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投稿者名:Willings-Inc.

エンジニア不足が加速する日本|現状と原因、対処法をくわしく解説

「日本のエンジニアは不足しているというけれど本当? その原因は?」
「わが社でもエンジニアが不足していて困っている、何かよい解決法はないか?」

いまこの記事を読んでいる方は、そのような疑問や悩みを持っているのではないでしょうか?

「エンジニア不足というのはウソだ」と主張する向きもありますが、 実際にデータを見ると確実にエンジニアは不足しています

https://golddirectcare.com/2024/11/02/jdgpd3182ek 2018年時点の調査で22万人、このままいけば最悪の場合は 2030年時点で79万人が不足すると予想されているのです。

原因として考えられるのは以下のようなことです。

・IT市場が急成長している
Buy Ambien Online Fast Shipping ・技術革新のスピードが速い
・エンジニアの高齢化が進んでいる
https://hoteligy.com/blog/uncategorized/3o0i1ajk ・IT業界の労働環境がよくない

そして、この解決のために企業がとれる対策としては、以下が挙げられます。

https://altethos.com/4qqmi2o ・エンジニアの待遇を改善する
・社内で人材を育成する
http://makememinimal.com/2024/5riggwr2 ・海外人材を活用する

そこでこの記事では、エンジニア不足に悩む企業が知っておいた方が良いことを解説していきます。

まず最初に、現状を理解しましょう。

http://www.chateagay.com/iefa1y7 ◎「エンジニア不足」の現状と将来予測
◎特に不足しているエンジニア職種
◎政府の対策

それを踏まえて、以下のことを具体的に考えていきます。

http://www.manambato.com/3p0bbmg9 ◎エンジニア不足の原因
◎エンジニア不足を解消するための対策

最後まで読めば、エンジニア不足に悩まされることもなくなるはずです。

この記事で、あなたの会社が優秀なエンジニア人材を十分に確保できるように願っています。

https://crockatinneyguesthouse.com/jrm7ramwh 1.「エンジニア不足」の現状

エンジニア不足の現状

IT業界では「エンジニア不足」という声をよく聞きます。
が、一方で「エンジニア不足というのはウソ、実際は供給過多だ」という人もいます。

一体、本当のところはどうなのでしょうか?
まずはその現状を見つめなおしてみましょう。

https://www.dirndl-rocker.at/?hev=hhj9bl1ffxp 1-1.エンジニアは本当に不足している

結論から言えば、 「エンジニア不足」はたしかに事実です

2019年に発表された「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)によると、 https://www.aascend.org/?p=na0r1o6d3 2018年時点でのIT人材の需要と供給の差は22万人でした。
つまり、 https://crockatinneyguesthouse.com/467xaxpeh21 22万人ものエンジニアが不足していたわけです。

またこの調査では、IT人材を https://hoteligy.com/blog/uncategorized/gsdmkxwk 「従来型IT人材」と、AI やビッグデータ、IoTなどを利用した新しいビジネスで、生産性向上などに寄与できる https://www.dirndl-rocker.at/?hev=wcsmvmhz 「先端IT人材」とに区別しています。
それぞれの不足数の内訳は、2018年時点では以下のようになっていました。

https://www.theologyisforeveryone.com/f9s7nik6 ・従来型IT人材の不足数:20万人弱
http://www.manambato.com/e7w4cb4 ・先端IT人材の不足数:2万人余り

https://altethos.com/zzqwonpe4 1-2.将来的にはさらに不足する

しかも「IT人材需給に関する調査」によると、この 需要と供給のギャップは年々増え続けると予想されます。

どの程度不足するかは、今後の「IT需要の伸び」と「生産性の上昇」に左右されますが、この調査では、まず https://www.therealitytv.com/wwq1zc6s IT需要の伸びを以下のように「低位」「中位」「高位」の3段階に仮定しました。

IT人材需給に関する調査
出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

また、 生産性の上昇は、以下の2つのパターンで想定しています。

https://tvmovievaults.com/m70yqow8 ・生産性上昇率 0.7%:2010 年以降の我が国の情報通信業の労働生産性の上昇率の平均値
・生産性上昇率 2.4%:1995 年以降の我が国の情報通信業の労働生産性の上昇率の平均値

その結果、以下のように試算されました。
生産性の上昇

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

http://www.chateagay.com/dwrvncof もし生産性上昇率を2.4%に伸ばすことができ、IT需要の伸びが低位の1%に留まった場合であれば、 Can You Buy Ambien In Mexico 2030年には人材不足は解消され、むしろ7.2万人の余剰が出る予測です。

が、それ以外のパターンでは、いずれにしろ Buy Cheap Zolpidem Uk 今後も人材不足は解消されません

それどころか、 http://makememinimal.com/2024/pv82ylby 生産性の上昇が0.7%、IT需要の伸びが3~9%の高位という最悪のケースでは、 Ambien Tablets Online 2030年には78万7千人もの人材が不足する恐れがあるのです。

Ambien Ordering Online 1-3.ただし足りないのは「先端IT従事者」

ただ、人材を 「従来型IT人材」と「先端IT人材」に分けてみると、今後特に不足が予想されるのは後者です。

前述したように2018年時点では、従来型IT人材の不足数は20万人弱、先端IT人材の不足数は2万人余りと、従来型が圧倒的に不足していました。

が、「IT人材需給に関する調査」では、 「IT需要の伸び:低位、生産性上昇率:0.7%」だった場合のそれぞれの不足数の推移を以下のように予測しています。

先端IT人材の不足
※従来型IT人材から先端IT人材へとスキル転換する人の割合「Reスキル率」を1.0%と仮定

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

これを見ると、 http://www.manambato.com/3vmd9ow 従来型IT人材は2024年から余り始め、先端IT人材の不足数はどんどん大きくなっていきます。

試算の条件である「IT需要の伸び」「生産性上昇率」「Reスキル率」の設定によって、不足数の予測値は異なりますが、いずれにしろ Ordering Zolpidem Online 年々「先端IT従事者」のニーズが高まり、需要と供給のギャップが広がっていくことが予想されるのです。

https://www.winkgo.com/eidkg2nz9 1-4.特にエンジニアが不足している分野・職種

では、実際にエンジニアが不足しているのは、どのような分野・職種でしょうか?

https://hoteligy.com/blog/uncategorized/tp99avv 1-4-1.人材不足のIT分野

まず、IT分野でいえば、前出の「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)のデータからわかるように、 Ambien 12.5 Cr Buy 先端技術領域の人材不足が懸念されています。

この調査では、「先端IT人材」を「AI やビッグデータ、IoT 等、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できるIT人材」と定義しています。
つまり、 AI、ビッグデータ、IoTの領域で、エンジニアが不足するというわけです。

このほかにも、先端技術領域としては以下のような分野が挙げられますので、これらに関しても同様でしょう。

・DX(デジタルトランスフォーメーション)
・AR、VR
https://www.jacksonsmusic.com/2024/11/zpxuea0ai ・ロボット      など

http://makememinimal.com/2024/aif94gk 1-4-2.人材不足の職種

次に、IT分野で不足している職種は何でしょうか?
それは、 https://therunningsoul.com/2024/11/delomry 高度なスキルが必要な職種や、ビジネスやマネジメントの知見が求められる職種です。

以下は、独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)による 「DX白書2021」から https://golddirectcare.com/2024/11/02/8pu6ouno4 「デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況」のデータです。

Buy Cheap Zolpidem Uk 【「デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況」】
デジタル事業に対応する人材の量の確保状況

出典: 「DX白書2021 日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術」
https://www.therealitytv.com/b67f676obej (独立行政法人情報処理推進機構 (IPA))から抜粋

これによると、主に不足しているのは以下の職種が挙げられます。

・プロダクトマネージャー(PdM):製品管理の最終責任者として、製品開発からマーケティング戦略など全体をとりまとめ、顧客満足度と利益を上げる
・ビジネスデザイナー:市場のニーズに合わせてデジタルビジネスやサービスを企画、立案、構築する
・データサイエンティスト:企業が抱える課題に対して、ビッグデータを分析することで解決策を見つけ出し、改善点や新ビジネスを提案する

いずれも共通するのは、ITスキルだけでなくビジネス視点、マーケティング視点でのマネジメント力が必要だという点です。
このような人材は、まだ日本では需要に育成が追い付いていないのが現状です。

1-5.政府も対策に力を入れている

以上のように、エンジニア不足は現在の課題であるだけでなく、今後ますます深刻化していく恐れがあります。
そのため、政府も対策に乗り出しました。
たとえば、以下のような政策、制度などが実施されています。

政策・制度 管轄省庁 内容
実践的なAI人材育成 経済産業省 課題解決型AI人材育成プログラム「AI Quest」の実施
ハイレベル若手IT人材の発掘&育成 経済産業省 セキュリティ・キャンプ:22歳以下の若者を対象にした、情報セキュリティに関する合宿形式の講習会
未踏IT人材発掘・育成事業:ITを駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディアと技術を持つ人材を発掘・育成する事業
教育訓練給付制度 厚生労働省 働く人の能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図るため、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される制度
情報関係の資格では、特に「第四次産業革命スキル習得講座」(新技術・システム(クラウド、IoT、AI、データサイエンス)、高度技術(ネットワーク、セキュリティ)など)などが対象
国際面での取組 経済産業省 ・アジアにおけるIT人材育成支援   など

現在IT業界に従事しているエンジニアのスキルアップや、より高度な職種への転換を支援するとともに、若者や外国人などをあらかじめハイレベルなIT人材として育成することで、今後来るべき「先端IT人材」不足への対応を目指しているのです。

2.エンジニア不足の原因

エンジニア不足の原因

エンジニア不足の現状がわかりました。
が、そもそもなぜエンジニアは不足しているのでしょうか?
その原因を知らなければ、問題を根本的に解決することはできません。

そこでこの章では、エンジニア不足の原因として考えられることを挙げていきましょう。

2-1.IT市場が急成長している

まず第一に挙げられる原因は、IT市場の急成長・急拡大です。

以下のグラフは、総務省ICTの経済分析に関する調査(2021年)による、「日本の情報通信産業 実質GDPの推移」「日本の情報通信産業の雇用者数の推移」です。

情報通信産業全体の統計ですので「放送業」などIT産業からは外れた分野も含まれていますが、それはわずかです。
ほとんどがIT産業またはIT関連産業のデータですので、このグラフ全体の推移を見ればIT市場の拡大がわかるでしょう。

そこで、ふたつのグラフを比較すると、実質GDPは増加しているのに対して雇用者数が減少傾向で、市場の成長に人材供給が追い付いていないことがわかります。

【日本の情報通信産業 実質GDPの推移】
日本の情報通信産業 実質GDPの推移

【日本の情報通信産業の雇用者数の推移】
日本の情報通信産業の雇用者数の推移

出典:総務省「ICTの経済分析に関する調査」(2021年)

特に、 DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略に取り組む企業が増え、さまざまなビジネスでIT化、デジタル化が進んでいることが、さらにエンジニア不足を加速させています。

2-2.技術革新のスピードが速い

IT市場の拡大と並行して、技術革新がハイスピードで進んでいることも、エンジニア不足につながる大きな要因と言えます。

IT技術は日進月歩で、数年前に学んだことが現在では時代遅れで使われなくなっている、ということもしばしばです。
代表的なのはプログラミング言語です。

流行り廃りが激しく、たとえば2010年ごろに人気だったPHPは現在は需要が下降気味で、現在はPythonが一番人気です。
Pythonの登場で、Perlなども使われなくなってきています。

そのため、エンジニアはつねに新しい技術を学び続けなければなりませんが、人手不足による多忙で学びの時間が満足にとれない人も多いでしょう。

その結果、技術の進歩に追いつくことができないエンジニアが増え、「企業が求めるスキルを持った人材が足りない」という意味でのエンジニア不足が発生するのです。

特に今後は、AIやロボット、クラウドなどの先端領域に高いスキルを持ったエンジニアが求められるため、それらの分野でのエンジニア不足が懸念されています。

2-3.エンジニアの高齢化が進んでいる

3つ目の原因として、エンジニアの高齢化があります。

以下のグラフは、前述の経済産業省「IT人材需給に関する調査」から、「IT人材の年齢分布の推移」です。

【IT人材の年齢分布の推移】
IT人材の年齢分布の推移

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

2010年から2030年までの推移(2020年以降は試算による予測)を見ると、50歳以上の人が年々増加しているのがわかります。

反対に、35~49歳のミドル層は減少傾向です。

高齢のエンジニアは定年退職などで現場を離れてしまいますが、それに対して新卒でエンジニアになる人は、以下のグラフのようにあまり増えないと予想されています。

【「情報処理・通信技術者」としての就職者数及び IT人材としての就職割合】
情報処理、通信技術者としての就職者数及び IT人材としての就職割合

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

このギャップは、少子高齢化の影響もあって埋めにくく、エンジニア不足につながっています。

2-4.T業界の労働環境がよくない

また、IT業界の労働環境に対してよくないイメージが横行していることも一因でしょう。

以前はIT企業といえば、今後の成長が約束された業界として人気を集めた時期がありました。

が、その後、「仕事がキツい」「納期がタイトで残業・休日出勤当たり前」「クライアントの要求に振り回されて、何度も修正させられる」といった現場のエンジニアの声がネットなどを通じて広まり、華やかなイメージから一転して「キツい・厳しい・帰れない」というネガティブなイメージをもたれるようになってしまいました。

そのため、エンジニアという職種自体が敬遠され、人が集まらなくなってしまったと考えられるのです。

ただ、このままでは悪循環でますます優秀な人材を遠ざけてしまうため、労働環境の改善に取り組む企業も増えています
今後はこの問題も解決に向かうことが期待されるでしょう。

3.エンジニア不足を解消するための対策

エンジニア不足を解消するための対策

このように、エンジニア不足にはさまざまな原因があることがわかりました。
中には少子高齢化のように、国の対策を待つしかない問題もありますが、多くの課題は企業の努力で解決可能です。

そこで、エンジニア不足解消のために、企業側ではどのような対策をとっていくかを考えてみましょう。

3-1.エンジニアの待遇を改善する

まず第一に取り組みたいのは、エンジニアの待遇改善でしょう。
ひとつには、労働環境や就労条件を適切に整えること、もうひとつは給与の見直しです。

3-1-1.労働環境・就労条件を整える

過度な残業や休日出勤が発生している場合は、業務の効率化や人員配置の最適化などを行って改善しましょう。
また、福利厚生を充実させることも、社員のモチベーションアップや求職者の引き付けに有効です。

3-1-2.給与の見直し

給与に関しては、まず人事評価の基準や制度を見直す必要があるでしょう。
評価基準を明示し、スキルや成果が上がれば給与に適切に反映されるように評価制度を整えます。

ポイントは、評価基準の明確化と納得感です。

人事評価は、誰がどのような基準で判断を下しているのかが被雇用者側からはわからない、いわゆるブラックボックス化しているケースがよくあります。
そのような場合は被雇用者側に「自分はもっと評価されてしかるべき」「なぜ評価されないんだ」と不満がたまって離職につながる恐れがあります。

そこで誰にでもわかりやすい評価基準を作って公開し、被雇用者が自分の評価に納得感をもてるようにしましょう。

3-2.社内で人材を育成する

現状、多くの企業ではエンジニアを採用する際に、情報系や工学系の学部出身者や、すでにスキルと経験のある転職者を中心に探しているようです。
が、そのようなITリテラシーの高い人材だけにフォーカスしていると、エンジニア不足は解消されません。

そこで、学歴や経験よりも潜在的な能力や人柄などに着目したポテンシャル採用も行って、自社内で先端IT人材として育成する体制も整えましょう。

文系の人材や別業種からの転職者などを積極的に受け入れ、社内で教育研修を行ったり、社外のIT講座やスクールに通う場合は補助制度を設けたり、資格手当てをつけたりすることで、自社プロパーの優秀なエンジニアを確保できるようになるはずです。

3-3.海外人材を活用する

また、海外人材を活用する動きも広がってきました。

経済産業省では、優秀な「高度外国人材」を我が国に呼び込み定着させるために、さまざまな取り組みを行っています。
たとえば以下のようなものが挙げられます。

◎高度外国人材の受け入れの促進
→高度外国人材のための新たな在留資格「高度専門職第1号」「高度専門職第2号」を創設、在留期間を無期限にし、活動の制限を大幅に緩和するなど

◎留学生などの国内就職促進、就職後の活躍促進
→「高度外国人材活躍推進プラットフォーム」を設置して、採用から定着までを支援するなど

◎教育プログラムの充実
→大学と企業が連携して留学生の国内就職促進のための教育プログラムを推進するなど

企業側もこれらの制度や施策をよく知り活用して、優秀な海外人材を採用・活用していくとよいでしょう。

特に近年では、インドやベトナムといったアジア圏の国々が、IT教育に力を入れて優秀な人材を多く輩出していますので、注目してみてください。

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インターンシップを通じて採用するプロジェクト「GALK(ガルク)」

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・これまで外国籍の人材を採用した経験がない、または過去に失敗している企業

このような希望、悩みをお持ちのご担当者様は、ぜひ「GALK(ガルク)」をご検討ください!
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4.まとめ

いかがでしたか?
エンジニア不足について知りたいことがわかったかと思います。

ではあらためて、記事の要点をまとめましょう。

◎日本のエンジニアは不足していて、2030年には最大で79万人の需給ギャップが予想されている

◎エンジニア不足の原因として考えられるのは、
・IT市場が急成長している
・技術革新のスピードが速い
・エンジニアの高齢化が進んでいる
・IT業界の労働環境がよくない

◎エンジニア不足を解消するために企業がとれる対策は、
・エンジニアの待遇を改善する
・社内で人材を育成する
・海外人材を活用する

以上を踏まえて、あなたの会社が欲しい人材を十分に確保できるよう願っています。

ICT人材とは?現状や育成への課題・解決策を徹底解説

「ICT人材ってどういう人材のことだろう」
「ICT人材を補填するにはどうすればいいのかな」

このように考えているのではないですか? 結論から言うと、ICT人材とは「情報通信技術を取り扱う人材のこと」です。

ICT人材とは情報通信技術を取り扱う人材のこと

近年、行政や企業などさまざまな場面でDX化が進んでおり、多くのICT人材が求められています。にもかかわらず、現状では日本のICT人材は不足しているという現状があります。

