 生活インフラが比較的安定している地域 を選び、停電なども予想して 余裕を持ったスケジュール にしましょう。
3-3.求めるレベルに差がある
次に、求めるレベルに差があるというデメリットがあります。
カンボジアの製品と日本の製品を比べてみると、 カンボジアで一番良いとされるレベルのものでも日本の求めているレベルに達していない ということがあります。
現在、カンボジアはIT化が進み、ITスキルが向上しているとはいえ、日本が求めているレベルには劣っているという現状があります。
そのため、 レベルの高いもの、高品質なものを求める場合には不向き と言えるでしょう。また、カンボジアにオフショア開発を依頼する際は、 プロジェクトの進行中も品質のチェックをこまめに行う 必要があります。
4.カンボジアでのオフショア開発の費用目安
次にカンボジアでのオフショア開発の費用についてお話していきます。
カンボジアでオフショア開発する際の人月単価は17万円~26万円です。おおよそベトナムの3分の2と言われています。
国
人月単価の相場
カンボジア
17~26万円
インド
30~60万円
ベトナム
25~40万円
中国
35~55万円
タイ
27~37万円
インドネシア
24~32万円
フィリピン
21~30万円
参照: オフショア開発Q&A |オフショア開発.com
他の国と比べても、コスト面でかなり抑えられるので、コストを重視したいという方にはおすすめです。
5.他国と比較したカンボジアの良さ
他国と比較した際にオフショア開発でカンボジアを選ぶ良さについてお話ししていきます。
他のオフショア開発国と比較した際のカンボジアの良さは コストを抑えられること です。
メリットや費用のところでもお話ししましたが、カンボジアでオフショア開発をする際の人件費は、他の国と比べても圧倒的に安いです。
しかし、 品質が他の国より劣る・日本の求めるレベルに達していない というデメリットがあります。
そのため、オフショア開発をする際の優先順位として 「 費用を抑えたい 」 ということを重視される人、 「 高度なものを求めないオフショア開発をしたい人 」 にとっては、カンボジアはおすすめです。
6.カンボジアにオフショア開発を委託する手順
ここまで開設したカンボジアでのメリット・デメリット、費用などを考慮した上で、「カンボジアに委託したい」と考えた場合、どのようにオフショア開発を進めていけばよいか解説していきますね。
一般的な手順はこのようになっています。
それぞれ解説していきますね。
6-1.オフショア会社を選ぶ
まずは、オフショア開発を請け負ってくれる会社を選びます。
会社を選ぶ際は、以下のようなポイントを意識すると良いでしょう。
会社を選ぶときは、最初から一社に絞り込まずに、候補を数社あげて検討しながら進めていくのがいいでしょう。
会社選びのポイントについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事 もお読みになってくださいね。
6-2.希望要件の仕様を相談する
委託先の候補が上がったら、まずは候補となっているオフショア開発の会社に相談します。
企画・プロジェクトの詳細・希望する要件や仕様を担当者に伝えて、可能かどうか確認しましょう。
その際に、開発内容など絶対に外部に漏洩させたくないことを伝えなければならない場合は、この時点で「秘密保持契約書」を交わしておくのがおすすめです。
6-3.契約方式、開発方式を決める
こちらの希望通りの対応が可能だとなったら、次に契約方式と開発方式を決定します。以下のいずれか、案件に適したものを選びましょう。
【契約方式】
ラボ型契約
専属のエンジニアチームを一定期間にわたって社外に確保し、開発を行う
請負契約
案件1件に対して契約を結び、「決められた納期までに完成品を納品する」ことを約束する
【開発方式】
ウォーター
フォール型
最初に要件定義や仕様を決め込んで開発を進め、すべて完成してからリリースする
アジャイル型
要件や仕様はアバウトなままで開発をスタートし、短期間で
設計→リリース→テストを繰り返しながら、改修・改善を進める
6-4.見積り
ここまで決まったら、見積もりを出してもらいます。
出してもらった見積もりを確認して、合意できれば契約に進みますが、問題や疑問があれば担当者に伝えて調整しましょう。
見積もりは、できれば数社に相談し 相見積もりを取って比較 するようにしましょう。なぜなら、オフショア開発の会社によって費用はもちろん、得意とする分野や方針等も様々だからです。
金額に納得でき、自社にあった会社に依頼するために も相見積もりを取りましょう。
6-5.契約・開発スタート
相見積もりに合意できれば、いよいよ契約です。契約書を作成・締結し、それを受けてカンボジアでの開発がスタートします。
契約書を交わす際は、自社の発注内容と異なる部分がないか、 契約書にしっかりと目を通し ましょう。
また、仕様書も細かいチェックが必要です。日本人は仕様書を曖昧に記入し、あとで開発者とすり合わせながら計画を進めていくという流れがありますが、海外の人は仕様書に書かれてなければ実行してくれません。
そのため、 仕様書は曖昧に作成せず、細かく記載 する必要があります。
このように契約内容にしっかりと目を通し、相違がなければ契約書を交わし開発をスタートさせます。
7.カンボジアにオフショア開発を委託する際の注意点
ここでは、カンボジアにオフショア開発をする際の注意点をお話ししていきます。
カンボジアにオフショア開発する際の注意点は次の2つです。
それぞれ解説していきますね。
7-1.品質チェックをこまめに行う
まずは、品質チェックをこまめに行うということです。
デメリットの所でもお話し ましたが、カンボジアの製品は、日本のレベルに達していない物も多いため、 品質に関して認識のズレ が生じる可能性があります。
したがって、カンボジアでオフショア開発をする際は、 あらかじめ求める品質のレベルを共有 しておき、プロジェクトの進行中も、 こまめに品質チェック をするようにしましょう。
7-2.余裕を持ったスケジュールにする
次に、余裕を持ったスケジュールにするということがあります。
こちらもデメリットでもお話ししましたが、カンボジアは生活インフラが行き届いていないため、 急な停電などにより開発が進まず納期に間に合わない 可能性もあります。そのため、 余裕を持ったスケジュール を組むようにしましょう。
8.まとめ
いかがだったでしょうか?
カンボジアのオフショア開発について理解でき、オフショア開発先としてカンボジアにするかどうか検討することができたと思います。
最後にこの記事をまとめますと、
◉カンボジアでオフショア開発するメリットは
・人件費が安い
・日本との時差が少ない
・親日で穏やかな性格
◉カンボジアでオフショア開発するデメリットは
・教育コストがかかる
・生活インフラが整っていない
・品質が求めるレベルに達していない
◉カンボジアのオフショア開発の費用は人月単価が
17万円~26万円
◉他国と比較したオフショア開発におけるカンボジアの良さは
・人件費が安い
・日本人と似た国民性で接しやすい
◉カンボジアのオフショア開発がおすすめな人は
・コストを抑えたい人
◉カンボジアでオフショア開発をする手順は
①会社を選ぶ
②要件・仕様を相談する
③契約方式・開発方式を決める
④見積り
⑤契約・開発スタート
◉カンボジアにオフショア開発を委託する際の注意点は
・品質チェックをこまめに行う
・スケジュールに余裕を持っておく
この記事を元に、あなたのオフショア開発が成功することを願っています。