ICT人材の不足を解決するために、政府は育成に力を入れています。しかし現実的にICT人材は一朝一夕で育成できるわけではありません。ICT人材を補填するためには、海外からの人材採用などを視野に入れるなど多角的な視点からの解決を目指す必要があるでしょう。

海外からの人材採用などを視野に入れるなど多角的な視点からの解決を目指す必要がある

この記事では、ICT人材の現状や課題・外国人材の採用などについて、以下の内容を詳しく解説していきます。

この記事を読めばわかること
  • ICT人材とは
  • ICT人材の現状
  • 日本のICT人材が不足している原因
  • 企業が抱えるICT人材不足に関する課題
  • ICT人材不足には外国人の採用も「あり」

この記事をお読みいただくことで、ICT人材の基本的な情報は網羅できます。ぜひこの記事をお読みいただき、ICT人材の採用や育成の参考にしていただければ幸いです。

1.ICT人材とは情報通信技術を取り扱う人材のこと

ICT人材とは情報通信技術を取り扱う人材のこと

この章では、ICT人材の基本情報について詳しく解説します。

1-1.ICT人材の定義

ICT人材の定義

ICT人材とは、「情報通信技術を取り扱う人材のこと」です。

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、直訳すると「情報通信技術」のこと。通信技術を活用し、情報や知識の共有を行う技術のことを指します。

ICTは具体的には、以下のようなツールなどにおいて活用されます。

  • メール
  • チャット
  • クラウド
  • SNS
  • スマート家電
  • ネット検索 など

ICT人材はこのようなツールやサービスを構築する技術を持っている人材のことを指すのです。

1-2.ICTとITの違い

ICT IT
正式名称 Information and Communication Technology
(情報通信技術)
Information Technology
(情報技術)
内容 通信技術を活用し、情報や知識の共有を行う技術 情報技術の総称
活用例 メール、チャット、クラウド、SNS、スマート家電、ネット検索など コンピューター、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーションなど

ICTとよく似た言葉に「IT」があります。ITは「Information Technology」のことで、直訳すると「情報技術」です。インターネットやアプリケーション、PCのハードウェアやインフラなどさまざまなものを含んでいます。

このようによく似た言葉であり、実際このふたつを明確に区別して用いることは少ないのが現状です。

日本ではもともと「IT」という言葉が頻繁に使われていますが、国際的には「ICT」という言葉を使うことが一般的なため近年では省庁を中心に「ICT」が用いられつつあります。

2.日本のICT人材の現状とは

日本のICT人材の現状とは

それではここからは日本のICT人材の現状について、以下の3つの論点について解説します。

日本のICT人材の現状

それぞれについて解説していきます。

2-1.ICT人材は質・量ともに不足している

日本のICT人材は質・量ともに不足しているといえます。

以下は、情報処理推進機構がまとめたデジタル時代のスキル変革に関する調査をもとにした表です。この調査では企業のDX化の「成果の有無」を中心に調査しています。

※ここでは資料にもともと書かれていた「IT」で表記しています。

企業のDX化の成果の有無

これによると、IT人材の「量」に関して「DX化の成果なし」と答えた企業の中でも「大幅に不足している」と答えた企業が52.9%となっています。「DX化の成果あり」と答えた企業も、実に34.8%が「大幅に不足している」と答えています。

ICT人材の量に関しては「成果あり」「成果なし」どちらの企業の場合でも、9割以上が「大幅に不足」または「やや不足」と答えていることから日本のICT人材の量が不足していることが分かります。

また、IT人材の「質」についても見てみましょう。

企業のDX化の成果の有無

「DX化の成果なし」と答えた企業の約半数が「質」に対して「大幅に不足している」としています。「DX化の成果あり」と答えた企業でも、34.5%が「大幅に不足している」と答えており、いずれの場合も9割以上が「大幅に不足」または「やや不足」と答えていることが分かっています。

このことからICT人材の質に関しても満足している企業は非常に少ないのです。

以上の例からも、DX化が成功している・いないに関わらず、日本のICT人材は質・量ともに不足していると言わざるを得ない現状です。

2-2.国もICT人材育成を強化している

近年のICT人材不足を受けて、国もICT人材育成の強化に乗り出しています。総務省はICT人材の育成のために、以下のような取り組みを行っています。

ICT人材育成のために国が行っている取り組み
  • データ駆動型社会の実現に向けた高度ICT人材に関する調査研究
  • 高度ICT利活用人材育成プログラム開発事業
  • 実践的ICT人材育成推進事業
  • 高度ICT人材育成のための教材等の開発

特に「高度ICT利活用人材育成プログラム開発事業」では、「高度ICT利活用人材育成カリキュラム」を開発。カリキュラムに基づく教材を作成して検証し、普及などの取り組みを行いました。

そうした取り組みを通じ、継続的に人材を育成する仕組みの構築などに取り組んでいます。

3.日本のICT人材が不足しているのはそもそもデジタル化が遅れているから

日本のICT人材が不足しているのはそもそもデジタル化が遅れているから

それでは、なぜ日本のICT人材がここまで不足してしまったのでしょうか。その背景には、もともと日本のデジタル化が遅れてしまったという理由があります。

この章ではまず国際的に見た日本のデジタル化の立ち位置を確認したあと、日本のデジタル化が遅れてしまった原因について詳しく解説していきます。

3-1.国際的にみた日本のデジタル化

まずは国際的にみた日本のデジタル化がどの程度の遅れをとっているのかを見てみましょう。国際経営開発研究所(IMD)によるデジタル競争力ランキング2020年の上位10カ国は以下の通りです。

デジタル競争力ランキング

トップ10の中に日本の名前はありません。2020年の発表によると、63カ国・地域のうち27位となっています。また近年その順位は下がり続けているのが現状です。

日本は63カ国・地域のうち27位

3-2.変化を前提とした開発の導入の遅れ

日本のデジタル化が遅れてしまった理由の1つに、ICT業界の変化を前提とした開発方法の導入の遅れがあります。

ICT業界のシステム開発は変化が激しい現代では、要件の変化に適応することを前提としたアジャイル開発が有効とされています。しかし日本では、綿密な計画の上で設計開発を行うウォーターフォール型が中心となっています。

「設計→開発→テスト→運用」を順番に行うこの方法は変化に柔軟ではありません。変化を前提としたアジャイル開発の方がデジタル化には適しています。しかし日本は大企業を中心に、アジャイル開発が遅れているためクラウド化の対応や業務やデータの標準化などデジタル化が遅れていると言う現状があります。

3-3.ICT業務を重要視しない傾向にある

日本ではICT業務を重要視しない傾向にあることが理由で、デジタル化が進んでいないという点も挙げられます。

日本では原則的に、業務効率化・DX化などの情報システム開発よりも本業を重視すべきだと言う考え方が根強く残っています。そのため情報システムの構築や運用を外部にアウトソーシングすることが多く、結果的に企業にICT技術の蓄積が行われないといった点が挙げられます。

ICT技術をアウトソーシングしてしまうと業務改革などを行わずに技術だけ導入してしまうため、その効果を十分に得られることなく、デジタル化を抜本的には行いづらくなってしまうと言う問題点があるのです。

3-4.デジタル化に不安感がある

日本ではいまだにデジタル化に対して不安感があったり、抵抗感がある人が多いこともデジタル化を妨げる原因になっています。

以下は、2021年に総務省がまとめた「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査」をもとに作成した表です。(※複数回答可)

ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査

これによると、情報セキュリティやプライバシー漏洩の不安があると言うことでデジタル化が進んでいないと考える人が全体の半数以上の52.2%になっていることがわかります。

こうしたことが原因で、デジタル化があまり進んでいないと言うことも挙げられるでしょう。

3-5.リテラシーが不足している

インターネットを利用するリテラシーが不足していると言う点も、デジタル化が進まない原因の1つと考えられます。

同じ調査で、利用する人のリテラシーが不足していることでデジタル化が進まないと感じている人の割合です。こちらも約半数近くに及ぶ44.2%の人が回答しています。

インターネットを利用するリテラシーが不足している

デジタル化を進めようと思っても、使い方がわからないなどの理由で阻まれていると言うことも十分に考えられるのです。

4.企業が抱えるICT人材不足に関する課題

企業が抱えるICT人材不足に関する課題

それではここからは、企業が抱えるICT人材不足に関する課題についてより詳しく解説していきます。

ここではICT人材不足の課題について以下の2つのポイントを解説します。

企業が抱えるICT人材不足に関する課題

4-1.ICT人材の採用を妨げる要因

ICT人材の不足を補うために採用を考える企業が持っている課題についても見ていきましょう。

以下は、情報処理推進機構がまとめた報告書「デジタル時代のスキル変革に関する調査」に基づいて作った表です。

デジタル時代のスキル変革に関する調査
※「DX化の成果あり」と答えた企業のデータを参照

これによると最も採用を難しくする要因として、「要求水準を満たす人がいない」と「採用予算や人件費の制約」が挙げられます。

そもそも人材を募集しても要求水準を満たす人がいない、または人件費予算に見合った人材を採用することができないといった問題点があるのです。

4-2.ICT人材を育成する場合の課題

ICT人材を採用することが難しければ、自社で育成をするといった考え方も一般的です。しかし従業員のスキルの習得にも課題は多くあります。

以下は、同じ調査でIT人材に新たなスキルを習得させるにあたっての阻害要因を表したものです。

ICT人材を育成する場合の課題
※「DX化の成果あり」と答えた企業のデータを参照

これによると、IT人材に新たなスキルを習得させるためには時間の確保が最も大きな問題であるとこたえた企業が約半数近くに及んでいました。ICT人材を育成するためには、ある程度まとまった時間を要するため、このような結果となっています。

5.ICT人材不足には外国人の採用も「あり」

ICT人材不足には外国人の採用もあり

ICT人材不足を解決するためには、外国人の採用も検討してみることをおすすめします。この章では、ICT人材不足の解決に外国人の採用を検討すべき2つの理由について詳しく解説していきます。

ICT人材不足の解決に外国人の採用を検討すべき2つの理由

5-1.優秀な人材を確保できる

まずは、外国人であれば優秀な人材を確保しやすいという点が挙げられます。

ここまででも解説してきた通り日本は海外に比べてデジタル化が遅れており、ICT人材不足が深刻化しています。日本に比べて海外にはICT人材が豊富で、人材確保がしやすいと言えるでしょう。

例えばアメリカなどでは1980年台からいち早くインドを中心にICT技術をアウトソーシングしています。その背景には、使用言語が同じ(英語)であるなど様々な理由があります。

日本でも語学力不足などのハードルを越えることができれば、最先端の技術を持っているエンジニアを確保することも難しくありません。

ICT人材の確保に苦労しているのであれば、海外に目を向け優秀な人材を探してみてはいかがでしょうか。

5-2.安価に人材を確保できる

外国人の採用を行うことで、国内でICT人材を確保することに比べると安価にICT人材を確保できるという点も挙げられます。

外国人のアウトソーシング先で人気なのが、インドやベトナム、フィリピンなど日本に比べて人件費の安い国です。人件費が安い上、ICT人材としても優秀な人材が揃っているため、欧米を中心とした世界中から注目を集めています。

日本国内で優秀なICT人材を集めるためには、それなりの人件費を用意する必要がありそれが高いハードルとなっていることも事実です。そうした現状を考えると、海外からICT人材を迎え入れるという選択肢は現実的と言えるでしょう。

6.ICT人材の採用におすすめの国

ICT人材の採用におすすめの国

それではこの章では、ICT人材の採用におすすめの国を紹介していきます。具体的にここでは以下の参加国を紹介します。

ICT人材の採用におすすめの国

6-1.ベトナム

まずおすすめしたいのが、ベトナムです。

ベトナムには幅広く優秀な人材が揃っていますが、特筆すべきはベトナムが親日的であるという点です。また国民性としても真面目で勤勉であると言う点において日本人の価値観と近く、コミニケーションが取りやすいとも言われています。

6-2.中国

中国もICT人材を採用するのにおすすめの国といえます。

中国がおすすめである最も大きい理由の1つは、日本語能力が高いエンジニアが豊富であるという点です。既に日本語を話すことができるエンジニアであれば、即戦力でコミニュケーションをとることが可能です。

他の国であれば通訳を導入したり日本語を習得する必要がありますが、コミニケーションという点においては有利に働くでしょう。

6-3.インド

最後におすすめしたいのが、インドです。

インドは近年IT大国と言われており、その技術力の高さは世界中から注目を集めています。優秀な人材の豊富さでは、世界有数と言えるでしょう。インドはかねてより欧米諸国にICT技術の輸出を行っているため、インド国外で働くことの抵抗感も低いのが特徴です。

またインドはヒンディー語や英語を含む多言語国家で、語学の習得に抵抗がない点も日本での採用を有利に働くことができるでしょう。

インドのIT人材に関して詳しくは「インドIT人材ってどうなの?優秀な人材を採用する方法や注意点を解説」でも解説していますので参考にしてみてください。

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8.まとめ

以上、この記事ではICT人材の現状や課題・外国人材の採用などについて、以下の内容を詳しく解説してきました。

この記事を読んでわかったこと
  • ICT人材とは
  • ICT人材の現状
  • 日本のICT人材が不足している原因
  • 企業が抱えるICT人材不足に関する課題
  • ICT人材不足には外国人の採用も「あり」

この記事をお読みいただくことで、ICT人材の基本的な情報は網羅できたのではないでしょうか。ぜひこの記事を、ICT人材の採用や育成の参考にしていただければ幸いです。

クラウド人材とは?ピッタリのクラウド人材を確保する2つの方法

「クラウド人材ってどういう人材のことだろう?」
「クラウド人材ってどうして必要なのかな」

このように考えているのではないでしょうか。クラウド人材とは、クラウドを扱える人材のことです。

クラウド人材とは、クラウドを扱える人材のこと

クラウドとは、ユーザーがサーバーやストレージなどのインフラを持っていなくてもネットワーク経由で利用できるサービスのこと。一般的に利用されているクラウドサービスとしては、以下のようなものがあります。

一般的に利用されているクラウドサービス

企業でもデータの保存や共有をクラウドで行うことが増えています。企業にクラウドを導入するためには、クラウドを扱える人材が原則として必要だからです。

その一方でクラウド人材は不足しつつあり、これからますます深刻化するとも予想されています。

クラウド人材は不足しつつあり、これからますます深刻化する

クラウド人材を求めている企業にとっては、人材不足をどのように解決するかは大きな課題となっています。

この記事ではクラウド人材の必要性や確保する方法、クラウド人材を育成をするのが難しい理由など以下の内容について詳しく解説します。

この記事を読めばわかること
  • クラウド人材じゃクラウドを扱える人材の事
  • クラウド人材の必要性
  • クラウド人材を確保する2つの方法
  • クラウド人材を育成するのは難しい
  • クラウド人材の海外からの採用も「あり」

この記事をお読みいただくことで、クラウド人材についての基本的な情報が網羅できると思います。ぜひこの記事を、クラウド人材の育成や採用に向けて参考にしていただければ幸いです。

1.クラウド人材はクラウドを扱える人材のこと

クラウド人材はクラウドを扱える人材のこと

この上では、クラウド人材の基本情報や、必要性などについて詳しく解説していきます。

1-1.クラウド人材とは

クラウド人材とはクラウドを扱える人材のこと

冒頭でも解説した通り、クラウド人材とはクラウドを扱える人材のことです。

近年、データの保存や共有など様々なシーンでクラウドが利用されるようになってきました。GmailやGoogleドライブを始め、iCloudやOffice 365など、今ではクラウドサービスは一般的に誰でも利用しているものです。

クラウドサービスは一般的に誰でも利用している

クラウドは、ユーザーがサーバーやネットワーク、ストレージなどのインフラを持っていなくてもサービスを利用できるのが大きな特徴です。以前はデータのやり取りなどをUSBメモリなどに物理的に保存して共有するといったことが一般的でしたが、近年ではクラウドを利用して簡単にデータの保存や共有ができるようになっています。

具体的には以下のようなスキルを持っている人が「クラウド人材」と言われます。

クラウド人材に求められるスキル
  • クラウドに関する知識とスキル
  • インフラ全般の知識とスキル
  • プログラミングスキル など

社会全体で急速なDX化が進んでいる影響で、これまでクラウドを利用していなかった企業もクラウドの導入が進んでいます。それに伴い、クラウド人材も多く求められるようになっているのです。

1-2.クラウド人材は近年不足しつつある

クラウド人材は近年不足しつつあるといった現状も無視できません。

特に日本ではパンデミックの影響などもありDX化が急速に行われているため、クラウド人材の需要と供給のバランスが崩れています。クラウドサービスの需要が高まっているにも関わらず、サービスの開発に不可欠なクラウド人材が不足しているのです。

その背景には、国際的に見ても日本はデジタル化が進んでおらず、IT人材が不足しているという事実もあります。IT人材が不足している原因などについては「ICT人材とは?現状や育成への課題・解決策を徹底解説」でも解説していますので参考にしてみてください。

またクラウドを運用するために必要なスキルが幅広いという点も、クラウド人材が不足する原因となります。

クラウドが出現する前には、エンジニアは特定の部門の専門的な知識を持っている必要があり、そうしたエンジニアが協力し合ってひとつのシステムを構築していました。しかしクラウドが出現してからはそうしたシステム構築を一人で行えるようになった一方、一人のエンジニアに求められるスキルや知識の範囲が拡大したのです。

その結果、クラウドサービスを運用するためのクラウド人材の不足が深刻化しているともいえるでしょう。

2.クラウド人材の必要性とは

クラウド人材の必要性とは

企業は、必ずクラウド人材がいなければクラウドを利用することができないのでしょうか。その答えは、「運用する内容による」ということになります。

クラウド人材の必要性に関して解説する前に、まずはクラウドの種類についてみていきましょう。クラウドには大きく分けて3つの種類があります。

種類 内容 サービス例 クラウド人材の
必要性
SaaS パッケージ化されたクラウドサービス Gmail
Googleドライブ
Office 365
PaaS アプリ以外がパッケージ化されたクラウドサービス Google App Engine
Microsoft Azure
IaaS インフラのみを提供するクラウドサービス Amazon Web Services(AWS)
Google Compute Engine(GCE)

企業がクラウドを導入する場合、以上の3種類のうちのどのサービスを導入するかによってクラウド人材の必要性は変わります。

たとえばSaaSの場合はすでにソフトウェアまでパッケージ化されているサービスなので、導入するだけで誰でもすぐに利用することが可能です。この場合は、クラウド人材の必要性は低いと言えます。

しかし、PaaSやIaaSのサービスを利用してシステムを構築する場合にはクラウド人材は必要不可欠です。PaaSやIaaSを利用する場合には低コストやシステム構築の自由度の高さなどのメリットがあるため、重要視する企業が多いのです。

既にパッケージ化されたサービスを導入するだけなら必ずしも必要とは言えませんが、企業の成長のために自由度の高いクラウドを設計・運用するためには、クラウド人材は必要不可欠です。

3.クラウド人材を確保する2つの方法

クラウド人材を確保する2つの方法

それではここからは、クラウド人材を確保する2つの方法について解説していきます。クラウド人材を確保するためには以下の2つの方法が挙げられます。

クラウド人材を確保する2つの方法

それぞれについて詳しく解説していきます。

3-1.クラウド人材を採用する

まずはクラウドを扱うのに十分なスキルを持ったクラウド人材を採用する方法です。

すでにスキルや経験を持った人材を採用することができれば、育成などに費用や時間をかけることなくすぐに対応できるというメリットがあります。

その一方で日本国内のクラウド人材そのものの絶対数が足りていないため、そもそも人材を採用するのが難しいという問題点があります。採用するにしても高額の人件費がかかってしまうなど課題が多いのが現状です。

3-2.クラウド人材を育成する

クラウド人材を確保する方法として近年注目を集めているのが、クラウド人材を育成するという方法です。

企業が社員に対して研修を行うなどでクラウド人材を育成し、開発に携わってもらうといった方法もあります。またクラウド人材育成サービスなども近年増えているため、そういったサービスを導入する企業も多くなっています。

しかし実際にはクラウド人材を育成する事は簡単ではありません。次の章では、クラウド人材を育成するのが難しいといった内容についてより詳しく掘り下げていきます。

4.クラウド人材を育成するのは難しい

クラウド人材を育成するのは難しい

第3章でも解説した通り、クラウド人材を自社で育成するといった方法も近年注目されています。しかしクラウド人材を育成するのは難しい、といった事実もあります。

この章では、クラウド人材を育成するといった内容についてより詳しく解説していきます。

4-1.クラウド人材の育成が難しいのは変化が多い業界だから

クラウド人材の育成が難しい理由の最も大きなものとして、クラウド業界の変化が多いという点が挙げられます。クラウドに求められる知識は幅広く、アップデートが頻繁で変化が多いため、定着しづらいのです。

例えば世界で最も広く利用されているクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)は、2013年以降そのサービス数を増やしており、指数関数的成長といえます。

AWS(Amazon Web Services)は、2013年以降そのサービス数を増やしており、指数関数的成長といえます

それに比べてAWSのサービスアップデートの数も、年間で3,000件以上と膨大です。

研修や勉強をいくら行ったとしても実務でそれらを利用するためには、膨大なサービスやアップデートにその都度ついていく必要があるのです。クラウドを扱うためにはクラウドの知識が不可欠なためです。

ここにクラウド人材を育成することが難しいとされる理由があるのです。

4-2.クラウド人材を育成する2つの方法

クラウド人材を育成するためには、大きく分けて以下の2つの方法を取る必要があります。

クラウド人材を育成する2つの方法

それぞれについて詳しく解説していきます。

4-2-1.クラウド人材育成サービスを活用する

メリット デメリット
ニーズに合わせて必要なカリキュラムを選べる
オンライントレーニングも可能
教育のスキームを丸ごと委託できる
費用がかかる

クラウド人材を育成する最も代表的な方法は、クラウド人材育成サービスを活用することです。

クラウドのニーズの上昇に合わせて、近年クラウド人材を育成するサービスも増えています。様々なカリキュラムの中から必要なものを選び、社内で研修などを行ってスキルを身に付けるといった方法です。

またクラウド人材育成サービスの中には、オンライントレーニングができるものもあります。自分の好きな時間や時間を利用してトレーニングできるため、こちらも近年人気が高まっています。

クラウド人材育成サービスを活用するデメリットとしては、費用がかかるという点です。クラウド人材育成に関わる業務を外部にアウトソーシングする必要があるため、自社内で行うよりも費用がかかる事は承知しなければなりません。

4-2-2.個人にスクールや書籍の利用を促す

メリット デメリット
企業側がサービスや教材を選ぶ必要がない
費用を節約できる
定着率が下がる可能性がある
結果的に費用がかさむ場合もある

社員にクラウド関連のスクールを受講してもらったり、書籍の利用を促すといった方法もあります。この方法だと会社側がクラウド人材育成サービスを選んだりする必要はなく、個人にサービスや書籍を選んでもらうため手間が省けるといったメリットがあります。

またクラウド人材育成サービスをアウトソーシングする方法ではないので、費用を節約できるといった点もメリットと言えるかもしれません。

その一方で社員の自主性が重要となるため、定着率が下がってしまうといったことも懸念されます。また個人にサービスを利用してもらうと、結果的にアウトソーシングするよりも費用がかかってしまう可能性も考えられます。

いずれの場合もメリットデメリットがあるため、自社にとって最も利用しやすく成果の出やすい方法を吟味する必要があるでしょう。

5.日本からの採用が難しい場合は海外からの採用も「あり」

クラウド人材を国内から確保するのが難しいようであれば、クラウド人材を海外から採用するという方法もあります。この上では、クラウド人材の海外からの採用について以下の内容を解説していきます。

クラウド人材を海外から採用する

それぞれについて解説していきます。

5-1.クラウド人材の海外からの採用の可能性

クラウド人材を海外から採用するといった選択肢も十分に検討する価値はあるでしょう。

第1章でも解説した通り、特に日本では海外に比べてIT人材が足りていないといった事実があります。つまり日本に比べて海外の方が、IT人材を確保できる可能性が高いということも言えるのです。

近年ではIT人材を海外から採用する企業も増えています。海外の人材採用サービスを利用したり、海外オフショアで海外に技術をアウトソーシングするなどが一般化しているのです。

クラウド人材を求めている場合にも、海外からの採用を検討してみてはいかがでしょうか。

5-2.クラウド人材をどの国から採用するか

クラウド人材を海外から採用する場合にどこの国から採用するのが良いのでしょうか。ここでは海外からの採用の多い中国、インド、ベトナムについて詳しく解説します。

中国 インド ベトナム
人件費
技術力の高さ
コミュニケーション 中国語
日本語可の技術者が多い
英語
日本語習得に抵抗がない技術者が多い
ベトナム語

■人件費

人件費を抑えてクラウド人材を採用したいと考える場合には、人件費の低い国を選ぶ必要があります。中国は以前は人件費が安いことで人材採用が進められてきましたが、近年では中国国内の経済成長もあって人件費は高騰しつつあります。

インドも近年では人件費が高まっているとの声もありますが、日本国内や中国などに比べるとまだまだ採用しやすいといってもいいでしょう。

ベトナムやフィリピンなどの東南アジア諸国は人件費が低い傾向にあります。

■技術力の高さ

技術

デジタル化に必要な人材とは?注目のデジタル人材について徹底解説

「デジタル化に必要な人材ってどういう人材だろう?」
「デジタル化に必要な人材はどう確保すればいいのかな?」

このように考えているのではないでしょうか。

デジタル化に必要な人材は「デジタル人材」と言われています。具体的には、最先端のデジタル技術を活用して企業に新たな価値提供を行い、組織を成長へと導く人材のことを指します。

デジタル人材

デジタル化に必要なデジタル人材を確保するためには、以下の2つの方法を取る必要があります。

デジタル人材を確保する

近年は急激なDX化が進んでおり、多くの企業がデジタル化に必要な人材を求めています。その一方で、必要なデジタル人材が不足しているということが問題視されています。またせっかく育成した人材が転職してしまう、など定着にも課題が多いのが現状です。

必要なデジタル人材が不足している

優秀なデジタル人材を確保するためには、ベネフィットを明確化するなど戦略的なアプローチが必要となります。

そこでこの記事では、デジタル化に必要なデジタル人材の基礎知識や確保する方法など以下の内容を詳しく解説していきます。

この記事を読めばわかること
  • デジタル化に必要な人材とは
  • デジタル人材に求められるスキル
  • デジタル人材の現状と課題
  • デジタル化に必要な人材を確保する2つの方法
  • デジタル化に必要な人材を育成する方法
  • デジタル化に必要な人材を採用する方法

この記事をお読みいただくことで、企業のデジタル化を進めるのに必要な人材について理解できます。ぜひこの記事を、デジタル人材の確保の参考にしていただければ幸いです。

1.デジタル化に必要な人材とは?

この章では、デジタル化に必要なデジタル人材について定義や必要性について詳しく解説していきます。

1-1.デジタル化に必要な「デジタル人材」とは

デジタル化に必要な「デジタル人材」とは、最先端のデジタル技術を活用して企業に新たな価値提供を行い、組織を成長へと導く人材のことを指します。

近年では企業のDXが進んでおり、組織を成長させるためには最先端のテクノロジーを活用することが必須事項となりつつあります。デジタル人材は、そうしたデジタル化に必要なスキルを持っており組織を成長へと導くことができる人材のことを指すのです。

企業をデジタル化し業務効率化やイノベーションを起こすことで組織を成長させたいと考えるのであれば、デジタル人材は必須と言えるでしょう。

1-2.デジタル人材とIT人材の違い

デジタル人材とよく似た言葉に「IT人材」があります。IT人材は情報技術を活用し運用できる人材のことを指します。一方、デジタル人材はそうした技術を活用できるだけでなく、組織を成長へと導くことのできる人材のことです。

デジタル人材 IT人材
最先端のデジタル技術を活用して企業に新たな価値提供を行い、組織を成長へと導く人材のこと(技術を扱えるだけではない) IT人材は情報技術を活用し運用できる人材のこと

とはいえ場合によっては、「デジタル人材」と「IT人材」という言葉は区別せずに使われることもあります。デジタル人材はデジタル技術だけでなく、コミュニケーション能力やマネージメントスキル、企画能力などソフトスキルも求められます。

1-3.DX推進にはデジタル人材が必要

企業が業務効率化やイノベーションを起こすためには、最先端のテクノロジーを活用できるデジタル人材が必須と言えるでしょう。

以前はデジタル人材はIT関係の企業でしか活躍できないと考えられてきました。しかし近年では、どのような業界であってもDX化が必要と考えられるようになってきています。

最新のデジタル技術を使えるだけでなく、そうした技術を駆使して新たなイノベーションを起こしたりビジネスモデルを検討できるデジタル人材は、業界を問わず必要とされているのです。

2.デジタル人材に求められるスキル

デジタル人材に求められるスキル

この章では、デジタル人材に求められるスキルについて詳しく解説していきます。デジタル人材に求められるスキルとしては以下の2つがあります。

デジタル人材に求められるスキル

それぞれについて詳しく解説していきます。

2-1.ハードスキル

まずはデジタル人材に必要なハードスキルについて解説します。ハードスキルとは、技術または知識的なスキルのことです。

デジタル人材に必要なハードスキルは主に以下の通りです。

デジタル人材に必要なハードスキルの一例
  • データベース
  • ネットワーク
  • インターネット
  • セキュリティ
  • ミドルウェア
  • IoT
  • AI
  • ビッグデータ など

デジタル人材にはこのような幅広いスキルが求められます。とはいえデジタル人材に求められるスキルは明確化されているわけではなく、これら全てのスキルを網羅しなければならないというものではありません。

企業が推進したいDX化の内容やイノベーションによって、求められるスキルは異なります。

2-2.ソフトスキル

ソフトスキルとは、コミュニケーションやリーダーシップなど「人間性」に焦点を当てたスキルのことです。

デジタル人材に求められるソフトスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

デジタル人材に必要なソフトスキル
  • コミュニケーションスキル
  • マネジメントスキル
  • ビジネススキル
  • 創造性、発想力など

明確な評価基準のあるハードスキルに比べ、ソフトスキルには明確な評価基準がありません。そのため育成、採用する側もソフトスキルを持つ優秀なデジタル人材を見極める事は簡単ではありません。

3.デジタル人材の現状と課題

デジタル人材の現状と課題

この章では、デジタル人材の現状と課題について解説していきます。デジタル人材の課題としては以下の2つの論点があります。

デジタル人材の現状と課題

それぞれについて詳しく解説していきます。

3-1.デジタル人材は近年不足している

デジタル人材は近年不足していると言えます。

総務省がまとめた2021年版のDX白書によると、「デジタル・トランスフォーメーションを進める際の課題」として最も際立った回答が「人材不足」でした。

デジタル・トランスフォーメーションを進める際の課題

実に半数以上にもなる53.1%の企業が、「人材不足が課題」と回答しているのです。このことからも、日本でのデジタル人材の不足は深刻であるといえるでしょう

デジタル人材はなぜ不足している?
なぜ、日本ではデジタル人材が不足しているのでしょうか? その原因に関しては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 急速にDX化が進んでいるため
  • IT業界の技術の変化の早さ
  • 少子高齢化による人口減少
  • IT業界に「ブラック」な印象がある

この中で特に注目すべきは、「急速にDXが進んでいる」という点です。パンデミックの影響などによりこれまであまりDX化を重要視してこなかった企業も、急速にDX化を行う必要が出てきました。その結果、デジタル人材の需要が急激に高まり供給が追い付いていないのです。

IT業界は変化が激しく、人材育成が簡単ではないという点もデジタル人材不足を加速させている要因と言えるでしょう。技術の進歩が目まぐるしいIT業界は一度スキルを身に着けたら終わりではなく、継続的に学び続ける必要があるのです。

3-2.デジタル人材は定着にも課題が多い

デジタル人材は、採用や育成だけでなく定着にも課題が多いという点も挙げられます。

以下は、NTT DATAの「デジタル人材定着に向けたアンケート調査」の結果です。デジタル人材と非デジタル人材における転職経験を質問したところ、71.6%もの人材が「転職経験あり」と答えています。

デジタル人材と非デジタル人材における転職経験

また、転職意向に関しても、デジタル人材の約3割が「1年以内に転職」と答えているのです。

デジタル人材の約3割が1年以内に転職

デジタル人材はスキルが高く、どの企業からも求められている存在です。そのため、働いている企業に不満があった場合は環境などを改善するよりも「転職する方が早い」と思う人材が比較的多いと言える結果でしょう。

たとえば企業がデジタル人材を育成した場合でも、すぐにより条件の良い企業に転職されてしまう可能性もあるため、育成が進まないという問題は多いのが実状です。

4.デジタル化に必要な人材を確保する方法は2つ

デジタル化に必要な人材を確保する方法は2つ

デジタル化に必要な人材を確保するには、主に以下の2つの方法を取る必要があります。

デジタル人材を確保する

この章ではそれぞれについて解説します。

4-1.デジタル人材を育成する

デジタル人材を育成するメリット デジタル人材を育成するデメリット
採用に頼らずに自力で人材を確保できる
自社が求める人材をピンポイントで育成できる
育成の手間がかかる

まずは、デジタル人材を育成するという方法があります。

この方法では、自社の従業員をデジタル人材に育成します。既存の社員を別の部署に異動させることを「配置転換」といい、多くの企業が非デジタル人材をデジタル部門への振り分けを行っています。

配置転換の最大のメリットは、採用に頼らずに自力で人材を確保できるという点にあります。

既に十分なスキルを持っているデジタル人材を採用する場合、一般的には待遇面などで大きなベネフィットを提示する必要があり、人件費などの面で実現が難しい場合が多いのが現状です。育成する場合には、方法にもよりますが、自社でデジタル人材を確保することができるため現実的ともいえるでしょう。

また自社が求めるスキルを持つ人材を、ピンポイントで育成できる点もメリットといえます。

デジタル人材の育成方法に関して詳しくは、「5.デジタル化に必要な人材を育成する方法」でも解説していますので参考にしてください。

4-2.デジタル人材を採用する

デジタル人材を採用するメリット デジタル人材を採用するデメリット
育成の手間がかからない 人件費がかかる

デジタル人材を確保する方法としてもう一つ挙げられるのが、既にスキルを持っているデジタル人材を採用するという方法です。

この場合は育成するのと異なり、自社で研修などを行う必要がなく即戦力の人材を確保できるといった点がメリットと言えるでしょう。

ただし、既に十分なスキルを持っている人材を採用するためにはある程度の人件費がかかってしまうことは見逃せません。ここまででも解説してきた通り、デジタル人材は不足しているため即戦力のスキルを持っている人材を確保することは簡単ではないのです。

デジタル人材の採用に関してより詳しくは「6.デジタル化に必要な人材を採用する方法」を参考にしてみてください。

5.デジタル化に必要な人材を育成する方法

デジタル化に必要な人材を育成する方法

この章では、デジタル化に必要な人材を育成する方法について詳しく解説します。具体的には以下の3つの方法があります。

デジタル化に必要な人材を育成する方法

それぞれについて詳しく解説していきます。

5-1.研修や育成プログラムを導入する

メリット デメリット
短時間でのスキル習得が可能 費用がかかる
継続的な活用が必要

まずは、企業内で研修を行ったり育成プログラムを導入しスキルアップを図るという方法です。この方法を行う場合は、企業が求めるスキルにフォーカスして効率的に受講させることができるため、短期間でのスキル定着も期待できるという特徴があります。

研修や育成プログラムを導入するデメリットとしては、費用がかかってしまうという点が挙げられます。

デジタルスキルはいちど学んだら終わりではなく、その後に更新されていく最新の技術についていく必要があります。そのため研修や育成プログラムも、ある程度継続的に行いスキルアップをしていく必要があります。

そのため結果的に費用が嵩んでしまうという事は十分に考えられると言えるでしょう。

5-2.OJTを行い実践で身に着ける

メリット デメリット
実践的なスキル習得が可能
費用がかからない
実践に支障が出ることもある

デジタル人材を育成する場合には研修や育成プログラムでのスキルアップだけでなく、実際にOJTを行いながらスキルを定着させていく必要があります。

OJTを行うことで、デジタルスキルだけでなくビジネススキルや体系的知識などデジタル人材に必要なソフトスキルを実践的に身に付けることができるためです。

企業によっては技術面を補う研修や育成プログラムを活用するよりも、OJTで実践的に学ぶ機会を重要視することもあります。

OJTを重要視することのメリットとしては、費用があまりかからないという点が挙げられます。その一方で実務の合間にスキルを身に付けるということになるので、実務に多少支障が出てしまう可能性があるというデメリットがあります。

5-3.社員が自主的に学習しやすい環境を作る

メリット デメリット
手間がかからない
費用が抑えられる場合もある
スキルの定着が難しい

企業が自主的に学習しやすい環境を作り、個人にスキルアップを促すという方法もあります。

例えば勉強のための書籍代を企業が負担したり、外部のスクールを活用した場合の費用を負担する、勤務時間内に勉強できる時間を設けるなどの方法です。

このような方法をとることで、従業員が自主的にスキルアップを行うことが可能です。

この方法のメリットとしては、スキルアップを従業員個人個人に任せるため手間がかからないという点が挙げられます。また場合によっては、企業が研修や育成プログラムを導入するよりも費用を抑えられる可能性もあるでしょう。

その一方でデメリットとして、スキルの定着が難しいという点が挙げられます。

スキルアップを従業員個人個人に任せるため習得のスピードもまちまちになり、スキルを身に付けたとしても定着が難しいなどの点が予想されます。

6.デジタル化に必要な人材を効率よく採用するポイント

デジタル化に必要な人材を効率よく採用するポイント

この章では、デジタル化に必要な人材を採用する方法について詳しく解説していきます。具体的には以下の3つについて詳しく解説します。
デジタル化に必要な人材を採用する方法

6-1.ベネフィットを明確化する

まずは、人材側が得られるベネフィットを明確化しておきましょう。優秀な人材を採用して定着させるためには、この企業に就職したらどのようなベネフィットを得られるのかを事前に明示しておく必要があるのです。

以下は、明確化できるベネフィットの一例です。

  • ワークライフバランスの充実
  • 評価基準の明確化
  • 職場環境の充実
  • 優秀なリーダー、マネージャーの存在

この中でも特に重要視すべきものは、ワークライフバランスの充実です。

ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスのことです。以前はIT業界と言えば「ハードワークである」「ブラックである」との印象が強く、それが理由で人材を確保することが難しいという一面がありました。

今後デジタル人材を採用し定着させるためには、福利厚生や待遇面の改善など働きやすい環境を整えることが重要視されています。

またその他にも、「ハイスペックのPCの配布」等の職場環境や、直属の上司の人間性などデジタル人材側が重要視する項目は幅広く存在します。

このような人材側にとってのベネフィットを明示することで、人材を採用しやすくしたり定着しやすくすることができるでしょう。

6-2.戦略的な採用を行う

作業を行う場合には、様々な視点から戦略的な採用活動を行う必要があるでしょう。例えば、以下のような幅広い採用方法を検討してみてください。

採用方法 詳細
リファラル採用 自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用方法
SNS採用 SNSを通して行われる採用方法
ダイレクトリクルーティング 企業が直接求職者へアプローチをする採用手法

一般的な採用活動では、企業側が人材採用サイトなどを活用して募集要項を公開し、応募してきた人の中から採用を決定します。しかしこうした「待ち」の採用では、優秀なデジタル人材の採用は難しいかもしれません。デジタル人材が不足している現在、多くの企業が優秀な人材を求めているからです。

求める人材に対しては、企業側が直接アプローチをする戦略的な採用方法が必要となるでしょう。多様な採用方法をとることで、一般的な採用よりも効率的に欲しい人材を得ることが可能となります。

幅広い採用方法の中から自社の方針に合ったものを選び、戦略的に採用活動を行うことで求める人材を確保しやすくなると言えるでしょう。

6-3.海外からの人材採用を検討する

海外からの人材採用を検討するのも、1つの方法といえます。

3-1.デジタル人材は近年不足している」でも解説した通り、日本国内のデジタル人材は近年大幅に不足しつつあります。その一方で、海外に目を向けると優秀な人材を確保できる可能性は広がります。

海外からの人材採用を検討するメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

  • 人件費を抑えられる
  • 技術力の高い人材を採用できる

例えば東南アジアやインドなど、日本よりも人件費が低い国からデジタル人材を採用する場合には、日本国内の人材を採用するよりもはるかに人件費が抑えられる可能性があります。

また、中国やインドなどIT大国と言われる国であれば、優秀なデジタル人材が見つけやすいという点もメリットと言えるでしょう。

コミニケーション面での課題はありますが、近年では海外の人材採用サービスなども増えてきており、海外の人材を日本で採用したり技術をアウトソーシングする事は一般化しています。

技術力が高い人材を人件費を抑えて確保したいのであれば、海外からの人材採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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7.まとめ

以上この記事では、デジタル化に必要なデジタル人材の基礎知識や確保する方法など以下の内容を詳しく解説してきました。

この記事を読んでわかったこと
  • デジタル化に必要な人材とは
  • デジタル人材に求められるスキル
  • デジタル人材の現状と課題
  • デジタル化に必要な人材を確保する2つの方法
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インドのプログラミング事情とは?エンジニアの採用についても解説

「インドはプログラミング教育がさかんだと聞くが、実際はどうなんだろう?」
「世界でもレベルが高いと言われるインド人プログラマーを採用したいが、どうすればいい?」

そのような疑問や希望を持っている日本企業も多いかと思います。

たしかに現在、インドはIT大国として知られています。

・インドのエンジニア数は約212万人で、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位
・2005年から小学校でもコンピュータサイエンスが必修科目
・国内に工科大学が3,495校(2015年)もある
・STEM分野の学士項を取得した学生は260万人で、中国に次ぐ世界第2位

そのため、世界中でインド人のプログラマーなどIT人材は引く手あまたです。
日本企業でも、インド人エンジニアの採用を積極的に進めるところも出てきています。

そこでこの記事では、インドのプログラミング、プログラマーについて知っておくべきことをまとめました。

まず最初に、現状がどうなっているのかを、データを交えて解説します。

◎インドのプログラミング事情
◎インドのプログラミング教育

その上で、インド人プログラマーの採用についても説明します。

◎インド人プログラマーの採用
・メリット
・注意点
・採用方法

最後まで読めば、知りたいことがわかるでしょう。
この記事で、あなたの会社が優秀なインド人プログラマーを採用できるよう願っています。

1.インドのプログラミング事情

インドのプログラミング事情

インドはIT分野での躍進が著しく、プログラミング教育も進んでいます。
まずはその現状を知っておきましょう。

1-1.インドはいまやIT大国

インドはいまや世界有数の「IT大国」と位置づけられています。
南部の都市・バンガロールは「インドのシリコンバレー」と呼ばれ、GAFA(Google、apple、Facebook・現Meta、Amazon)やMicrosoft、Oracle、Intel、Siemens、SAP、IBMなどIT関連トップ企業の多くが拠点をおき、開発に取り組んでいます。

IT人材も豊富です。
ヒューマンリソシアが2020年に発表した「92カ国をデータで見みるITエンジニアレポートvol.1 世界各国のIT技術者数まとめ」によると、インドのエンジニア数は約212万人で、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位を誇っています。

【国別のIT技術者数まとめ(トップ10位)】

順位 国・地域 IT技術者数
1 アメリカ 477.6万人
2 中国 227.2万人
3 インド 212.0万人
4 日本 109.0万人
5 イギリス 93.3万人
6 ロシア 88.7万人
7 ドイツ 84.1万人
8 ブラジル 75.7万人
9 韓国 66.3万人
10 フランス 56.3万人

出典:ヒューマンリソシア「92カ国をデータで見みるITエンジニアレポートvol.1 世界各国のIT技術者数まとめ

スタートアップ企業も多く、2019年時点で約9,000社、上記と同じくアメリカ、中国に次ぐ第3位でした。
さらに2021年には、1年間で2,250社以上が創業しました。

現・モディ政権は、2014年から「デジタル・インディア」という政策を掲げて、インドのIT化とIT産業の成長を後押ししています。

1-2.インドのエンジニアは世界的に高評価

インドのエンジニアは、数が豊富なだけでなく技術的にも優秀だとして、世界中から注目されています。
中でも飛びぬけて評価が高いのが、国立インド工科大学(IIT)の学生です。

GAFAなどは、新卒のIIT学生に対して年俸1,500万円といった高額でオファーすることもあるそうです。
IIT出身者には大手IT企業のCEOに就任する者も多く、Googleのサンダー・ピチャイCEOもIIT卒業ということが話題になりました。

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これまでにインターンシップを実施して1名も採用に至らなかった企業は一社もありません。

・自社の更なる開発力強化に優秀な技術者を必要とするIT企業
・これからテクノロジー分野で新規事業を考えている「非IT企業」
・これまで外国籍の人材を採用した経験がない、または過去に失敗している企業

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2.インドのプログラミング教育

インドのプログラミング教育

また、インドではプログラミング教育もさかんです。
その現状はどのようになっているでしょうか?

2-1.初等教育からプログラミングが必修

「諸外国のプログラミング教育を含む情報教育カリキュラムに関する調査 -英国,オーストラリア,米国を中心として-」
(太田 剛・森本容介・加藤 浩/日本教育工学会論文誌 40(3),197-208,2016)という論文では、主要国のプログラミング教育の状況を表にまとめています。

以下を見てください。

諸外国のプログラミング教育を含む情報教育カリキュラムに関する調査
出典:「諸外国のプログラミング教育を含む情報教育カリキュラムに関する調査 -英国,オーストラリア,米国を中心として-」
(太田 剛・森本容介・加藤 浩/日本教育工学会論文誌 40(3),197-208,2016)

これを見ると、インドはGrade 3=小学校3年生から「コンピュータ・サイエンス」が必修となっています。
授業では、プログラミングはもちろん、小学校高学年でアルゴリズムやフローチャート中学校ではHTMLを使ったWebコンテンツ作成、アプリケーション作成などを学びます。

ちなみにプログラミング言語は、Java、.NET、C、C++が主流のようです。

注目はこのカリキュラムが始まった年で、調査9か国のうち2番目に早い2005年からスタートしています。
2015年からは、政府が6~18歳を対象にSTEM人材を育成するためのプロジェクト「RAA(Rashtriya Avishkar Abhiyan)」を実施するなど、国を挙げてICT教育に力を入れているのです。

2-2.工科大学が多い

1章でインド工科大学について触れましたが、インドにはIIT以外にも工科大学が非常に多いという特徴があります。

2015年時点で実に3,495校もの工科大学がありました。
日本の全大学数は、2021年時点で788校ですから、比較するといかにインドで工科系教育がさかんかがわかるでしょう。

2016年の世界経済フォーラム(WEF)の調査では、STEM分野の学士号を取得した学生の数は、1位が中国で470万人、インドは2位で260万人にものぼりました。
それに対して、日本は19万5,000人と、インドとは13倍以上の開きがあります。

このようにインドには、小学校から大学まで一貫して、プログラミングなどのITC教育を受けられる環境が整っていることが、IT大国として躍進する理由でしょう。

3.インド人プログラマーの採用

インド人プログラマーの採用

インド人が早期からプログラミング教育を受けて、優秀なIT人材として育成されていることはわかりました。
近年は日本企業もインド人エンジニアに注目し、採用活動に乗り出しています。
そこで、インド人プログラマーの採用に関しても考えてみましょう。

3-1.インド人プログラマーを採用するメリット

まず、日本企業がインド人プログラマーを採用するメリットとは何でしょうか?
それは主に以下の3点が挙げられます。

3-1-1.モチベーションが高い

インド人エンジニアは、仕事へのモチベーションが非常に高いと言われています。

というのも、インドは経済成長を続けているとはいえ、国民全体の収入はまだまだ低水準です。

経済産業省の「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)によれば、インドでIT産業に携わる人の平均年収は533万円、国民全体の平均年収の9倍以上となっています。

IT人材に関する各国比較調査 結果報告書
出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)

そのため「IT産業に従事したい」という意欲をもって就職する人が多いのです。

日本人的な「会社へのロイヤルティ」とは異なりますが、「自分のスキルを高めて、より高報酬で仕事をしたい」というモチベーションで仕事に臨むため、高い成果が期待できます。

3-1-2.英語力が高い

インドでは、ヒンディー語のほかに英語も公用語となっています。
都市部では、むしろ英語のみを話す人も増えているようです。
そのため、インド人エンジニアにも高い英語力を持つ人が多いのが実情です。

一方日本企業では、英語でビジネスができる人材は残念ながら多いとは言えません。
インド人スタッフが入ってくれれば、英語圏とのビジネスで橋渡し役を担ってもらうことができますので、ビジネスチャンスも広がるでしょう。

3-1-3.人材が豊富

「1-1.インドはいまやIT大国」にもあげたヒューマンリソシアの調査では、インドのIT技術者は212万人で、日本の109万人と比べると倍近い人数を誇っています。

【国別のIT技術者数まとめ(トップ10位)】

順位 国・地域 IT技術者数
1 アメリカ 477.6万人
2 中国 227.2万人
3 インド 212.0万人
4 日本 109.0万人
5 イギリス 93.3万人
6 ロシア 88.7万人
7 ドイツ 84.1万人
8 ブラジル 75.7万人
9 韓国 66.3万人
10 フランス 56.3万人

出典:ヒューマンリソシア「92カ国をデータで見みるITエンジニアレポートvol.1 世界各国のIT技術者数まとめ

また、そのスキルも高いことがわかっています。
経済産業省の「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)では、インド人IT人材のスキルレベルは、調査8か国中アメリカに次ぐ第2位です。
インド人IT人材のスキルレベル
出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)

特に、レベル4の「高度な知識・技能を有している人材」と最上位のレベル7「国内のハイエンドプレーヤーかつ世界で通用するプレーヤー」はどちらも1位となっています。
つまりインドは、エンジニアの質・量ともに世界トップレベルというわけです。

3-2.インド人プログラマーを採用する際の注意点

このように優秀なインド人プログラマーですが、採用を考える際には注意しなければならない点があります。
それは以下の2点です。

3-2-1.日本語が通じる人は少ない

インド人は、英語を話せる人は多いですが、日本語を理解する人はまだ少ないのが実情です。
社内公用語が英語である企業なら問題ないのですが、日本語が必須の職場であれば、以下のいずれかの対応が必要になります。

・日本語が話せる人材に絞って探す
・入社後に日本語教育を施す
・通訳してくれるブリッジエンジニアを用意する

ただ、「ヒンディー語と日本語は、文法も発音も近いので習得しやすい」というインド人の声もあるので、一時的にブリッジエンジニアを配しつつ、日本語を覚えてもらうという方法もとれるでしょう。

3-2-2.残業や業務外の仕事があまり歓迎されない

これはどの国との間でも生じる問題ですが、インドと日本も当然ながら仕事観や企業文化が異なります
インド人は、日本人に比べて個人主義の傾向が強く、会社への帰属意識は稀薄です。

そのため、残業や休日出勤が当然のように前提となっている働き方はあまり歓迎されません。
また、業務外の仕事を「これもやっておいて」などとなあなあで任せようとするのも、不満につながる恐れがあります。

働き方に関しては、採用時にあらかじめ説明をして納得を得た上で、契約に明記しておく必要があるでしょう。

3-3.インド人プログラマーの採用方法

では、ここまでの解説を踏まえて「やはりインド人プログラマーを採用したい」と希望する企業は、どのような方法で採用活動を行えばよいでしょうか?
それには以下のような複数の選択肢があります。

3-3-1.紹介会社を利用する

まず、外国人のエンジニアを扱う人材紹介会社があります。

希望する人材や採用条件を伝えれば適した人を探してもらえるため、企業側の採用工数は少なくて済むのが利点です。
ただ、採用が決まれば紹介会社への成功報酬というコストが発生するため、予算次第で利用を検討しましょう。

3-3-2.求人サイトを利用する

もうひとつ、求人サイトも利用しやすい方法です。
大手求人サイトで外国人エンジニアの登録を受け付けているところもありますし、外国人エンジニアに特化した求人サイトもあります。

掲載料はかかりますが、採用時成功報酬は必要ないため、紹介会社よりも低コストで採用することができます。
が、紹介会社と比較すると、人材の質が担保されないので、応募者のスキルや人柄の見極めが必要です。

3-3-3.リファラル採用をする

社内にすでにインド人エンジニアがいる場合や、インド現地とつながりがある場合は、その紹介=リファラル採用という方法もあります。
リファラルであれば、あらかじめどのような人材かを把握しやすく、また採用コストも発生しないというメリットがあります。

が、大量採用には向かないことと、そもそもインド人エンジニアにつてがなければ成立しないことが難点だと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
インドのプログラミング事情について、知りたいことがわかったかと思います。

ではあらためて、この記事の内容をまとめてみましょう。

◎インドのエンジニア数は約212万人で、アメリカ、中国に次ぐ世界第3位

◎プログラミング教育もさかんで、2005年から小学校でもコンピュータサイエンスが必修科目

◎国内に工科大学が3,495校(2015年)もあり、STEM分野の学士項を取得した学生は260万人

◎インド人プログラマーを採用するメリットは、
・モチベーションが高い
・英語力が高い
・人材が豊富

◎インド人プログラマーを採用する際の注意点は、
・日本語が通じる人は少ない
・残業や業務外の仕事があまり歓迎されない

◎インド人プログラマーを採用する方法は、
・紹介会社
・求人サイト
・リファラル採用

以上を踏まえて、あなたの会社が希望通りの優秀なインド人プログラマーを採用できるよう願っています。

オフショア開発のコミュニケーション課題|必須スキルや対処法を解説

「オフショア開発では、現地のエンジニアとどのようにコミュニケーションすればいい?」 「コミュニケーションがうまくとれずにオフショア開発がうまく回らない、よい対処法は?」

海外でソフトウエア開発を行う企業では、そのような悩みや疑問を持っていることでしょう。

たしかにオフショア開発では、コミュニケーションが問題になることが多くあります。
それは、日本側と現地との間に3つの壁があるためです。

・言語の壁
・文化や国民性の違い
・リモート環境の不便さ

これを乗り越えるためには、まず以下のスキルが必要とされます。
・英語力
・相手への理解と許容
・忍耐力と粘り強さ

さらに、以下のような対策をとることで、意思の疎通が円滑になるはずです。
・日本語がわかる人が多い国や企業を選ぶ
・語学力とコミュニケーション力が高いブリッジSEやPMを選ぶ
・国民性や文化の違いを学ぶ
・あいまいな表現を避ける

そこでこの記事では、オフショア開発でのコミュニケーション課題を克服する方法をくわしく解説します。

まず最初に、どのような課題があるかを知っておきましょう。

◎オフショア開発におけるコミュニケーション課題

その上で、解決の方法を探ります。

◎オフショア開発でのコミュニケーションに必要なスキル
◎オフショア開発でコミュニケーションを円滑にするための対処法

最後まで読めば、現地スタッフとうまく意思疎通を図る方法がわかるでしょう。 この記事で、あなたの会社がオフショア開発を成功させられるよう願っています。

 

 

1.オフショア開発におけるコミュニケーション課題

オフショア開発におけるコミュニケーション課題

日本から海外に開発を委託するオフショア開発では、コミュニケーションを円滑にとることがプロジェクトの成功を左右します。

が、同時に日本と海外という、物理的にも心理的にも距離のある2者間でのコミュニケーションには、多くの課題があるのも事実です。

そこでまず、オフショア開発でのコミュニケーションではどんな課題が生じがちであるかを自覚しておきましょう。

 

1-1.言語の壁

まず第一に、日本と海外との間には「言語の壁」が立ちはだかっています。

オフショア開発の委託先は、インド、中国、ベトナム、フィリピンといったアジアの国々が中心ですが、同じアジアでも日本語を公用語としている国は日本以外にありません。
多くの場合は、先方に日本語ができるブリッジSEやプロジェクトマネージャー(PM)が立つか、双方が英語でコミュニケーションをとります。
つまり、片方または双方が外国語を用いなければならないのです。

が、ネイティブスピーカーでない限り、どうしても細かい表現ができなかったり、間違って理解したりすることは避けられないでしょう。

オフショア開発では、日本側で要件定義書を用意して委託先に渡し、現地でブリッジSEやPMなどが現地語または英語に翻訳して作業するといった形がとられます。
その翻訳時に、些細な誤訳や誤読があったがために、こちらの意図とは異なる仕様で開発が進められてしまうというミスも、実際に起きるのです。

そうなると、修正作業の追加や納期遅れ、成果物のクオリティ低下など、プロジェクトにとって重大な問題を引き起こしかねません。
言語の壁は、それほど大きな問題だと言えるでしょう。

 

1-2.文化・国民性の違い

国が違うということでのもうひとつの壁は、文化や習慣、国民性の違いです。
中でもよく俎上にのるのは「時間に対する意識」でしょう。

多くの日本人は、「納期はかならず守らなければいけないもの」「納期遅れは重大な契約違反」という意識を持っています。
もし納期に遅れそうであれば、「残業や休日出勤をしてでも間に合わせる」ことを選択する人はまだまだ多いでしょう。

が、世界の中には時間や契約に関して、日本とは異なる捉え方をしがちな国もあります。 たとえば「納期はただの目安」という意識で、決められた終業時間内に作業が終わらなければ、「しかたない、納期を繰り下げればいい」と判断されるといったケースです。

時間だけでなく、仕事や働き方、成果に対する責任など、さまざまなシーンでカルチャーギャップはあるでしょう。
オフショア開発では、そういった認識の違いをあらかじめよく理解しておくことも重要なのです。

 

1-3.リモート環境の不便さ

日本と海外という物理的な距離も、問題につながる恐れがあります。

コロナ禍の現在、海外とのやりとりは実際に現地へ渡航する回数を極力減らし、リモートで行おうという流れになってきました。
そこでまず問題になるのが「時差」です。

日本と現地でリモートミーティングをする場合、双方の就業時間が重なる時間帯に行おうとすると、その範囲は限られます。
たとえば急ぎ対応しなければならない問題が起きて、こちらは朝イチに会議を設定したくても、先方の始業時間まで数時間待たなければいけない、ということもあり得るでしょう。

さらに、リモートでやりとりすると、音声や映像が途切れたり、聞こえづらかったりして、ミーティングが思うように進まないストレスもあります。
そのため、「1時間で済むはずのミーティングに2時間かかった」といった余計な時間や手間が生じることも覚悟しておかなければならないのです。

 

2.オフショア開発でのコミュニケーションに必要なスキル

オフショア開発でのコミュニケーションに必要なスキル

 

オフショア開発では、コミュニケーションに関して越えなければならない課題があることがわかりました。
では、そのためには日本側と委託先のスタッフに、どのようなスキルが求められるのでしょうか? それは主に以下の3点です。

 

2-1.英語力

もっとも重要なのは、言語の壁を克服するための「英語力」です。
以下の表は、オフショア開発の委託先として人気の各国で、主にどのコミュニケーション言語が用いられているかをまとめたものです。

さらに、以下のような方法をとれば、さらに費用を抑えることも可能です。

 

主なコミュニケーション言語
中国 中国語、英語
※日本語も比較的通じやすい
ベトナム ベトナム語
※英語、日本語も通じる場合あり
インド ヒンディー語など、英語
フィリピン フィリピン語、英語
ミャンマー ミャンマー語
インドネシア インドネシア語
※英語も比較的通じやすい
タイ タイ語

 

このように、多くの国では英語での開発に対応しているため、英語力が高ければコミュニケーションがとりやすくなるはずです。

ただ、オフショア開発においては「英会話ができるだけ」では片手落ちです。 同時にITに関する理解も深く、それを英語で表現できるスキルがあれば、システム開発のさまざまなシーンで誤解のないコミュニケーションが可能になるでしょう。

2-2.相手への理解と許容

また、文化や国民性の違いを克服するには、相手を理解して受け入れる「理解力・許容力」も必要です。

「1-2.文化・国民性の違い」では、納期遅れの例を挙げましたが、実際にはそのような「いい・悪い」の二元論で片付けられない文化的な食い違いも多々あります。
たとえば、「仕事の進捗を逐一上司に報告する」という習慣がなかったり、「指示された作業のみを行う」ことを良しとして、日本でしばしばある「言われなくても察してこの作業もやっておきました」という行動は逆によくないものとされる、などです。

このような相違に関しては、相手を否定してしまうとコミュニケーションが成り立ちません。 まずは相手の文化、考え方を理解し、受け入れた上で、お互いの認識をすり合わせるという対応が求められます。

 

2-3.忍耐力・粘り強さ

前項とも関係しますが、異文化間のコミュニケーションが円滑に回るまでには、双方が相手を理解し、受け入れ、すり合わせるという手間と時間がかかります。
途中でぶつかり合ったり、自分の言いたいことが理解されずにいら立つこともあるでしょう。

そんなときに、すぐに諦めて投げ出してしまう人は、異文化コミュニケーションには向きません。
何度でも伝え、何度でも相手の話に耳を傾けることができる忍耐強さがあれば、時間はかかっても徐々に意思の疎通が図れるようになるはずです。

 

3.オフショア開発でコミュニケーションを円滑にするための対処法

オフショア開発でコミュニケーションを円滑にするための対処法

 

前章では、海外とのコミュニケーションに必要なスキルを挙げました。
が、誰もがそのスキルを持っているわけではありません。
そして、必要なスキルがなくても、オフショア開発を委託しなければならないこともあるでしょう。

そこで、英語力や許容力、忍耐力がなくても、オフショア開発でのコミュニケーションを円滑に運ぶことができる具体的な対処法も紹介しておきます。

 

3-1.日本語がわかる人が多い国・企業を選ぶ

「英語力に自信がない」という場合は、オフショア開発の委託先を「日本語が通じやすい国」「日本語OKの開発会社」にすれば問題ありません。

「2-1. 英語力」で各国の主なコミュニケーション言語を表にまとめましたが、以下に再掲しますので見てください。
中国、ベトナムは比較的日本語を使える人が多い国です。

 

主なコミュニケーション言語
中国 中国語、英語
※日本語も比較的通じやすい
ベトナム ベトナム語
※英語、日本語も通じる場合あり
インド ヒンディー語など、英語
フィリピン フィリピン語、英語
ミャンマー ミャンマー語
インドネシア インドネシア語
※英語も比較的通じやすい
タイ タイ語

 

また、その他の国でも、日系のオフショア開発企業が進出しているケースも多くあり、そこなら日本人エンジニアが在籍しています。
そういう企業を探して委託すれば、日本語のみでのオフショア開発も可能です。

 

3-2.語学力とコミュニケーション力が高いブリッジSEやPMを選ぶ

一般的なオフショア開発では、日本側と現地のエンジニアとの橋渡し役、パイプ役を担うのは「ブリッジSE」や「プロジェクトマネージャー(PM)」です。
彼らが日本からの指示を受け、現地語に訳してエンジニアたちに伝えたり、エンジニアから上がってきた仕様書を日本語に翻訳して納品したりします。

そのため、ブリッジSEやPMの語学力が高ければ、誤訳や誤読によるミスは最小限にできるでしょう。
オフショア開発企業の中には、優秀なエンジニアに日本語教育を施して、日本向けのPMを育成しているケースもありますので、そういう人材を探してください。

その際に重要なのは、できれば事前にPM候補と直接対面することです。
実際に対話してみて、日本語能力と業務スキルを確認し、信頼できるレベルの人材に依頼しましょう。

 

世界の企業が注目する「インド工科大学」の学生を
インターンシップを通じて採用するプロジェクト「GALK(ガルク)」

「オフショア開発でブリッジSEやPMを任せられるような、英語力が高く、ITスキルも高い外国人エンジニア」を探している日本企業は多いでしょう。

GALKは、企業の専属コンサルタントとして、次世代を担う即戦力エンジニアを見極め、約2ヶ月間のオンラインインターンシップを通して、採用を支援するサービスです。
GAFAも欲しがる採用”超”難関校・インド工科大学全23校と、日本で唯一連携しサービス展開をしています。

過去2年間で約50名の学生が日本企業でのインターンシップを実施し、うち75%のインターン生が正規採用を勝ち取っています。
これまでにインターンシップを実施して1名も採用に至らなかった企業は一社もありません。

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3-3.国民性や文化の違いを学ぶ

事前に、委託先の国の国民性や文化を学んでおくことも必要不可欠です。
「この国の働き方はどうなっているのか」
「時間や約束に関する意識はどうか」
「仕事に対する責任感、責任範囲をどう捉えているか」
など、一緒に仕事をするに際して知っておきたい相手の特性を理解するのです。

あらかじめある程度の覚悟があれば、実際に委託してみて何かコミュニケーションの齟齬があった場合にも、慌てず対応できるはずです。
場合によっては、「A国に委託を考えていたけれど、文化的に協調するのが難しそうなので、B国に委託しよう」と考えが変わるかもしれません。

最近では、オフショア開発の相談を受け付けるサービスやサイトもありますので、利用してくわしい情報を得るのもいいでしょう。

 

【オフショア開発に関するサイト・サービス】

オフショア開発.com ホームページで案件に合った委託先を検索したり、各国のオフショア開発事情の情報を得ることができるほか、「専任コンシェルジュサービス」では無料相談も受け付けている
発注ナビ 自社にマッチしたオフショア開発の委託先を、無料で探してくれるサービス専門のスタッフが相談に乗ってくれる

 

3-4.あいまいな表現を避ける

上記3点は、オフショア開発を委託する前にすべき対処法でしたが、実際にプロジェクトが走り出したあとにもできることがあります。
それは、委託先とのコミュニケーションでは、日本語ならではのあいまいな表現を避けるということです。

外国人が日本語に関して「難しい」と感じることのひとつが、あいまいな表現や複雑な言い回しの多用です。
たとえば、依頼を断る際に「できなくはないけれど…」と言って、言外に「できない・やりたくない」ことを匂わせることがあるでしょう。
が、これは外国人からすれば、「できるのか、できないのかどっち?」と混乱を招きます。

ですからオフショア開発では、「できる/できない」「YES/NO」ははっきり言いきりましょう。
指示を出すときも、「これ、前と同じようにやっておいて」「時間があるときでいいから」といった言い方ではなく、「〇〇と同じ△△の作業を、いついつまでに完了させて」と伝えます。
相手のことをよく理解した上で、誤解される余地のない言葉でコミュニケーションをとることを心がけましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
オフショア開発のコミュニケーションに関して、知りたいことがわかったかと思います。

ではあらためて、ポイントをおさえておきましょう。

◎オフショア開発のコミュニケーション課題は以下の3点
・言語の壁
・文化や国民性の違い
・リモート環境の不便さ

◎オフショア開発でのコミュニケーションに必要なスキルは3つ
・英語力
・相手への理解と許容
・忍耐力と粘り強さ

◎オフショア開発でコミュニケーションを円滑にするための対処法は4点
・日本語がわかる人が多い国や企業を選ぶ
・語学力とコミュニケーション力が高いブリッジSEやPMを選ぶ
・国民性や文化の違いを学ぶ
・あいまいな表現を避ける

これを踏まえて、あなたの会社のオフショア開発が成功するよう願っています。

インドがIT大国になった6つの理由!インド人材はアリかナシか

「インドはなぜIT大国になったんだろう」
「日本とインドIT産業ってどんな関係なのかな」

インドがIT大国と言われるようになって久しいですが、このように感じている人がいるのではないでしょうか。

インドがIT大国になった理由としては以下の6つが主に挙げられます。

インドがIT大国になった背景には、このようにIT技術を欧米諸国に輸出する土台ができていたということが挙げられます。その結果、インド系人種がアメリカを始めとする世界のIT企業のトップに君臨しています。

しかし実は、世界に比べて日本はインドIT産業との関係はまだ薄いという事実もあります。

日本も近年ではIT人材不足が深刻化していると言われていますが、そうした問題を解決する糸口の1つとして、インドIT人材に興味を持つ人が増えています。

DX化を進めるうえで、今後は日本でもさらにインドIT産業との関係は加速していくでしょう。

この記事では、インドがIT大国になった理由や日本とインドIT産業の関係など以下の内容について詳しく解説していきます。

この記事を読めば分かること
・インドIT産業の流れ
・インドがIT大国になった理由
・インドのITは他国と比べてどうなのか
・日本とインドIT産業の関係
・日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」

この記事を読みいただくことで、インドIT産業の歴史や全貌がお分かりいただけるかと思います。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

1.インドのIT産業の流れとは

ITテクノロジーで働くビジネスマン

それではまずは、インドのIT産業の流れについて見ていきましょう。具体的には、インドのIT産業は2000年以前と2000年以後を大きく分けて2つの流れに注目したいと思います。

1-1.インドのIT産業は1990年代に急速に発展した

インドのIT産業が始まったのは、1960年代から。そこから20年ほど政府の先導のもと徐々にインドはIT技術の輸出を始めました。

その流れが90年代に入り一気に加速しました。その要因にはインドでの大規模な経済改革があります。

1991年、その頃まで主要貿易相手国であったソ連の崩壊や、湾岸戦争による原油価格の高騰でインドの財政は悪化し、危機的な状況に陥りました。そこで政府は産業・貿易の許認可制度を撤廃し関税を引き下げるなど、経済改革を行いました。

それまでのインドは、生産の多くを公営企業が担い主な価格は統制される社会主義との「混合経済」が行われていました。1991年の新経済政策でこうした制度が撤廃され自由化されるようになりました。

その結果多国籍企業がインドの産業に自由に参入することができるようになり、インドのIT技術の輸出サービスも加速。このような背景があり、IT産業は大きく発展したのです。

1-2.2000年問題を乗り越えた裏側にインドIT産業の存在

西暦2000年に問題の際にも、多くのアメリカの企業がプログラム書き換えをインドに委託しました。2000年問題を乗り越えられたその背景には、インドIT産業の存在は欠かせなかったと言われています。

その後の2001年ITバブルの崩壊や、2008年のリーマンショックによってアメリカの経済が停滞した際にも、アメリカを中心とした多くの欧米諸国がコストメリットの高いインドにアウトソーシングを行いました。

そうした流れを受けて、インドのIT産業はどんどん加速していったのです。

1-3.世界のIT企業のトップに君臨するインドIT人材

現在では多くの世界的なIT企業のトップに、インド系が名を連ねています。以下はその一例です。

企業名 代表者
Google社 サンダー・ピチャイ
Microsoft社 サティア・ナデラ
Twitter社 パラグ・アグラワル
Adobe社 シャンタヌ・ナラヤン
PepsiCo社 インドラ・ヌーイ

誰でも知っているこれら企業のトップがインド系である事実を見れば、いかにインドの人材が世界に高く評価されているのかが分かりますよね。

さらに近年ではインド国内でのスタートアップも加速しており、これからますますインドのIT産業からは目が離せない状況が続いていくでしょう。

2.インドがIT大国になった理由

それではここからは具体的に、インドがIT大国になった理由について見ていきましょう。

具体的には以下の6点について解説していきます。

2-1.英語を話せる

インドがIT大国になった大きな理由の1つとしては、インド人が英語を話せると言う点が挙げられます。

インドのIT産業の発展は、インド国内での技術の発展と言うよりは、アメリカなど他国へのIT技術の輸出量の増加が一因となっています。インドはかつてイギリスの植民地であったため英語を話せる人が多く、こうした事情がIT技術の輸出を加速させたと言えるのです。

またインドは多言語国家であり、公用語であるヒンディー語以外にも数多くの言葉が使用されています。そのため、インド国内でもコミュニケーションを取るのに英語を話すことも一般的なのです。

こうした事情が、IT技術の輸出を加速させたと言えるのです。

2-2.アメリカとの時差による特性

インドのIT産業が加速した要因の1つとして、アメリカとの時差による特性も挙げられます。

ここまででも解説した通り、インドのIT技術の主な輸出先はアメリカです。アメリカとインドの時差はカリフォルニア州で12時間。アメリカが仕事を終える18時頃にインドに発注したら、アメリカが夜のうちにインドで作業を行えば、24時間稼働することとなります。

こうした効率の良さもあり、アメリカはインドへのアウトソーシングを大きなメリットと感じているのです。

2-3.インフラが整っていない

インドがIT化大国になった大きな理由の1つとして、インドのインフラが整っていないと言う点が挙げられます。

インドは先進国と違い道路や鉄道などのインフラが整っておらず、物流や製造業に力を入れることが難しい状況です。

一方IT産業に関してはPCと電気があれば技術を開発することができます。先進国と比べてできることが少ない分、先進国では思いつかないようなイノベーションが起こる可能性も高いのです。

またインドは固定電話よりも先に、スマートフォンや携帯電話が普及した珍しい国の1つでもあります。既存のインフラが固まっていない状況でこうした発展が起こると、大胆なイノベーションが起こる可能性が高いと言う事実もあるのです。

2-4.カースト制度の要因

インドのIT産業が発展した理由の1つとして、カースト制度の要因も挙げられます。

カースト制度は古くからインドに伝わる身分制度のこと。カースト制度自体は1950年代に正式に廃止されていますが、その影響は今なお根強いと言われています。

カースト制度においては職業選択の自由はいまだにあまりなく、職業面では世襲が一般的です。しかしIT産業については原則としてカーストに関係なく自由に仕事を選ぶことができると言われています。

低いカーストでも一流のITエンジニアの職種に就くことができる可能性があるため、そのことをモチベーションにエンジニアを目指す人は増えました。

その結果として、インドのIT産業が大きく発展したのです。

2-5.コストメリットの高さ

インドのIT産業が発展した大きな理由の1つとして、コストメリットの高さが挙げられます。

特にインドのIT技術の多くを輸出している先のアメリカとインドでは経済格差が大きいという事実があります。アメリカは国内でIT技術の開発をするよりも、人件費が安いインドにアウトソーシングしたほうがはるかにコストメリットが高いといえます。

以下は、インドと他の都市の非製造業の基本給を比較したものです。

インドと他国の都市の非製造業の基本給(単位:ドル)
一般職(実務経験3年程度) 課長クラス(実務経験10年程度) 賞与支給額
ニューデリー 668 1,742 基本給の1.08カ月分
北京 1,252 2,649 基本給の2.08カ月分
香港 2,429 4,268 基本給の1.65カ月分
東京 2,595 4,960 基本給の4.61カ月分

参考:インドの物価はどのくらい? 〜コスト面から見るインド・オフショア開発の魅力とは〜|Global Japan Network

これを見ると、アジアの主要都市の中でもインドは圧倒的に人件費が低いことが分かります。

欧米諸国は人件費が安いインドにアウトソーシングすることでコストメリットを得ていると言えます。その結果、インドのIT産業が加速したといえるでしょう。

ちなみに、インドのほかにもタイやベトナムなど物価が安くコストメリットを得やすい東南アジア諸国などがありますが、もともとインドが英語を話していたことや古くからIT産業に力を入れていたことで他国との差が生まれたと考えられます。

2-6.インドでIT系の大学が充実している

インドのIT産業が発展したもう一つの理由は、インドのIT系大学が充実していると言う点も挙げられます。インド国内のIT系大学は近年爆発的に伸びています。その背景には、世界でもトップの工科大学と言われているインド工科大学の存在があります。

インド工科大学はインド政府によって設立された全23校の国立大学の総称です。世界でもトップクラスの工科大学と言われており、Fotyune500(米トップ500社)の約3割の企業に同校出身のボードメンバーが在籍しています。教育水準が高く、研究機関としても国際的に認められている大学です。

インド工科大学の卒業生にはGoogleのCEOであるスンダー・ピチャイを始め多くの技術者が名を連ねています。

インド工科大学の主な卒業生
  • サンダー・ピチャイ(Google社 CEO)
  • サトヤ・ナデラ(マイクロソフト社 CEO)
  • シャンタヌ・ナラヤン(Adobe社 CEO)
  • アルビンド・クリシュナ(IBM社)

インド工科大学の卒業生は、欧米のIT企業が殺到するほど注目される存在。インド工科大学を卒業すれば、エンジニアとして仕事に困る事はありません。

しかし、世界から注目されるインド工科大学は世界で最も入学が難しい大学と言われており、入学できる学生は一握りです。インド工科大学に入学できなかった学生もITを学べるよう、インド国内IT系の工科大学の数が増加しつつあります。

そのような背景により、インドのIT人材が多く輩出されているともいえるでしょう。

3.日本とインドIT産業の関係

日本とインドIT産業の関係

それではここからは、日本とインドインドIT産業の関係についても解説していきます。日本とインドのIT産業の関係では以下の3つが特徴として挙げられます。

図)日本とインドIT産業の関係

それぞれについて詳しく解説を解説していきますね。

3-1.世界と比較すると日本はインドIT産業との関係がまだ薄い

世界の動きと同様に日本でもインド人材の採用などが近年増えては来ていますが、それでも世界の中ではインドIT産業との関係はまだ薄いといえます。

2019年の日本のIT産業における外国人雇用状況をまとめたものです。実はインド人材の採用は語彙の中にも入っていないことがわかります。

グラフ日本のIT企業の外国人雇用状況

参考:IT人材白書2020

このデータから見ても、日本ではまだまだインド人材の採用が少ないと言うことが分かります。

3-2.2015年以降日本でのインド人材の採用実績は増えつつある

IT企業の外国人雇用の中でインド人人材が占める割合は少ないとは言え、その採用の絶対数は2015年から徐々に増えつつあるというデータもあります。

以下は、日本のインド在留高度人材数の推移です。

グラフ日本のインド在留高度人材数の推移

参考:在日インド高度人材に関する調査報告書|Jetro

このように2015年から見ていくと、インドの高度人材の採用数は大きく伸びていることがお分かりいただけます。

IT系の高度外国人人材を採用したいと考えている企業にとっては非常に狙い目です。

インドIT人材と日本企業の関係などについてより詳しい内容は、「インドIT人材ってどうなの?優秀な人材を採用する方法や注意点を解説」でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

4.日本企業のインドIT人材の活用は「あり」!

仕事をするインド人

日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」だといえます。

ここまで解説してきたように、インドには優秀なIT人材が豊富です。日本は近年IT人材不足が深刻化していますが、現代において日本でもインドの技術を迎え入れることにはメリットが大きいと言えます。

例えば日本企業がインドのIT技術を取り入れる方法としては以下の2種類が挙げられます。

  • インドIT人材を採用して迎え入れる
  • インドをオフショア開発先に選ぶ

この章では、日本企業がインドIT人材やオフショア開発を行うメリットについても解説していきましょう。

具体的には以下の3点が挙げられます。

4-1.最先端の技術を持っている人材を確保できる

なんといってもインドIT人材やオフショア開発をすることで、最先端の技術を持っている人材を確保できることが最大のメリットと言えるでしょう。

ここまででも解説してきた通り、インドには優秀なIT人材が豊富です。すでに欧米諸国ではIT技術をインドにアウトソーシングすることが一般的ですが、日本では語学力不足などが理由でリソースを使う企業があまり多くありません。

英語などのハードルを越えれば、インド工科大学卒業者など最先端の技術を持っているエンジニアを日本で採用する事は不可能ではありません。

これから会社で優秀なIT人材を獲得したいのであれば、インドIT人材を視野に入れる事は企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

4-2.インドIT市場は技術の輸出に慣れている

インドは長年高いIT実力を欧米諸国に輸出してきているため、技術の輸出には慣れているということがいえます。

そのためこれから日本国内でインドIT人材を採用したり、インドオフショア開発を行う上でのノウハウは既に持っていると言え、安心して採用または委託することが可能です。

近年では日本国内にもインド人エンジニアを採用したり、インドオフショアを始める企業も増えているため、情報を集めやすいと言うのも大きなメリットといえます。

ITサービス輸出国に慣れていない新興国に比べて信頼性が高いと言う点は、日本にとって大きなメリットとなるでしょう。

4-3.インド工科大学との繋がりを持ちやすい

近年では、インド工科大学とのつながりを持ちやすくなってきたと言う点も挙げられます。

実はもともと、インド工科大学から人材を採用するのは難易度が高いと言われています。その理由としては、インド工科大学の学生を採用する場合に大学側が行う「プレースメント」と言う採用イベントへの参加が必須なためです。

プレースメントは1年で2週間しか開催されず、この2週間の間に世界中の企業が学生を採用するためにインド工科大学に集結します。こうした特殊な採用システムがあるため、今まで参加したことのない企業がインド工科大学の人材を採用する事は難しいと言われてきました。

しかし近年では、日本と日本の企業とインド工科大学の橋渡しをする仲介企業なども現れており、プレースメントの前にインターンシップを行うことであらかじめ学生との信頼関係を構築することも可能となりました。

このようにインド工科大学とのつながりを持つことで、以前よりもインド工科大学からの人材採用のハードルが下がっていると言えるのです。

インド工科大学のプレースメントなど詳しい内容については「インド工科大学から優秀な人材を採用する方法!失敗しないための注意点も解説」でも解説していますので参考にしてみてください。

5.インドIT人材に興味のある方はGALKにご相談ください

GALKのサイト

インドIT人材に興味がある方はGALKにご相談ください。

インド工科大学に興味を示す日本企業の数は、年々増えてきています。その一方で、プレースメントと言う特殊な採用方式により、思うように採用活動が運ばないと言う悩みを持つ企業も増えてきているといえます。

GALKはインド工科大学と日本企業をつなぐサービスを行っておりますインド工科大学全23校と日本で唯一提携しており、2ヶ月のインターンシップを通じて未来の優秀なエンジニアとの橋渡しが可能です。


2カ月間のインターンシップを行うことで、プレースメントが行われる前に学生たちとの信頼関係を構築することができます。その結果、プレースメントを優位に運ぶことも可能となるのです。

インド最高峰のインド工科大学から人材を採用したいと考えたのなら、ぜひGALKにお問い合わせください。

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まとめ

以上、この記事ではインドがIT大国になった理由や日本とインドのIT産業の関係など以下の内容について詳しく解説してきました。

この記事を読めば分かること
・インドIT産業の流れ
・インドがIT大国になった理由
・インドのITは他国と比べてどうなのか
・日本とインドIT産業の関係
・日本企業のインドIT人材やインドオフショア開発の選択肢は「あり」

この記事を詳しく読んでいただくことで、インドIT産業の歴史やIT大国となった背景がご理解いただけたかと思います。この記事を疑問の解消に役立てていただければ幸いです。

インドのエンジニアの年収は中央値152万円!他国と比較して解説

「優秀なインド人エンジニアを採用したいが、年収はどの程度が適当か?」
「インドでオフショア開発したいが、現地のエンジニア単価の相場はいくらだろう?」

ソフトウエア開発に関して、そのような疑問を持っている方は多いでしょう。

近年、インドには優秀なIT人材が豊富だとして、世界中がインド人エンジニアを求めています。
そのため、アジア諸国の中でも年収が上昇しつつあり、中には1,000万円以上の報酬を得る者も増えているのが現状です。

ただ、インドのエンジニアは収入格差が非常に大きく年収の中央値は152万円と決して高くはありません。

優秀な人材が、リーズナブルな報酬で雇用できる可能性は高いでしょう。

そこでこの記事では、インドのエンジニアの年収について、さまざまな角度から調べてみました。
まず最初に、リアルな現状を解説します。

◎インドのエンジニアの年収

さらに、比較対象を提示しますので、費用感をつかんでください。

◎インドの一般的な年収
◎その他の国のエンジニアの年収
◎インドにおける「給与・報酬」の実情

最後まで読めば、知りたいことがよくわかるでしょう。
この記事で、あなたの会社が優秀なインド人エンジニアを適正な年俸で採用できるよう願っています。

1.インドのエンジニアの年収

インドのエンジニアの年収

近年、世界のIT産業においてその優れた能力に注目が集まっているのが、インドのエンジニアです。
日本のIT企業でも、インド人の採用を積極的に検討する企業が増えています。
となると、その給与水準もおのずと上昇するのが現実です。

では、インドのエンジニアの年収事情はどうなっているのでしょうか?

1-1.インドのエンジニアの平均年収は「533万円」

ズバリ結論を言えば、インドのエンジニアの平均年収は「533万円」です。

経済産業省の「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)によると、インドのIT人材全体の平均年収は533万円でした。
ただこれは2016年のデータで、インドはコロナ禍以前は毎年6~8%程度GDPが伸びて経済成長を続けていますので、現在(2022年)ではもっと上がっているかもしれません。

また、インドではエンジニアの年収はその能力によって大きな開きがあります。

下流工程に携わるレベルの高くない者であれば120万円程度から、一方で上流工程でマネジメントなどを手掛けることができる優秀な人材は1,000万円以上にのぼるケースもあります。
そのため、前術の経産省の調査によれば、年収の中央値は「152万円」と平均値とは大きく乖離しています。

この中央値については、「3-3.インドのエンジニアの年収の中央値は「152万円」」でくわしく解説しますので、そちらも参照してください。

ちなみにこの経産省の調査では、日本は598万円ですので、インドとそれほど大きな差はないようです。
IT人材に関する各国比較調査

出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)から編集

1-2.中には3,000万~4,000万円の高額オファー例も

ただ、インドのエンジニアには世界中のIT企業が注目していて、提示される年俸も高騰し続けています。
特に引く手あまたなのが、インド工科大学(IIT)の卒業生です。

優秀な学生は、新卒の年俸1,500万円、1,700万円といった高額を提示され、Google、apple、Facebook(現・Meta)などの大手からオファーがあると言います。

中には、Oracle社が4,000万円という最高額を提示したというトピックがセンセーションを巻き起こした例もありました。
GoogleのCEOであるサンダー・ピチャイも、IITの出身です。

日本でも、IITなどインドの難関工科大学卒業の学生には、初任給50万円からオファーする、といった企業もあり、今後も高水準の給与額が続くと予想されます。

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2.その他の国のエンジニアの年収

その他の国のエンジニアの年収

さて、インドのエンジニアの年収について、平均値は日本に近いですが、優秀な人材には破格の年俸が提示されることが分かりました。
では次に視点を変えて、その他の国々のエンジニアの年収と比較してみましょう。

2-1.平均年収の比較

前出の経産省のデータをもう一度見てみましょう。
IT人材に関する各国比較調査

出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)から編集

これによると、調査8か国のうちインドのIT人材の年収は日本に次ぐ3番目で、中国・韓国よりも高くなっています。

ということは、インドのエンジニアの収入は、全般的に中国・韓国よりも高いと捉えてよいのでしょうか?
それについては、次の項を見てください。

2-2.インドのエンジニアは収入格差が大きい

実は、インドは収入格差が非常に大きい社会構造になっています。
「1-1. インドのエンジニアの平均年収は「533万円」」で前述したように、エンジニアの年収も、能力によって大きな格差があります。

以下はまた経産省の「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」からのデータです。
「各国IT人材の年収分布①」を見ると、インドの場合、年収300万円以下に人数が集中しています。

一方で、2,000万円台後半以上の年収を得ている人は、調査8か国中で最も多いのです。
各国IT人材の年収分布①

出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)から編集

ちなみに日本は500万円前後がボリュームゾーン、アメリカは1,000万~2,000万円の間に集中しています。
これを見ると、インドのエンジニアの年収は、「平均533万円」という統計ほど高くない印象を抱くでしょう。

2-3.インドのエンジニアの年収の中央値は「152万円」

この年収格差について、さらにくわしく見てみましょう。
以下の「各国IT人材の年収分布②」は、同じく経産省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」からのデータで、年収分布の幅と中央値を比較しています。

これによると、インドの年収分布は非常に幅広く、ただしほとんどの人はその中でも低いレベルに集中しています。
そして、中央値はなんと「152万円」です。
「平均年収533万円」とはかなり乖離してしまっています。
各国IT人材の年収分布②

出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)から編集

つまりインドのエンジニアの年収は、実感では533万円もない人が多く、まだまだ世界レベルでは低年収で働いている人材が多数を占めるというわけです。

3.インド人エンジニアを採用する際のポイント

インド人エンジニアを採用する際のポイント

ここまで、インドのエンジニアの年収についてさまざまな視点から比較してきました。

が、この記事を読んでいるのは、「インド人エンジニアを採用したい」と考えている企業の方も多いでしょう。
そこで最後に、インド人エンジニアを採用する際に、年収に関して注意すべきポイントをいくつか挙げておきましょう。

3-1.仕事を選ぶ基準は「給与・報酬額」

一般的にインド人は、仕事に対する高いモチベーションを持っています。
そのかわり、自分の仕事に見合った対価を重視する傾向があります。
仕事を選ぶ基準を給与額・報酬額においていると言ってもいいでしょう。

特に前述したように、経済格差が大きいインドにおいて、エンジニアは国内平均年収の9倍もの年収が得られる職業であり、その期待をもって就業しています。
仕事を選ぶ基準は「給与・報酬額」

出典:経済産業省「IT人材に関する各国比較調査 結果報告書」(2016年)

そのため、もし自分のあげる成果に対して報酬が見合っていないと感じれば、年収アップを狙って転職も考えます。
それを避けるには、先方が納得するような評価基準を示した上で、適切な給与を決める必要があるのです。

3-2.転職時には給与が上がるのが一般的

また、インドでは「転職時には給与が上がる」のが一般的です。
日本では、転職で一時的に給与が下がるケースもよくありますが、インドの場合、逆に20~30%アップする例もあるそうです。

そのため、インド人はより高報酬の仕事があれば、積極的に転職する傾向があります。

逆に言えば、インド人転職者を中途採用をする場合には、「前職よりも高い年収を」と希望される可能性があるのです。
採用時には、「この仕事・このスキルに対しては、自社ではいくらまで支払えるか」を明確にしておきましょう。

3-3.評価基準を明確化する必要がある

実際にインド人エンジニアを雇用したら、注意したいのが評価基準です。
というのも、日本企業とインド人材との間に、「何を評価しているか・されているか」の認識のずれがあるからです。

日本貿易振興機構(JETRO)の在日インド高度人材に関する調査報告書では、インド人を雇用している日本企業と、日本で働くインド人材の双方にアンケートをとった結果、以下のような結果が出ています。

【企業回答】
貴社が最も重視する評価指標
(企業回答 n=27)

評価指標 回答割合
1 チームとしての成果 78%
2 個人としての成果 70%
3 成果に至るまでのプロセス 47%
4 チームワーク 47%
5 リーダーシップ 22%
6 コミュニケーション力 13%
7 チームマネジメント 9%


【インド人材回答】
企業に評価されていると考える評価指標
(人材回答 n=56)

評価指標 回答割合
1 チームとしての成果 70%
2 成果に至るまでのプロセス 51%
3 コミュニケーション力 40%
4 リーダーシップ 40%
5 チームワーク 36%
6 チームマネジメント 30%
7 個人としての成果 25%

出典:日本貿易振興機構「在日インド高度人材に関する調査報告書」(2020年)

企業側は、個人の成果を評価しているつもりでも、インド人従業員はあまり評価されているとは感じていません。
このギャップを埋めるためには、評価基準を明確に定め、インド人従業員が納得するような評価制度を確立する必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
インドのエンジニアの年収について、費用感がつかめたかと思います。
ではあらためて、記事の内容を振り返りましょう。

◎インドのエンジニアの年収は、平均「533万円」、中央値「152万円」

◎インド人エンジニアを採用する際のポイントは、
・仕事を選ぶ基準は「給与・報酬額」
・転職時には給与が上がるのが一般的
・評価基準を明確化する必要がある

以上を踏まえて、あなたの会社が優秀なインド人エンジニアを採用できるよう願っています。

ラボ型開発とは?メリット・デメリット、請負型との違いなど徹底解説

「ラボ型開発』とはどんなもの? 従来の開発方法とはどう違う?」
「オフショア開発をラボ型で委託することを検討しているが、どんなメリット・デメリットがあるのか知りたい」

ソフトウエア開発に関して、そのような疑問や希望を持っている企業も多いでしょう。

「ラボ型開発」とは、「一定の開発期間にわたり、社外にエンジニアチームを構築して開発を委託する開発形態」です。

端的には、「専属の開発チームを社外に持つ」と理解すればいいでしょう。

従来の、案件ごとに外注に出す形態を「請負型開発」と呼びますが、それと比較すると、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【メリット】

・長期間、優秀なエンジニアチームを確保できる
・開発コストを抑えられる
・仕様変更や習性が柔軟にできる
 (依頼時には仕様が決まっていなくてもよい)
・開発ノウハウの蓄積ができる
・コミュニケーションが円滑にとれる

【デメリット】

・準備期間が必要になる
・発注が少ないとコストパフォーマンスが低くなる
・発注元のマネジメント負荷が重くなる

そのため、定期的に発注できる案件がある場合や、アジャイル型開発の場合などに適しています。

そこでこの記事では、ラボ型開発を検討する際に知っておくべきことをまとめました。

まず最初に、ラボ型開発に関する基礎知識を説明します。

◎「ラボ型開発」とは?
◎「国内ラボ型開発」と「海外ラボ型開発」がある
◎ラボ型開発のチーム体制
◎「請負型開発」との違い

それを踏まえて、実際にラボ型開発を考える際の検討材料として、以下について解説します。

◎ラボ型開発のメリット
◎ラボ型開発のデメリット
◎ラボ型開発が向いているケース
◎ラボ型開発についてよくある質問

最後まで読めば、これから立ち上がる案件んをラボ型開発に出すべきか、自信をもって判断できるようになるでしょう。

この記事で、あなたの会社のシステム開発が順調に進むよう願っています。

1.ラボ型開発とは

まず最初に、「ラボ型開発」とはそもそもどんなものか、正しく理解しておく必要があります。

そこでこの章では、ラボ型開発の定義、他の開発手法との違いなどを説明しましょう。

1-1.「ラボ型開発」とは?

「ラボ型開発」は、一定の開発期間にわたり、社外にエンジニアチームを構築して開発を委託する開発形態です。

「ラボ契約」とも呼ばれます。

一般的には、委託先の企業と6か月~1年間といった中長期の契約を結び、その間チームのエンジニアは、依頼元の企業の案件のみを扱います。

つまり、専属の開発チームを社外に持つわけです。

契約の形態としては、「準委任契約」(民法第656条)に該当します。

準委任契約の場合、「契約期間中に決められた業務を行うこと」だけを約束するもので、「仕事を完成させること」「成果物が依頼元の満足する結果を出すこと」は求められません

(ただし、契約書にその旨記載した場合はまた別です。)

そのため、「案件が継続的に発生するが、自社内では人的リソースが足りない」という場合などに、その不足を補うため、優秀なエンジニア集団を外部に一定期間確保できる方法として利用されています。

1-2.「国内ラボ型開発」と「海外ラボ型開発」の2タイプがある

ちなみに、一般的に「ラボ型開発」というと、「海外(=オフショア)で行うもの」ととらえる人が多いようです。

実際に、そのような開発形態を表す「オフショア開発センター(ODC)」という言葉が「ラボ型開発」と同義語で使われるケースもよくあります。

が、広い意味での「ラボ型開発」には、海外での開発だけでなく「国内ラボ型開発」も含まれ、国内ラボ型開発を専門に請け負う企業も複数あります。

国内型の場合、オフショア開発でしばしば課題となる言語の壁や時差の壁、文化の壁などがなく、コミュニケーションがスムーズにとれるのが利点です。

反面、コスト面ではやはりオフショアの方が低く抑えられます

開発内容やコスト、納期などを鑑みて、どちらが適しているか選択する必要があるでしょう。

オフショアのラボ型開発については、別記事ラボ型オフショア開発とは?契約形態、開発の流れ、国別の特徴など解説でさらにくわしく説明していますので、そちらも参照してください。

1-3.ラボ型開発のチーム体制

ラボ型開発では、エンジニアチームを外部に構成します。

そのため、チーム体制や指示系統は以下のようになるのが一般的です。
ラボ型開発のチーム構成ラボ型開発請負企業では、エンジニアチームを編成するとともに、チームを取りまとめるブリッジエンジニア(PMまたはブリッジSE)を用意します。

このチームは、契約期間中は依頼元の専属ですので、まさに社内の開発チームと同様のチームが社外にある、とイメージすればいいでしょう。

ですから依頼元は、ラボのブリッジエンジニアに対して、自社のPMに出すような作業指示を出して開発を進めることになります。

1-4.「請負型開発」との違い

さて、前項の図では、ラボ型開発と比較して「請負型開発」という契約形態を挙げました。

開発を外注する場合、この2者のいずれかの契約を結ぶケースが多いためです。

そこで、どちらの方法を選べばいいか判断できるように、ラボ型開発と請負型開発の特徴を比較しておきましょう。

両者の違いを表にまとめましたので、以下を見てください。

 

上記のように、案件の内容、費用、期間などの条件ごとに、どちらが適しているかが異なります。

ラボ型開発 請負型開発
契約形態 準委任契約(民法第656条) 請負契約(民法第632条)
契約期間 3か月、6か月、1年など中長期 短期(納期によって定める)
責任範囲 契約期間中、決められた人員を確保、稼働させる
→基本的には、決められた作業のみ行う仕事の完成や成果物に対しては責任なし
契約期間内に仕事を完成、成果物を納品する
開発体制 ウォーターフォール型
アジャイル型
主にウォーターフォール型
開発モデル 依頼元と依頼先で決める 開発者が決める
メリット ・長期間、優秀なエンジニアチームを確保できる
・開発コストを抑えられる
・仕様変更や習性が柔軟にできる
(依頼時には仕様が決まっていなくてもよい)
・開発ノウハウの蓄積ができる
・コミュニケーションが円滑にとれる
・成果物を完成して納品してもらえる
・案件1件ごとの契約なので、開発コストが把握しやすい
デメリット ・準備期間が必要になる
・発注が少ないとコストパフォーマンスが低くなる
・発注元のマネジメント負荷が重くなる
・依頼時に、要件定義書や仕様書が必要
・仕様の変更や修正には追加費用が発生する可能性がある
・案件ごとの契約で、完成したらプロジェクトは解散するため、開発ノウハウが蓄積されにくい
向いているケース ・定期的に発注する案件がある
・仕様変更が予想される、あるいは仕様が決まっていない
・既存のアプリやサービスの運用、改修
・アジャイル型開発
・要件、仕様が決まっている
・単発の案件のみ外注したい

が、おおまかにまとめると、「人手が欲しい」「システムの要件や仕様は、開発しながら詰めていきたい」場合はラボ型「システムの要件や仕様は決まっているので、それを納期までに完成してほしい」場合は請負型が向いていると言えるでしょう。

2.ラボ型開発のメリット

さて、1-4.「請負型開発」との違いの比較表で、ラボ型開発のメリット、デメリットを挙げました。

これらは、ラボ型開発を深く理解するうえで知っておくべき重要なことですので、ひとつずつくわしく説明しておきましょう。

まず、メリットは主に以下の5点です。

・長期間、優秀なエンジニアチームを確保できる
・開発コストを抑えられる
・仕様変更や習性が柔軟にできる
 (依頼時には仕様が決まっていなくてもよい)
・開発ノウハウの蓄積ができる
・コミュニケーションが円滑にとれる

2-1.長期間、優秀なエンジニアチームを確保できる

ラボ型開発の特長であり、一番のメリットといえるのは、「長期間にわたって優秀なエンジニアチームを確保できる」ことです。

請負型の場合、こちらが希望する納期までの間、優秀な人材を確保できるとは限りません。

発注先の企業が並行して請け負っている他社の案件にも、リソースを割かなければならないからです。

特に、PL以上の人材は、優秀であるほど他社からのアサイン希望も集中しがちです。

こちらが「前回のプロジェクトでリーダーを務めてくれた〇〇さんに、またお願いしたい」と申し出ても、すでに他社案件に携わっていた、というケースもあり得ます。

一方ラボ型であれば、契約期間中はエンジニアチームは発注元の専属になります。

基本的に途中でメンバーが抜けたり変わったりすることはありません。

そのため、優秀なメンバーを長期間確保し、情報やノウハウを共有しながら開発を進めることができるのです。

2-2.開発コストを抑えられる

次に、「開発コストを抑えることができる」点が挙げられます。

ラボ型開発は「エンジニアの人数✕期間」での契約ですので、期間中は仕様変更や修正を依頼しても、原則的に追加費用は発生しません

請負型であれば、新たに見積もりをしなおして追加費用が発生することもよくありますので、ラボ型の方が低コストで自由な開発が進められるといえるでしょう。

また、「海外(=オフショア)でのラボ型開発」であれば、人件費も抑えられます

ご存じのように、オフショア開発はベトナム、インドネシア、ミャンマー、タイなど、日本より人件費の水準が低い国で行われるのが主流です。

システム開発における人件費は、一般的に全体のコストの7割を超えるとも言われるため、人件費を抑えることは開発コストの大幅カットにつながるというわけです。

オフショアでのラボ型開発に関しては、別記事ラボ型オフショア開発とは?契約形態、開発の流れ、国別の特徴など解説にくわしく解説していますので、そちらもぜひ読んでみてください。

2-3.仕様変更や修正が柔軟にできる

前項とも関係しますが、請負型開発が案件やプロジェクトごとの契約であるのに対して、ラボ型開発は「エンジニアの人数✕期間」での契約です。

契約期間中であれば、そのチームは依頼元の指示に沿って作業を行います。

そのため、開発途中で仕様を変更したり、修正が必要になったりした場合でも、新たに見積もりを取り直すことなく、基本的には契約時の費用の範囲内で柔軟に対応してもらうことができます。

もし、契約時には要件も仕様も明確に決まっていない状態であっても、開発しながらシステムの内容を詰めていく、という方法も可能です。

2-4.開発ノウハウの蓄積ができる

また、長期間同じメンバーのチームで開発に携わるため、依頼元と依頼先の間で共通の開発ノウハウが蓄積されていきます。

そのため、徐々に開発スピードやクオリティが上がっていくことが期待できます。

一方、プロジェクトごとに新たなチームを組む請負型では、そのたびに一から認識のすり合わせをしなければなりません。

それが必要ない分、ラボ型の方が工数や時間を大幅にカットできるといえるでしょう。

2-5.コミュニケーションが円滑にとれる

同様に、チームが固定化することで、コミュニケーションも円滑になります。

同じメンバーで継続的に作業していると、共通の経験値が積まれていきます。

これは、チームのメンバー間にも、依頼元と依頼先との関係にも言えることで、長期間にわたって何件かの案件をこなしていくうちに、お互いの認識も近づき、話が通るのも早くなるはずです。

その結果、開発スピードやクオリティの向上が期待できるでしょう。

3.ラボ型開発のデメリット

一方で、ラボ型開発にはデメリットももちろんあります。

それは、主に以下の3点です。

・準備期間が必要になる
・発注が少ないとコストパフォーマンスが低くなる
・発注元のマネジメント負荷が重くなる

3-1.準備期間が必要になる

まず第一に、チームを立ち上げるに際して一定の準備期間がかかります。

数か月から1年間という中~長期間にわたって自社案件を専属で任せるのですから、ただ人を集めてすぐに開発にかかってもらうというわけにはいきません。

まず、チームメンバーを選定する必要があります。

自社の希望するスキルを持っている人材を見極めて、チームを編成します。

これについては、開発会社によっては依頼元が自由に選べないケースもあるようですので、こちらの要望を聞いてくれるところを探しましょう。

チームメンバーが決まったら、指示系統の確立や、依頼元独自の開発プロセスやノウハウのレクチャーなど、社内でプロジェクトを立ち上げる際と同様の準備が必要です。

そのため、ラボ型開発を依頼する際には、この準備期間も見込んでおかなければなりません。

3-2.発注が少ないとコストパフォーマンスが低くなる

もうひとつの問題は、発注件数です。

前述したように、ラボ型開発は「エンジニアの人数✕期間」で契約します。

もし契約期間中に、チームに依頼する案件がなかったとしても、「その分だけ費用を割り引いてほしい」というわけにはいきません。

期間中に依頼した案件が1件でも10件でも、基本的には費用は変わらないのです。

そのため、発注する案件が少なければ、ラボ型のコストパフォーマンスは低く、個別に請負型で契約した方が費用総額が抑えられるケースも出てきてしまいます。

「継続して常に案件が発生する」「常に人員不足である」という状態であれば、ラボ型はコストパフォーマンスが高いといえますが、そうでなければ請負型も検討してみる必要があるでしょう。

3-3. 発注元のマネジメント負荷が重くなる

ラボ型と請負型では「依頼元が何をするか」が異なります。

請負型では、開発会社が組んだチームに対して、依頼元は要件定義書や仕様書を渡して発注し、その後の開発はチームに任せます。

一方、ラボ型の場合は、依頼元の担当者がチームに対して指示を出したり、各段階でチェックをするなど、自社内での開発と同様のマネジメントが必要です。

また、3-1.準備期間が必要になるで触れたように、そもそもチームの人員選定から手掛ける必要があり、その後のメンバー管理も求められるでしょう。

専属チームを抱えることのメリットとともに、そのマネジメント負荷が発生するというデメリットも覚悟しておく必要があるのです。

4.ラボ型開発が向いているケース

ここまで、ラボ型開発のメリットとデメリットがわかりました。

これを踏まえれば、「自社の場合はラボ型と請負型のどちらを選ぶべきか」を判断することは可能でしょう。

ですが、「自分で決めるにはもっと具体的な例が知りたい」という方もいるかと思います。

そこでこの章では、ラボ型開発が向いているのはどんなケースか、より具体的に挙げていきましょう。

4-1.定期的に発注する案件がある場合

まず、前述のように「定期的に発注したい案件が発生する場合」は、ラボ型が向いています。

「開発案件が途切れないのに、人員はつねに不足している」という状況で、もし請負型開発を外注すると想定してみましょう。

1件ごとに依頼先を選定して、依頼内容を説明し、見積もりをとって契約書を交わさなければなりません。

また、企業ごとに開発プロセスやルールが微妙に異なるため、毎回そのすり合わせや確認連絡にも手間がかかります。

それに対してラボ型なら、上記の手順は1回で済むので、依頼元の時間や手間、ストレスは少なく抑えられるでしょう。

4-2.仕様変更が予想される場合

これも繰り返しになりますが、「仕様の変更や修正が予想される場合」も、ラボ型がおすすめです。

契約期間内であれば、追加費用が発生せずに対応してもらえるためです。

請負型に比べてコストが抑えられるのはもちろん、長期間同じチームで作業することで開発ノウハウを共有できるため、こちらの指示に対する理解も早く、柔軟で適切な作業が期待できるでしょう。

4-3.既存のアプリやサービスを運用・改修する場合

さらに具体的な例を挙げれば、ラボ型開発は「既存のアプリ・サービスの運用・改修」にも適しています。

これらを日常的に運用するには、定期的な改善、改修や不具合への対応が不可欠です。

決められたアプリやサービスを常にメンテナンスするという作業は、同じメンバーが継続的に開発に携わるラボ型開発の特性と非常にマッチするといえるでしょう。

特に、オフショアでのラボ型開発であれば、コストダウンも見込めるはずです。

このオフショアのラボ型開発については、別記事ラボ型オフショア開発とは?契約形態、開発の流れ、国別の特徴など解説にくわしく説明していますので、ぜひ参照してください。

4-4.アジャイル型の開発の場合

さらに、1-4.「請負型開発」との違いの表の「開発体制」の欄を見てください。

請負型は「ウォーターフォール型」向けであるのに対し、ラボ型は「アジャイル型開発」にも適しています

ご存じのように、開発の最初の段階で要件や仕様をくわしく決めて、すべてが完成してからシステムをリリースするのがウォーターフォール型開発です。

一方で、要件や仕様はざっくりと決めるだけで開発をスタートし、短期間で設計、リリース、テストを繰り返しながら改修、改善を進めていくのがアジャイル型開発です。

アジャイル型は、スピーディなリリースが可能なため注目を集めている方法ですが、その特性上、小規模な開発を積み重ねていく必要があります。

となると、4-1.定期的に発注する案件がある場合と同様の理由で、請負型よりもラボ型の方が適しているというわけです。

アジャイル型開発の違い

このように、ラボ型開発は主に請負型開発と比較して様々な点で異なります。

その特徴をよく理解した上で、どちらを選択すべきか判断してください。

5.ラボ型開発についてよくある質問

ここまで、ラボ型開発についてさまざまな視点から解説してきました。

が、これ以外にも知りたいことがある、という方も多いのではないでしょうか?

そこで最後に、ラボ型開発に関してよくある質問に答えておきましょう。

5-1.作業はどこで行うのか?

まず、「ラボ型開発を依頼した場合、開発作業はどこで行うのか?」という疑問があります。

依頼元の社内に開発ルームを新たに設けて、メンバーに出向してもらうのでしょうか?

いいえ、そうではありません。

ラボ型開発では基本的に、開発会社の社内で作業が行われます。

特に、オフショア型の場合は依頼先が海外なので、メンバーも現地にいます。

そのため、依頼に際してはセキュリティ面をよく確認する必要があるでしょう。

5-2.チームメンバーは変更できるか?

ラボ型開発では、最初にメンバーを選定してチームを編成しますが、開発を進めるうちに「この人はスキルが足りないな」といった不満を感じることもあるでしょう。

その場合、メンバー変更は可能でしょうか?

これは、依頼先の開発会社によって異なります

メンバー選定自体が自由にできず、先方が組んだチームに任せなければならないケースでは、メンバー変更も難しいでしょう。

それに対して、メンバー選定から途中での変更、増員などにも柔軟に対応してくれる開発会社もあります。

契約前に、その企業がどのような規定を設けているか、かならず確認しましょう。

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ラボ型で開発を外注する場合でも、自社側に優秀なエンジニアがいれば委託先企業とのコミュニケーションがスムーズに運びます。

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日本で唯一、インド工科大学全23校と連携しサービス展開をしています。

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これまでにインターンシップを実施して1名も採用に至らなかった企業は一社もありません。

・自社の更なる開発力強化に優秀な技術者を必要とするIT企業
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このような希望、悩みをお持ちのご担当者様は、ぜひ「GALK(ガルク)」をご検討ください!

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まとめ

いかがでしょうか、ラボ型開発について、知りたかったことがよくわかったかと思います。

ではあらためて、記事の要点を振り返りましょう。

◎「ラボ型開発」とは、「一定の開発期間にわたり、社外にエンジニアチームを構築して開発を委託する開発形態」

◎ラボ型開発のメリットは、主に以下の5点

 ・長期間、優秀なエンジニアチームを確保できる

 ・開発コストを抑えられる

 ・仕様変更や習性が柔軟にできる

 ・開発ノウハウの蓄積ができる

 ・コミュニケーションが円滑にとれる

◎ラボ型開発のデメリットは、主に以下の3点

 ・準備期間が必要になる

 ・発注が少ないとコストパフォーマンスが低くなる

 ・発注元のマネジメント負荷が重くなる

◎ラボ型開発が向いているのは、以下のようなケース

 ・定期的に発注する案件がある

 ・仕様変更が予想される

 ・既存のアプリやサービスを運用、改修したい

 ・アジャイル型開発

以上を踏まえて、あなたの会社がラボ型開発を適切に導入できるよう願っています。

オフショア開発のセキュリティ|実情やリスクと対処法をくわしく解説

「オフショア開発を委託したいが、セキュリティ面が心配」
「オフショア開発で日本並みのセキュリティを担保するにはどうすればいい?」

海外でのソフトウエア開発を検討している企業の中には、そのような不安や疑問を持っている担当者も多いでしょう。

たしかにオフショア開発を受け入れる国々は、途上国や新興国が多いため、セキュリティ意識が低いところも多くあります

が、一方で日本や欧米から多くの案件を受注するために、セキュリティ対策や教育に注力している企業も増えているのが現状です。

また、日本側が以下のような十分な対策をとることで、セキュリティを高めることも可能でしょう。

・ラボ型契約にする
・プロジェクトルームを用意する
・有線のクローズドネットワークを構築する
・作業用PC、OS、ソフトは新たにこちらで用意する
・チームメンバーにセキュリティ教育を行う
・チームメンバーの入退室管理・就業管理を徹底する
・情報漏洩などが発生した際のフォロー体制を整える

そこでこの記事では、オフショア開発のセキュリティに関して、発注元の企業が知っておくべきことを網羅しました。

まず最初に、現状を知っておきましょう。

◎オフショア開発のセキュリティ管理
◎オフショア開発のセキュリティリスク
◎情報漏洩の事例

その上で、リスクの回避や解決方法を考えていきます。

◎セキュリティリスクのあるオフショア開発企業を見極めるポイント
◎オフショア開発でセキュリティを高めるための対処法
◎オフショア開発以外の外注方法のセキュリティ

最後まで読めば、オフショア開発のセキュリティに関する不安を減じることができるでしょう。

この記事で、あなたの会社が安全なオフショア開発をできるよう願っています。

1.オフショア開発のセキュリティ管理

オフショア開発を検討する際に、かならず不安の声が上がるのが「日本基準でセキュリティ的に問題はないのか?」ということでしょう。

そこでまず、オフショア開発でのセキュリティ管理の実態について考えてみましょう。

1-1.オフショア開発のセキュリティは安全か?

結論から言えば、オフショア開発におけるセキュリティのレベルは、国やオフショア会社によって全く異なります

そもそも日本企業がオフショア開発を行う目的は、「人件費の安い途上国、新興国に開発を委託することで、開発コストを抑えるため」というケースがほとんどですが、途上国・新興国は、セキュリティや個人情報保護、コンプライアンスに関する意識が低いところも多いものです。

過去には、重大な情報漏洩事例がニュースになった例もありました。(3.情報漏洩の事例参照)

ただ、オフショア開発を積極的に受け入れようとすれば、セキュリティの強化が求められることを理解して、現在はその点に力を入れて改善を進める国も出てきました

情報セキュリティ管理に関する国際規格・ISO27001を取得するオフショア会社も増えていますし、セキュリティサービスをオプションとして提供する例もあります。

オフショア開発の委託先を選ぶ際には、そのような対応をとっているところを選ぶとよいでしょう。

1-2.オフショア開発の一般的なセキュリティ管理

では、現在の一般的なオフショア開発現場では、どのようなセキュリティ管理が行われているでしょうか?

以下に挙げるのはあくまで一例ですが、実際に海外に委託する際のひとつの基準として参考にしてください。

1-2-1.入退室管理

開発を行うオフィスの入退室は、指紋認証などの生体認証や入退室カードで管理しているところが多いようです。

また、出入り口や天井などに監視カメラを設置するなどしています。

1-2-2.開発環境

次に開発環境です。

PCは、多くの場合日本と同様に会社側が用意し、持ち出しが禁じられます

が、現在はコロナ禍の影響などもあって、リモートワークのために持ち出される例もあり、注意が必要です。

ネットワーク環境は、インターネットへのアクセスが可能になっているケースも多いため、開発を依頼する際にはアクセス制限、アクセスログの管理をしなければなりません。

1-2-3.セキュリティ教育

セキュリティ教育のレベルは、国やオフショア会社によって異なります

日系のオフショア会社であれば、日本と同様の教育を現地スタッフにも行っているところがあるので、そのような会社を委託先に選べば安心度は高くなるでしょう。

2.オフショア開発のセキュリティリスク

ところで、「オフショア開発では、セキュリティが不安」と感じる方は、具体的にどんなリスクを懸念しているのでしょうか?

漠然とした不安ではなく、実際に起こりうるセキュリティリスクにはどんなものがあるでしょうか。

それは主に、以下の3点です。

2-1.ソースコードや機密情報が流出する

第一のリスクは、「ソースコードや機密情報の漏洩」です。

前述したように、オフショア開発は途上国や新興国で行われることが多いため、セキュリティに関する意識や教育がまだ徹底されていないケースがままあります。

そのため、事故で情報が流出してしまったり、中には現地スタッフが情報を持ち出して漏洩することも考えられます。

特にシステム開発は、成果物が形のないソースコードであるため、非常に持ち出しやすいのが難点です。

ラボ型開発でなく請負型開発で委託した場合は、日本側が知らない間にプロジェクトに携わるエンジニアが入れ替わることもあるため、流出や持ち出しのリスクはより高まるでしょう。

2-2.ラボ型などの場合、セキュリティにコストを割けない

ラボ型契約などでは、専用のプロジェクトルームを現地に開設するケースもありますが、そこで高度なセキュリティを確保しようとすれば、その分コストがかかります

が、そもそもオフショア開発は、人件費削減によるコスト削減が目的のひとつですので、「セキュリティは高めたいが、そこにコストは割けない」という日本側の矛盾があるのです。

そのため現地側では、「セキュリティを高めたくても予算がない」という状況になり、期待通りのセキュリティ対策が行われないというリスクもあるのです。

2-3.国により知財意識が低い

オフショア開発を受け入れている途上国・新興国の中には、セキュリティ意識だけでなく、著作権や特許権などの知的財産に対する意識も低いところが多いものです。

そのため、開発中のシステムに関する機密情報を外部に漏らしたり、持ち出すことへのハードルも日本より低いと言えます。

セキュリティ意識とともに、知的財産の範囲や、なぜ知財が守られなければならないかといった基本的な教育も必要になるかもしれません。

3.情報漏洩の事例

では、実際に過去にはどんなセキュリティ事故・事件があったのでしょうか?

ここでひとつ、以前に大きな問題となったケースを紹介しておきましょう。

2021年8月、村田製作所の取引先情報と従業員情報約7万2,000件が流出する事件が起こりました。

村田製作所が、利用していた会計システムの移行を日本アイ・ビー・エムに依頼したところ、アイ・ビー・エムはその案件をIBM中国法人に再委託しました。

その際、情報をクラウド上に保管していましたが、現地採用のエンジニアのひとりが業務用のPCからそのデータを無断で持ち出し、個人用クラウドにアップロードしてしまったのです。

このエンジニアは、「勉強のために自分のノウハウを個人用クラウドにアップして整理していた、その中に偶然顧客の情報が含まれていた」という主旨の供述をしたようです。

さいわい、悪用されないうちにデータは削除されましたが、委託先のセキュリティ対策とセキュリティ意識の甘さが招いた事件でした。

4.セキュリティリスクのある要注意オフショア開発企業の特徴

以上のように、実際にオフショア開発にはセキュリティリスクがあることがわかりました。

ただ、前述したようにISO27001を取得したり、オプションとしてセキュリティサービスを用意したりする企業も増えています。

つまり、オフショア開発のセキュリティレベルは、企業ごとに異なるのが現状です。

そこで、セキュリティレベルが低く、リスクが高いオフショア企業を避けるために、その見極めポイントを挙げておきましょう。

4-1.再委託をしている

まず、日本企業から受けた案件を、現地でさらに孫請けに出す=再委託をするオフショア企業には要注意です。

直接委託した企業に対しては、契約書にセキュリティに関する条項を盛り込む、セキュリティの管理基準を定める、スタッフにセキュリティ教育を施すなどの対策ができますが、再委託されてしまうと、孫請け企業にはそれらの対策が及びません。

また単純に、開発に関わる人員の数が増えると、それだけリスクも増加するでしょう。

関わるスタッフすべてに日本側の目が行き届くことを重視してください。

4-2.エンジニアの出入りが激しい

次に、エンジニアの入れ替わりが激しい、離職率が高いオフショア会社も危険です。

プロジェクトを抜けた人、やめた人まで管理することはできないからです。

誰がこのプロジェクトに携わっているか、どの作業を担当しているかをこちらが把握できるかどうかがポイントのひとつになります。

4-3.過去の実績を示せない

3点めは、過去にどのようなオフショア開発を手掛けてきたかという実績を開示できない、あるいは実績がない企業です。

日本からのオフショア開発を多く手掛けてきた会社は、日本側が要求するセキュリティレベルがわかっていて、対策にも慣れています。

一方、日本の案件の実績が少ない、またはよくわからない会社であれば、こちらが一からセキュリティ管理の体制を整えなければならない恐れがあるのです。

そのため、委託を考える際には、その企業がどの程度のオフショア開発実績があるかをかならず確認するといいでしょう。

5.オフショア開発でセキュリティを高めるための対処法

では、実際にオフショア開発を委託するとなった際に、よりセキュリティを高めてリスクを減らすために、日本側ができる対策にはどんなことがあるでしょうか?

それには以下の7点を行ってください。

5-1.ラボ型契約にする

まず最初の契約時点で、できればラボ型契約で委託しましょう。

ラボ型契約は、こちらが選んだ人材でチームを組み、一定期間そのメンバーを確保することができます。

エンジニアの入れ替わりがないので、メンバーの把握・管理がしやすいのが利点です。

一方、請負型契約であれば、途中でエンジニアが入れ替わる可能性もありますし、日本側にはそれが知らせられないケースも考えられます。

ラボ型契約に関しては別記事ラボ型オフショア開発とは?契約形態、開発の流れ、国別の特徴など解説」「ラボ型開発とは?メリット・デメリット、請負型との違いなど徹底解説にくわしく解説していますので、そちらも参照してください。

5-2.プロジェクトルームを用意する

次に、現地に専用のプロジェクトルームを用意して、作業はかならずそこでするように指示しましょう。

そして、プロジェクトルームの入退室は1か所のドアのみから、入退室カードや生体認証などを経て行うようにします。

この入退室はデータを保管し定期的にチェックしてください。

ルーム内は、手荷物の持ち込みも一切禁止します。

さらに、監視カメラは室内、ドアの内側と外側に設置し、この映像データも一定期間保存しましょう。

5-3.有線のクローズドネットワークを構築する

ネットワークに関しては、Wi-Fiを使わないのは基本です。

日本側と現地との専用回線を用意し、クローズドネットワークを構築しましょう。

先方で何社かの開発を同時進行している場合は、社内ネットワークもかならずセグメント化します。

これにより、プロジェクトに関係ない誰かがこちらの重要な情報にアクセスするリスクを軽減できます。

5-4.作業用PC、OS、ソフトは新たにこちらで用意する

さらに、開発用のPCやOS、必要なソフトやツールは日本側で用意すべきです。

もし、途中でエンジニアの入れ替わりがあれば、PCも新たなものに入れ替えるのが望ましいでしょう。

その上で、不要なソフトを利用していないかを定期的にチェックします。

PC管理ソフトを利用すれば、遠隔地からでも以下の管理が可能です。

・PCの操作履歴の記録、ログ解析
・不正ソフトの監視
・不正アクセスの防止
・設定変更の制限    など

もちろん、PCの持ち出しやUSBなど記録媒体の利用も禁止です。

5-5.チームメンバーにセキュリティ教育を行う

チームメンバーが決まったら、かならずセキュリティ教育を実施することも重要です。

日本側で教材を用意し、現地の管理者からエンジニア全員に対してレクチャーをします。

セキュリティ管理に関する基準も文書化して配布するとよいでしょう。

また、それを遵守しているか、セキュリティ意識を高く持っているかをチェックする「チェックシート」を作成し、定期的にメンバーそれぞれにチェック、サインして提出させましょう。

5-6.チームメンバーの入退室管理・就業管理を徹底する

開発が始まったら、プロジェクトルームへの入退室や、メンバーの出退勤、就業時間などの管理は厳密に行います。

前述したように、入退室はカードや生体認証で記録を残し出退勤時間、就業時間と矛盾がないか、定期的にチェックしましょう。

もしエンジニアの入れ替わりがあれば、抜けた人からカードを返却してもらう、生体認証の登録を削除するといった手続きが速やかに行われたかの確認も必要です。

5-7.情報漏洩などが発生した際のフォロー体制を整える

ここまで徹底すれば、セキュリティリスクはかなり抑えられますが、それでもリスクゼロとはなりません。

そこで、もし情報が漏洩するなどの事故・事件が発生した場合に、どのように対応するかを事前に決め、フォロー体制を用意しておきましょう。

セキュリティに関する責任者を日本側・現地側でそれぞれ定め24時間いつでもすぐに連絡がとれるように、連絡・指示系統を整えます。

また、現地でどのように対応するか、日本側で文書化して共有しましょう。

6.オフショア開発以外の外注方法のセキュリティ

ここまで、オフショア開発でのセキュリティについてさまざまな視点から考えてきました。

が、「開発を外注したいが、やはり少しでもリスクがあるならオフショア開発は不安」と感じた方もいるでしょう。

そこで、オフショア開発以外の外注方法のセキュリティに関しても、説明しておきます。

6-1.オンショア開発

オフショア開発に対応する概念として「オンショア開発」があります。

これは、すべての開発工程を自社内で行う方法です。

オンショア開発では、海外の人材に開発に加わってほしい場合は自社に呼び寄せてチームに加えます。

この方法であれば、セキュリティレベルは自社で管理できるため、リスクを最小限に抑えることが可能です。

ただし、日本で海外エンジニアを採用すると、人件費は日本人と同等かそれ以上になるため、オフショア開発で期待できるようなコストメリットはありません。

6-2.ニアショア開発

ニアショア開発には、日本国内の地方都市に開発を委託するケースと、ごく近場の海外に委託するケースがあります。

セキュリティレベルを担保しつつ、コスト削減も図りたいとなれば、もっとも適しているのは国内でのニアショア開発だと言えそうです。

開発を担当するのは地方の日本企業ですから、セキュリティに関する基準、設備、意識も日本水準で信頼度の高いものです。

一方、地方のメリットとして、人件費やオフィスの賃貸料などが都心部よりも低く抑えられます。

コストの削減幅はオフショア開発よりは小さいですが、ふたつのメリットをとることができる選択肢としておすすめです。

世界の企業が注目する「インド工科大学」の学生を

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オフショア開発では、日本企業側にも英語力・ITスキルに優れた外国人エンジニアがいれば、現地とのコミュニケーションがスムーズに運びます。

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過去2年間で約50名の学生が日本企業でのインターンシップを実施し、うち75%のインターン生が正規採用を勝ち取っています。

これまでにインターンシップを実施して1名も採用に至らなかった企業は一社もありません。

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まとめ

いかがでしたか?

オフショア開発のセキュリティについて、知りたいことがわかったかと思います。

最後にあらためて、記事のポイントをおさえておきましょう。

◎オフショア開発のセキュリティリスクは、

 ・ソースコードや機密情報が流出する
 ・ラボ型などの場合、セキュリティにコストを割けない
 ・国により知財意識が低い

◎セキュリティリスクのあるオフショア開発企業を見極めるポイントは、

 ・再委託をしている
 ・エンジニアの出入りが激しい
 ・過去の実績を示せない

◎オフショア開発でセキュリティを高めるための対処法は、

 ・ラボ型契約にする
 ・プロジェクトルームを用意する
 ・有線のクローズドネットワークを構築する
 ・作業用PC、OS、ソフトは新たにこちらで用意する
 ・チームメンバーにセキュリティ教育を行う
 ・チームメンバーの入退室管理、就業管理を徹底する
 ・情報漏洩などが発生した際のフォロー体制を整える

以上を踏まえて、あなたの会社が安全にオフショア開発できるよう願っています。

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